4月18日はカレー記念日

カレー記念日

オバフォーの 自分の記事で 元気出た

4月18日はカレー記念日

月亭つまみ

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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50代、男のメガネは

50代、男のメガネは近視と乱視とお手元用  ~それを勇気と誰かが呼ぶ。

 

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それを勇気と誰かが呼ぶ。

 

 

「死ぬ勇気があるなら、もっと頑張って生きればいい」
その声が体育館に響き渡ると、1000人を越える学生たちの一部から小さな拍手が起こった。

 

中学だったか、高校だったか。僕が通っていた学校での話だ。

 

1年生から3年生までの全員が集まって行われる討論会。議題は確か『自殺について』だったと思う。学校側の意図はわからないが、学生たちは明らかに飽き飽きとしていて、リアル中学生日記みたいなムードの中で身の置き所がない、という居心地の悪さを感じていた。

 

今はどうかわからないのだけれど、こういうときに真面目に討論するのはだいたい女子で、男子は、真面目にやる、ということがすでに恥ずかしい。なんで、そんなことせなアカンねん!と声に出すことだけが自分を主張することだったりするわけだ。

 

しかし、当時の女子はそんなはしたない真似はしない。なんとなく議論が、自殺絶対反対派となんとなく擁護派に分かれる中、せめて自分はどっち側なのかを一生懸命に考えていたりする。そして、いつもの一言がアホアホ男子に向けて発せられる。

 

「真面目にやってください」 
この一言が男子の、ほんまは俺らかってちゃんと考えてるんじゃ、というプライドを傷つける。

 

「うるさい、こんなこと考える奴が頭おかしなって死んでまうんじゃ!」
などと、これまた心にも思っていなかった、でも、なんとなく真理を突いているんじゃないかと思えるような一言を吐いてしまう。

 

そんな中、件の一言が発せられる。

 

「死ぬ勇気があるなら、もっと頑張って生きればいい」

 

こんなことを言うのは、中学でも高校でも、だいたい真面目な女子だったりする。そして、すっかり議論に退屈していた学生たちは、このなんとなく画期的な、なんとなく諸刃の剣的な意見に、すっと引き寄せられて共感してしまう。

 

片や、本気で意見を聞いていた一部の学生たちは、安易に共感しないように、表情を引き締める。そして、ここですっと手を上げる学生が必ず一人いる。だいたい三年生の男子で、だいたい髪を校則ギリギリか、ちょっと破ったくらいに長くした奴で、だいたいもてる。不良でもなく、生真面目でもなく、背もちょっと高くてねえ。スポーツとかあんまりやらないんだよねえ。勉強はすごい出来るってわけじゃないんだが、馬鹿でもない。

 

そういう奴がね、すっと手を上げてね、言うんですよ。

 

「死ぬのに勇気なんていらないだろ?」

 

ってね、言っちゃう。すると、最初に発言した真面目な女子が、かあ〜っと、顔を赤くして、下を向いて黙る。この真面目女子の親友を自称する友だちが「じゃあ、誰でも死ねるんですか!?」なんて、本質とずれたことを言っちゃう。なんとなく、体育館全体が、おお〜っ!とどよめく。

 

こういうのって、いまだに実は解決しないままに生きている気がする。勇気っていったいなんなんだ、とか。優しさっていったいなんなんだ、とか。大人になればなるほど、そこを勘違いしていると思われても嫌だし、ということで、くちをつぐんでしまう。そして、何にも分かっていないように思われるのが嫌で、ちょっと冷ややかに笑ってみたりする。

 

でも、今になって思うのは、その真面目女子もそうだし、ちょい悪な男子もそうだけれど、ちゃんと自分の意見を言った奴が、勇気のある奴だったんだなあ、ということだ。笑ったり、どよめいたりすることでしか、意思表示ができなかった自分たちは、あいつらの足元にも及んでいなかったのだと、いまなら素直にはっきりと言える。

 

 

植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、オフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京神楽坂で暮らしてます。

 

★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。

 


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コメント、ありがとー!

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    花緒

    何だか素晴らしいです!
    結論の部分を読んだ時、思わず「お~!」と声が出てしまいました。
    目からウロコです。
    自分も周りでどよめくだけのタイプだったのですが、うえまつさんのブログを読んで気づかされました、今頃(^^ゞ

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    uematsu Post author

    花緒さん
    最近、学校で教える、ということをしていて、どうしても学生の反応が気になっていたんです。
    そうすると、どんな馬鹿な意見でも、ちゃんと発言する奴の方が偉いんだ、
    という当たり前のことに気付きました。
    というか、気付いていたはずなんですが、あらためて、
    すっと、腑に落ちたというか。今頃(笑)。

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    サヴァラン

    以前、ある高校の国語の授業を見る機会がありました。
    夏目漱石の「こころ」の授業だったのですが、
    作品中のKと先生の自殺をめぐって
    「死ぬ勇気があるなら、もっと頑張って生きればいい」と
    先生も生徒もがっちり意見が一致する中
    わたしはその場を退出しました。
    勇気のないヤツです(笑)。

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    uematsu Post author

    サヴァランさん
    学校の先生の底の浅さというか、
    画一的な物の見方というか、視野狭窄というか
    そういうものを思い知らされることがとても多い今日この頃、
    みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
    自殺を肯定するかどうか、みたいな話になると
    ちょっと抱えられる範疇を超えているのですが、
    せめて、いろんな角度からの物の見方を子どもたちに教えてくれたら、
    と思ったりしますね。

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    サヴァラン

    植松さま ありがとうございます。
    学校の先生のご意見というものが
    教師としてのオフィシャルな立場からのものなのか
    一個人としての私的なものなのか
    そこのところをできればはっきりしていただきたいと
    常日頃からお腹に一物抱えながら
    なかなかそれを言い出せない
    勇気のないヤツです(笑)。

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    中島

    人が死ぬ時って真の孤独になってしまった時だと思うんです。
    死ぬのは勇気ではなく絶望です。
    苦しみを打ち明けられる相手がいればきっとなんとかなる。
    そうならないよに親は子どもの心に寄り添わねばならないと思います。

    あー 本題とずれてしまってますが思わず書いちゃいました^^

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    uematsu Post author

    サヴァランさん
    建前と本音を使い分けられないと、
    本来のオフィシャルな意見を手に入れられないと思うのです。
    本音を話すことが、イコール正直でいいことだというふうな風潮が、
    蔓延している気がしますね。

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    uematsu Post author

    中島さん
    本当にそう思います。
    魔が差すことは誰にでもあることで、
    絶望や孤独は、魔が差し込んでくるときの
    すき間を広げちゃうんじゃないでしょうか。

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