ゾロメ日記㊻ いま、大事なことはすべて小学校で学んでいる、かも劇場
◆5月某日
パート先の小学校で、3年生の図書室オリエンテーションを実施。テーマは、分類についてと百科事典のしらべかたについて。3クラスやったが、みっちり45分×3回、声を張って話すのはめったにないことなので、終盤は声が枯れた。
国内のほとんどの図書館&図書室の本の背ラベルに付与されている数字は、NDCという分類法によるものだ。一般的には3桁がメインで、以前から私は、この数字で語呂合わせを考えるのが好きである。好き過ぎて、かつて小説もどきまで考えてしまった という、とんだお調子者なのだった。
煮物に欠かせないがんもどき、マグマ大使の人間モドキ、私の小説もどきは、もどき界の三羽ガラスである…わけはない。
勤務校の背ラベルは3桁と2桁がある。分野によって分類の細かさがまちまちなのである。説明する際、これがめんどくさい。住所にたとえて、3桁は「①丁目②番地③号」、2桁は「①丁目②番地」と考えるといいかも、と、地図入りのプリントを作成してみたが、3年生には分かりづらかったかもしれない。
…いや、そんな風に、安易に十把一絡げにするのは危険だ。現に、そのプリントを妙に熟読している子もいたではないか。そうだそうだった。
同じ学校の同じ学年にほぼ同じオリエンテーションやブックトークをしても、または全く同じ絵本を読んでも、クラスによって反応箇所、反応具合がすごく違う。想定外のリアクションもしょっちゅうである。
パートとはいえ、せっかく現場で直に子ども達と接して働いているのだから、そこで感じられるものに心を向けたい。机上の論理(空論ではない)やマニュアルや予測変換にはないものにも注目したい。カンタンに咀嚼せず、いつまでもいちいち驚いていたい。
そして、NDCのような、一見役に立たない(言葉のあや)知識を得ること、本を読んで文章を理解する力を養うことは、本当に知りたいこと、好きなこと、に没頭する時間を増やすことに繋がるかもしれないこと(まわりくどいな)を知って欲しい…なんちって。
◆5月某日
今日は1年生2クラス、2年生1クラスに同じ絵本を読んだ。『あっ!みーつけたっ!!』。
前半の明るくてワクワクする感じ、中盤のちょっと意味深な展開、そして終盤のグッと胸にくる気持ち…からの、あえて言葉を最小限にしたエンディングは、オトナが好む絵本っぽいかなと思ったが、案の定、先生受けがよかった。
特に、前回は、クールに傍観している感じだった約1名の先生(男性)が、本日は大絶賛で饒舌で、その明らかな嗜好傾向の発露(?)にちょっと困惑。今後ナンセンス系、非道徳系(??)が読みづらいじゃん。読むけどね。次回は、『せんたくかあちゃん』にしてやる!?
今日は、先生からだけではなく、子どもたちからも「ああ、おもしろかった~!」という声をもらった。絵本を読むと意外と頻繁にそういう声があがる。こっちを気遣ったり、礼儀っぽく言ってくる子も案外いるのだが、素直に喜んでおくことにしている。でも、図には乗らないことにしている。ツボ、落としどころを耳つけた気になるのはこわいし。
◆5月某日
図書室の掃除当番の面々が、やたら細部ばかりを掃除しようとする。本棚と床の間のすきま、カウンターの下、掃除用具入れと壁の間…などなど。そこから、消しゴムのかけらや先の折れた鉛筆などを「発掘」して大騒ぎしている。
「センセー、こんなものが落ちてた!」が何年も前に仕掛けたと覚しきゴキブリ駆除のブラックキャップだったり、本の切れ端だったりして、ちょっとした掃除フェスティバルだ。
「ていねいにゴミを見つけてくれるのはうれしいけど、今日はどうしたの。スキマ掃除の日?」と聞くと、「なにそれー?!スキマスイッチ?」とひとしきり騒いだ後、「いちばん汚いところをキレイにしようってことになった」と言う。う~ん。よくわからんが、まあいいか。
たった15分で、全員(5人)が妙に達成感を覚えた顔で掃除を終えたテイでくつろいでいだので、「いちばん汚いとされているのはこれじゃない?」と、わりと満杯なまま放置されているゴミ箱を指さしたら、いっとう張り切っていた男子があわてて捨てに行った。子どもは、よくわからないところとわかりやすいところが共存している方がおもしろいな。
そんな彼らが、続く5時間目には、校庭で先生に厳しく注意されながら、汗だく真剣顔で、腰の入ったソーラン節を踊っている。もうすぐ運動会なのだ。UVケア必須のご時世、彼らは朝より確実に黒い。
by月亭つまみ
まゆぽさんとの掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
nao
あ、さとうわきこさんだ!
この方の絵本は声に出して読むと楽しくて好きでした。
子どもに読んであげて初めて分かる細やかさがあると思います。
読み聞かせ、いいなー、懐かしいなー
つまみ Post author
naoさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
私は、苦手な絵本も多いです。
教条的というか、読んでいて息苦しくなるのは、短い話でも途中で本を閉じてしまいます。
さとうわきこさんは、そういうのが一切ないですよねえ。
伸び伸びしているのに、naoさんがおっしゃるように細やかです。
読み聞かせ、あたりまえのように毎週やることにも、実はちょっと疑問を感じていて、どこかで何かを企みたいと思いつつ、「もうちょっと様子をみよう」が長く続いています。
爽子
つまみさん、おはようございます!
読み聞かせ、寝る前にはほとんどできませんでした。
他のお母さんは、読み聞かせをしているらしいのに、わたしは、自分が先に電池切れになることが多かったような気がします。
図書館で自分の本を借りに行く時に、子供を連れて、児童書コーナーで、子供が持ってきた本を読んだ記憶があるのですが、子供がそれをよく覚えていたのに驚いています。
もっと読んであげればよかった。
孫が泊まりに来た時に挽回しようかな?笑
ナンセンス系の絵本、多分そういう展開が好みだけれど、朗読に芝居っけが必要なら、大丈夫か?わたし。
もうすぐ一歳の誕生日なので、プレゼントは何にしようかな?
つまみ Post author
爽子さん、私は子どもがいないことと、自分の母親がそういう類は全くやらなかったせいか(時代ですかね)、正直言って、いまだに読み聞かせのことがよくわかりません。
子どもさんは、自分で選んで持ってきたからこそ、覚えているってこともあるのかもしれませんねー。
いい思い出だ(*゚▽゚*)
あ、お孫さんで挽回できるっていいなあ。
私は、姪の子が1歳ぐらいのときあげたのは、定番『いないいないばあ』と『くっついた』です。
いろんなところ(幼稚園や小児科の待合室)に置いてあるようですが、そのたびに姪の子が「自分も持ってる」ととても自慢そうに言っていたと聞いて、よかったなあと思いました。
爽子
いないないばあ。は、幼稚園の先生をやってた友達が娘にプレゼントしてくれてました。
くっついた。ですね。_φ(・_・めもめも
爽子
つまみさん、くっついた をさっき購入しました。(^-^)
あら、また写真がひっくりかえってます。
つまみ Post author
爽子さん、参考にしてくださってうれしいです。
ひっくりかえった「くっついた」もオツですね。