ゾロメ的つれづれ・ずれずれ・ブレブレ日記⑤ 人生は毎日なんかの記念日だ
◆5月某日 万引き防止の日
ネガティブ教の教祖(と私が勝手に呼んでいる)中島義道センセーのTwitterのbot がおもしろい。
著作を貪るように読んだ時期もあったが、最近はとんとご無沙汰だった。センセーのお先まっくら的思考は自分の気持ちをむしろ明るくしてくれる。そういえば昔からそうだった。
【他人に嫌われたくないという願望が極端に強い人は、反省すべきであろう。それは何の美徳でもなく、ただ人間として幼いのであり、むしろ社会に果てしなく害毒を流す。『差別感情の哲学』】
【まさに、出口なしである。われわれ人間は全員(どんな極悪人も、どんな聖者のような人も)「道徳の学校」における落第生であり、いくら努力しても、優等生にはなれないのだ。これを知って、私はむしろほっとする。『悪について』】
「人間なんて嫌われてナンボだよ。誰しもなんだかんだとウソつきだよ。そうだよそうだよ」と私もほっとした。同時に、なぜか自分を優等生(絶対的に正しい人間)だと迷いなく思っている人々に思いを馳せ、とりあえず脳内でラリアットをカマしといた。
◆5月某日 アイスクリームの日
タモリ倶楽部の「街で見かける片方の手袋(片手袋)をひたすら撮り続けている人」の話がとても面白かった。この方はきっと赤瀬川原平さんが好きなのだろうな。
手袋の落し物つながりで絵本『てぶくろ』のことを考えていたら、この方のブログのプロフィールにまさにこの絵本が出てきたのでうれしくなり、思わずTwitterをフォローする。
どうでもいいけどTwitterでの「フォロワーさん」という言い方に違和感を覚える。
言葉はナマモノで、特にSNSは独特の言語感覚があることはわかっているが、この言い方が醸し出す、なんちゃってフレンドリーというか、気遣い過剰な感じがちょっと苦手だ。「・・でよろしかったでしょうか」に通じるっていうか。あ、通じない?
◆5月某日 地質の日
夫は長らくウッドベース・・コントラバス、をやっている。その前は長らく空手をやっていた。両者に関連性はあると思う?と友人に聞かれた。本人じゃないのでわからないが、ふたつに対する夫の共通点を考えてみた。
①地味な練習を厭わない
②なんか修行っぽい
③途中までは関連書籍をよく読むが、ある日を境に読まなくなる
④師匠の言うことは絶対だが、特に心酔はしていない
⑤デカいモノとがっぷりヨツに組んでいる
⑥移動は大荷物
・・う~ん、共通項があるようなないような。そんななか、池袋で夫主催のライブがあったので、前半だけ行ってきた。出かけるにあたって、事前の画策にくたびれ、一瞬「やっぱ、行くのやめよーかな」と思ったが、行ってよかった。聴きに来てくれた人達とのおしゃべりも楽しかった。池袋滞在時間はきっかり1時間だったけれど。
今回のピアノは、夫曰く「何回一緒に演っても畏れ多い」この道半世紀近い御大。音量は特に大きいわけでもないのに、分厚い音のピアノだった。
あ、もう1個共通点見っけ。 ⑦見てる側をやけに緊張させるステージ(試合)
◆5月某日 鵜飼開きの日
視力を失った義父向けに落語の音源を収集中。春風亭小朝、柳家さん喬、立川志の輔・・完全に自分の好み。まさに三者三様。
小朝さんは、“目から鼻に抜け”過ぎが時に鼻につき(?)、最近あまり聴いていなかったが、やっぱりすごいや。登場人物が全員そこに居るとしか思えない。
さん喬さんの演じる「幾代餅」は絶品だと思う。余韻が清廉で心地よい。
そして今回、志の輔さんの「はんどたおる」にKOされた。くだらな過ぎる!くだらないって素晴らしい。
◆5月某日 桐島、ザリガニの日だってよ
仕事先のボランティアの方々に、本のブッカー(透明のフィルムカバー)のかけ方が神業だと誉められる。おおげさな。手先の作業を誉められることなどほとんどない人生を送っているが、さすがにトータルで20年近くやっていると、こんな自分でも手馴れるものなのだとしみじみする。石の上にも20年。(長っ!)
「講習で使いたいので作業を動画に撮っていいですか?」と聞かれた。緊張するので「事務所を通していただかないとちょっと・・」と言ったら、はいはい顔出しはNGですねと流され、手先に寄って撮られた。
終了後、「出演料です」とお菓子をもらった。ビックリするほど美味しかったので事務所を通さなくてよかったと思った。
by月亭つまみ
こんなブログもやってます♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
ハラミ
こんにちは。
お義父さまのことで心配しておりましたが、
つまみさんの日常もあって少しほっとしております。
自分が人の手助けをするのがとても下手そう(たぶん)なので、
言葉が見つからなかったのですが、
お身体気をつけてくださいね。
私もジタバタしております。
昨日は仕事でモヤモヤしたので
帰りに駅前のモスでアイス食べて帰りましたよ(笑)
小関祥子
ネガティブ教、たぶんわたしも入信してます。
ポジティブ! 前向き! キラキラ!! 一辺倒の人たちと話したあとは、
すんごい疲れます。たぶん、話している間は死んだ魚みたいな目をしてます。
SNSにおける言葉使いの機微、わたしは「フォローさせていただきました♪」っていう言い方が
気になります……でももういまやこれがスタンダードらしく、黎明期からインターネットに親しんできた古参兵はあきらめの境地に至るしかないのかもしれません。
お父様、落語のCD楽しんでくださるといいですね。
つまみさんも、どうぞお体を大切に。適度な息抜きを忘れずに。
takeume
中島義道センセーのbotは私もフォローしてます(^^)
突き放す感はあるけど、それがまた面白かったりしますもんね。
落語、最近テレビに出ている「桂ぽんぽ娘」さん
下ネタばっかりで、古典落語好きの方には
かなりの邪道ですけど、
落語聞かない私なんかにはバカバカしくって
面白いです。
文枝師匠のお弟子さんらしいけど、
師匠も「認めたわけちゃうからな!」と言いつつ
目をつぶってるらしい。
落語入門にもならない、別物ですね。
アメちゃん
こんばんわ!
私は、若手芸人の子がよく言う
「スタッフさん」が気になります。
スタッフの人、とか、スタッフの方
という言い方が良いような気がするんですが。。。
つまみさんお好みの噺家さん(←これは良いのか?)をみると
つまみさんは、やっぱり関東の方だな〜〜と感じました^^。
私は、最近は聴かなくなったんですが
桂枝雀さんが好きで、何度か高座を聴きに行きました。
「代書」が好きです。
あと、桂雀松さんの「片棒」も面白いんですが
上方落語の、もちゃ〜〜っとした感じは
お父様やつまみさんのお好みではないかもしれません~~;。
okosama
こんばんは、つまみさん
思いがけなくお菓子をいただき、それがものすごく美味しいと、得したなあという以上に、ありがたいなあと思います。(美味しいのハードルは低めです 笑)
あのカバーはブッカーというのですか。技能コンテストがあったら、つまみさんはブッカー賞をもらえますね。
(ちがう、そうじゃない)
五月も半ばになりました。
いろんなこと、息抜きしながら、ぼちぼち行きまひょ。
つまみ Post author
ハラミさん、こんにちは。
ご心配をおかけしてスミマセン。
「黙って頑張る」タマじゃないんでしょうねえ。
ご近所ならではのローカルネタ、なんかうれしいです。
あそこのモス、最近行ってないなあ。
でも昨日の仕事の帰り、ライフに行きましたよ。
仕事で着る用のポロシャツを買いました。
1400円!
つまみ Post author
小関さん、こんにちは。
中島義道さんの文章を読むと、「このオッサンよりはやさぐれてないな、私」と安心する効果もあります。
どうでもいいですけど、ポジティブ過多な人って、無神経ですよね。
ポジティブという印籠があれば、なんでも許されると思っているというか。
私はTwitterは2010年からの参入ですが、「フォローさせていただきました」の違和感も同感です。
フォローすることもされることも前提のコンテンツだと思うし、別にされなかろうが、減ろうが増えようが、芸能人じゃあるまいし一喜一憂するほどじゃないと思うのですが、そこにぜい肉のような要らぬ気配りを付着させると、その存在の持ち味である軽妙さがなくなるような気がします。
お気遣い、痛み入ります。
現在、鋭意息抜き中です!
つまみ Post author
takeumeさん!
今、気づきましたが、私、takeumeさんがリツイートしていて中島義道センセーのbotを知ったんですよ。
遅ればせながら、ありがとうございます。
まだ見聞きできていませんが、桂ぽんぽ娘さん(すごい名前ですね)、近いうちにぜひ!
つまみ Post author
アメちゃんさん、こんにちは。
「スタッフさん」、そりゃーダメですね!(一刀両断)
「さん」付けの違和感の定義を考え中です。
なぜ自分は、本屋さんや床屋さんはセーフで、フォロワーさん、作家さん、スタッフさんは引っかかるのだろうか。
好みの噺家をカミングアウトして、実は地域性を指摘されるかなあと思っていました。
バレましたか。
お笑い全般の好みが関東に偏っています。
でも、最近は大人になって(?)、関西のお笑いもじわじわ沁みるようになってきました。
乞うご期待!(言葉の使い方が間違っていますね)
つまみ Post author
okosamaさん、そうそう。
期待していなかったお菓子が美味しかったときのお得感はなにものにも代え難いかもしれません。
ブッカー賞を受賞したら、カズオ・イシグロ以来の快挙かもしれません。
・・・言ってることが間違い過ぎてますが。
今はめまぐるしい日々をやっていますが、15年前、実家の会津で母親の闘病に付き添っていたときよりは精神的にマシなのです。
非常時を乗り切るコツは、もっと非常時だった自分を思い出し「あんときよりはまだマシ」と思うこと、かも???