4月25日はカレー記念日

カレー記念日

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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最近、映画見た?

第1回 「物語る私たち」・「めぐり逢わせのお弁当」・「テロ,ライブ」

 cinema

 

◆今回の映画 (作品名は公式サイトにリンクしています)

「物語る私たち」 

「どうする40」読者のみなさま、こんにちは、はじめまして。
食べることと映画が大好きなイラストレーターの小関祥子と申します。
このたび、こちらで自分が最近見た映画についての感想あれこれを
書く場をいただけることになりました。
映画についてのおしゃべり、どうぞおつきあいくださいね〜。

 

さて、連載を始めるにあたり、ほかの執筆者の方たちと同じく、
中島慶子さんに似顔絵を描いていただきました。
どんなふうに仕上がったのかな〜とわくわくしながら、
送られてきたデータを開くと……うわっ、びっくりするくらい母にそっくり!
「あなたはお母さん似」とはよく言われるけれど、
こうして母のことをまったく知らない方が描かれた絵が似ているということは、
どこからどう見てもそっくりなんだなあ…。

 

今日お話するのは、そんな親子の「似ている」「似ていない」からすべてが始まった
ドキュメンタリー映画「物語る私たち」です。

 

◆映画のあらすじ

「1970年代のダイアン・ポーリーは太陽みたいに明るくて、無邪気だった。
誰もが彼女に夢中になった。
そんなダイアンが愛する夫と5人の子どもたちを残し、若くして亡くなったとき、
末っ子のサラはまだ11歳。兄姉たちは言った。『サラだけがパパに似ていない』。
それは、ポーリー家のおきまりのジョーク。でもサラは、ほんの少し不安になる。
本当のパパはパパじゃないのかもしれない。いつしかサラはママの人生を探りだす。
その時みんなの口からあふれ出したのは、
サラの知らない母・ダイアンの秘密の恋だったー」(公式サイトより)

 

◆◆◆

 

この映画を製作したサラ・ポーリーは、1979年カナダ生まれ。
私とほぼ同年代の30代中盤で、女優として、また監督・脚本家としても活躍しています。
「自分だけが父に似ていない」と幼い頃から笑い話のように言われてきたことに、
大人になった彼女がきちんと向き合い、
母の過去について調べるところからこの映画は始まります。

 

調べていく過程で、サラは亡き母に関わるたくさんの人たちから、
自分が知らない母の話をたくさん聞くことになります。
苦い過去を持つひとりの女性として、そして自分と同じ女優という職業の先輩として。
「お母さん」の顔だけではない母ダイアンの姿は、
人生経験がそれほど多くない若い頃であれば、
ただいらだたしく、不快で、拒絶したいものだったかもしれません。

 

けれど、サラは驚くほど柔軟に目の前に現れた現実を受けとめます。

 

サラ・ポーリーという人のもともとの資質もあるのかもしれませんが、
私はサラが今の年齢だからこそ、受け入れられた話、
作ることができた映画なのではないかなあ…と思いました。

 

 自分自身を顧みると、30代中盤になってようやく「人にはそれぞれ、事情がある」ということが、
骨身にしみてわかるようになってきたように思います。

 

いろいろなことが簡単に割り切れなくなり、白黒つけられなくなる。
物事の複雑さや面倒くささを、まあ仕方ないか…と半ばあきらめながらも許容するようになる。
30代中盤は、物事のあいまいさをそのまま受け入れていく時だと感じています。

 

そんな年齢になったからこそ、
この映画で描かれるあたたかく、複雑な優しさ、愛しさ、どうしようもなさ、愚かさが、
よりいっそう沁みてきたような気がします。

 

愛するということは、限りなく許容するということに重なるのかもしれないなあ。
見終わってから、そんなことを思いました。

 

 

◆こちらもおすすめ!◆
「めぐり逢わせのお弁当」

 

手作りのお弁当で、夫との間に生まれた距離を埋めようとする女性と、
妻を亡くして以来、長く独りで暮らしてきた男性。間違えて配達されたお弁当をきっかけに、
ふたりの間に生まれ、育っていく関係性を描いたインド映画。
あ、インド映画と聞いてあなたが思い浮かべたであろう歌もダンスも、
この作品には一切出てきません。抑えた演出で、心の内に巣食う寂しさをどうにかいなしながら、
新しく生まれゆく関係性に胸をときめかせる男女の姿が描かれていきます。

 

お弁当の誤配達をきっかけにつながりが生まれるという、おとぎ話めいた映画ではありますが、
思っていた以上に大人でビターな仕上がりに驚きました。
こんなインド映画もあるんだなあ。
インド映画ってちょっと…と敬遠されていた方にこそ、おすすめしたいです。

 

おいしそうなお料理がたくさん登場するけれど、
見終わって真っ先に思ったのは「カレー食べたいなー!」ではなく
「ああ、人にごはんを作りたいなあ」でしたよ。

 

 

◆こちらもおすすめ!◆
「テロ,ライブ」

 インド映画に続いておすすめするのは、韓国映画です。

 

テレビの花形キャスターの座を追われ、
ラジオDJとしてしょぼくれた日々を送る主人公ユンは、
ある日生放送中に脅迫電話を受けます。
悪戯だと電話を切った瞬間に予告どおり橋が爆破され、
騒然とするスタジオ。
ユンは、これを足がかりにキャスターに返り咲こうと犯人との電話の生中継を始めます。

 

ユンを演じる韓国の人気俳優ハ・ジョンウの出演作は
これまでに何本も見ていますが、作品のたびにまったく違う印象になるのが本当にすごい。
そして、そのどれもがなんともいえないセクシーさを放っているのです。

 

正直、力技で強引に押し切る粗い部分もありますが、
物語のテンポが良いのであまり気にならないところもさすが。
何より、主人公ユンがただのヒーローではなく、
ずるさ、弱さを内包した「私たちと同じ、普通の人」であるところがいいなあと思います。

 

そして、その「普通の人」がぎりぎりのところで見せる勇気や矜持に、
どうしようもなく心打たれてしまうのです。

 

 


 

小関さんの詳細なプロフィールやお仕事はこちら→kittari-hattari


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コメント、ありがとー!

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    れこ

    こんにちは。
    今回から映画の連載が始まるということで、
    とても楽しみにしていました。

    小関さんの似顔絵、本当にそっくりです!
    似ておられるというお母様もきっと
    きりりとした方なのだろうな…と想像しました。

    最近、なかなか映画館に通えずにいたのですが、
    今まで知られることのなかった母の姿を描いた
    「物語る私たち」にとても魅かれました。
    「死ぬまでにしたい10のこと」の主演の方が
    メガホンを取っているんですね。

    これからの連載記事も、
    映画館に足を運ぶ指針にしたいと思います。
    よろしくお願いします!

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    小関祥子

    >れこさん
    コメントありがとうございます!そして、楽しみにしていてくださったと伺い、うれしいです。がんばります。
    「物語る私たち」、女性は何かしらぐっとくるものがあるのではないかなあと思っています。おすすめです!
    監督をしたサラ・ポーリー、れこさんがおっしゃる「死ぬまでにしたい10のこと」の主演でもあります。
    幼くして母と死別した彼女が、幼い子供を遺して世を去らなければいけない母親を演じる、というのは何かしら思うところがあっただろうなあ…。

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    マレ

    『巡り合わせのお弁当』『テロ,ライブ』、ハシゴ見してきました〜!

    上映時間と映画館移動の都合で「物語る私たち」は本日断念。

    初・インド映画です!
    確かに歌と踊りの世界じゃなくてw 、素敵な大人物語でした。細かい笑いもほどよくて、サージャンのカフェでの表情に、「あ〜この映画観て良かった(;_;)」のピーク来ました。思い出してもキュンと切ない。

    初・韓国映画(劇場鑑賞)、こちらはガラリと打って変わってのエンタメ作品!ハラハラしすぎて持病のぜん息出る始末w ラストはもうあーなりますよね、とネタバレ注意報(^^;;

    これから楽しみにしていますので、小関さんの感性と独断でガンガン紹介して下さい!楽しみにしてます(≧∇≦)

    ありがとうございました!

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    小関祥子 Post author

    >マレさん
    コメント、ありがとうございます。そしてはじめまして!
    なんとなんと、2本もハシゴしてくださったと伺い、ほんとうにうれしいです!
    されど、楽しんでくださったようでほんとうによかった。ありがとうございます!

    サージャンのあの表情、わたしもぐっときました。
    そんな理由で、そしてそんな理由だからこその選択がねえ……
    はあ、思い出してもちょっとウルッときます。

    これからも、面白いなー楽しいなーと思った映画をどんどんご紹介していければと思いますので
    どうぞよろしくお願いいたします。

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    カリーナ

    こんにちわ!「物語る私たち」、ようやく、ようやく見れました!

    幾重にも慎重に作られたドキュメンタリーとフィクションのあわいのような作品。見ている間も、見終わってからもいろいろと味わい直し、考えています。

    「物語る」ことが傷つけること、暴き出すこと、そして癒すこと、伝えること、励ますこと。それらが巧みに用心深く描かれていて、これからも、ずっと覚えている映画になりそうです。育てのお父さんをはじめ、家族や周囲の人が映画によってもう一度「語り直す」ことができたのでは・・・と思いました。俳優さん一家のようですし、モノローグやインタビューも演じている部分もありはするのでしょうが、それでも裂け目のようなところからにじみ出る思い、葛藤、愛情。

    「ああでもない、こうでもない」ととらえ直しながら生きるって、なんて慎み深く、思いやりのあることなんでしょう。小関さん、教えてくださってありがとうございます!観客は7人でしたが、全員が息をのむように観ていました。私の前の女性は、わたしと同じポイントでグッときていました。友だちになれそうです(笑)

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    匿名

    >カリーナさん
    「物語る私たち」、よかったですよねえ…。
    瑕のない幸福ではなく、傷だらけ、つぎはぎだらけの幸福を自分の手で作っていくことの確かさを感じる映画でした。
    あの映画を作ることが、サラ自身と彼女の家族をいちどほどき、結びなおしたような気がします。
    生きていくって、めんどくさくてままならないことばっかりだけど、やっぱり面白いですね。

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