4月24日はカレー記念日

カレー記念日

同士オバ レジは近いぞ 財布出そ

4月24日はカレー記念日

リョーコ

投稿はこちら

カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

みんなのカレー短歌 一覧 >>

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.11 青いかも。

先月、木皿泉さんのトークイベントに行ってきました。

ご存知の方も多いかもしれませんが、ドラマ「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「昨夜のカレー 明日のパン」などの脚本家で、エッセイや小説も書いている木皿泉(きざら・いずみ)は男女ペアでの共作のペンネームです。

おふたりは神戸在住。男性の和泉 務(いずみ・つとむ)さんは現在闘病中で、トークイベントは妻鹿 年季子(めが・ときこ)さんのみの登場でした。
※今回の記事、トークイベントの部分に関しては、妻鹿さん=木皿さんってことで、よろしくお願いします。

イベントの会場に少し早く着き、開場を待っていたところ、ひときわ良く通る笑い声が近づいてきた…と思ったら、それが木皿さんでした。

白髪が程よくブレンドされたボリューミーなショートカットに黒のハイネックといういでたちは、一見やり手の女性管理職でしたが、開場待ちの面々への会釈や声のトーンは、気のいい近所のパワフルなオバチャン。

トークは、木皿さんと、料理家の女性との対談という形式でした。ふたりは同世代とのことですが、華奢なビジュアルも相まって全身から繊細オーラを放つ料理家と、ふくよかで鷹揚に見える木皿さんは、醸し出すモノが対照的でした。

でも「空気を読まない」ところは共通していて、予定調和なやりとりは一切なく、けっこうスリリングな対談でした。ネットで騒がれているという料理家の不倫疑惑問題が本人の口から語られるにいたっては、ほぼ見ず知らずの人のこんな話まで聞いちゃっていいの?と、ちょっとお尻のあたりがもぞもぞとしたことでした。

木皿さんは、がらっぱちで下世話です。“芯を食った”質問もふつうにします。するけれど、「自分は特別」的ないわゆるアーティト臭はまったくしません。不倫疑惑問題のときも「話の流れで聞きますけど」という印象で、下品な感じは皆無でした。

下世話と下品って、責任と自己責任ぐらい似て非なる言葉ですね。

 

木皿さんの発するストレートな雰囲気と言葉はなんだかとても新鮮でしたが、同時に既視感も覚えたのでした。それはわたしが、木皿ドラマの何本かを繰り返し見ていることと、『二度寝で番茶』という本を、折に触れ開いているからだと思います。

 

『二度寝で番茶』は2010年に出版された木皿さん最初の本です。いくつかのエッセイと、和泉さん(大福)と妻鹿さん(かっぱ)の対談が載っています。

 

最初に読んだときは、対談での大福さんの「名言」が印象的でした。木皿泉というペンネームは「キザな和泉」が語源とのことですが、その名のとおり、テーマごとに「決め打ち」のようなセリフがあって、やたらキザかっこいいと思いました。たとえば

 

自由とは、選択の余地がないがんじがらめの中で獲得するものです。

 

ゆっくりゆっくり、後ずさりしながら見渡すものが増えていく。それが年をとるということです。

みたいな。

何度もこの本をめくったのは、大福さんの珠玉の言葉に触れたかったからです。

でも、イベント後にこの本を開いたところ、今度はかっぱさんの言葉がやけにくっきりとし、心に響きました。本人の顔(表情)を見、声を聞いたことで、活字の言葉がそれまでより説得力を持ったということなのかもしれません。

かっぱさんの言葉は、名言とか珠玉というスペシャルな感じはなく、揺るぎないくらいの平易さに満ちています。生き方とか人生観というより、日常の瞬間瞬間すべてに、分け隔てない関心とか好意とか敬意とか信頼が感じられるのです。たとえばこんな感じ。

話した内容は忘れたけれど、なんか良かったなぁ、またあの人に会いたいなあとか思うこと。そういうイメージを残すドラマを書きたいんですよね。

 

人間って、ずっと悲しんでるわけじゃないんですね。牛乳飲みたいとか考えたりしてるんですよ。

 

本当は、運命の人に会いたいんじゃなくて、違う自分に会いたいんじゃないでしょうか。

 

特別な自分なんて、絶対にないですよ。そんなの、幻想です。

 

負けてる時の方が調子がいいですね。何もかも絶好調の時は、書く仕事に緊張感が持てなかったりするんですよねえ。

 

自分の思いのまま暮らすのは快適かもしれないけれど、どこまでいっても一人だと思い知らされるだけのような気もするなぁ。

 

こうして「かっぱ語録」をピックアップしてみて気づきました。自分にとっての木皿ドラマの魅力は、まさにこの、日常の瞬間瞬間の、誰も、なにより自分が、ないがしろにしがちな気持ちに光を当ててくれるところなのだと。

 

その光は、輝かしくもまぶしくもなく、控えめで、ぽってりと明るい気がします。たとえ日々の生活が、雑然としてとっちらかっていて、バランスや効率が悪くて、希望に乏しく見えたとしても、照らし出された瞬間のその場所には必ず、唯一無二の、かけがえのない幸せの切れっ端のようなものがあるんじゃないか、と思わせてくれる。

 

潤沢なお金とか、やりがいのある仕事とか、あたたかい家族とか、健康とか、頭の良さとかセンスとか達成感とかポジティブ思考…それらは素晴らしいけれど、そういうものがいくらあっても見つけられるとは限らない、でも、どんな瞬間にも「在る」幸せの切れっ端。それを探す手がかりが、木皿ドラマ、木皿ワールドだと思うのです。

 

…なんか、妙にアツく語ってませんか、わたし。「幸せ」って二回も書いちゃって、われながらちょっと気色悪い。でも、こういうことが臆面もなく言えてしまうことこそ、木皿マジックなのかもしれません。

一生、成熟なんて、達観なんて、してやるかっ。

by月亭つまみ

【木曜日のこの枠のラインナップ】
第1木曜日 まゆぽさんの【あの頃アーカイブ】

第2木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 月刊 切実本屋】
第3木曜日 はらぷさんの【なんかすごい。】
第4、5木曜日 つまみの【帰って来たゾロメ女の逆襲 ゾロメ日記】

 

まゆぽさんとの掛け合いブログです。→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」


ゾロメ女の逆襲 記事一覧へ


コメント、ありがとー!

  • アバター画像

    ゆみる

    つまみさん、私も5~6年前に「二度寝で番茶」を読みました。
    図書館で借りたので手元に本はないのですが、
    本の中の特に気にいった文章を二か所、ノートに書き写していました。

    一か所はつまみさんが書かれていた大福さんの「決め打ち」のような文章で、
    「森林パトロールみたいなものです。
    常日頃からあちらこちら見回っているんです」
    たしかかっぱさんに大福さんの文章か言葉を誉められたか、感心されたかの
    場面での文章だったような。

    もう一か所は「もしかしたら明日のことをあれこれ思うのは、
     とても幸せなことかもしれない。希望は待つことから生まれるからだ」
    「幸せの切れっ端」のほうですね。

    また「二度寝で番茶」読んでみようと思います。
    今度はまた別の文章を書き写したくなるかも。
    つまみさんが紹介された部分も読みたいですし^^

  • アバター画像

    つまみ Post author

    ゆみるさん、こんにちは。
    コメント、ありがとうございます!

    おおっ!
    ノートに書き写す!
    わたしもたまにやりますが、最近はついつい入力に頼ってしまいます。
    やっぱり、手書きの方が、残るというか効く、気がします。

    書いてくださった部分、「森林パトロール」はわたしも印象的でした。
    読書は教養か楽しみか、について語り合うところで、かっぱさんが「どんなテーマを出しても、大福さんは瞬時にそれについての本と章を教えてくれる」と感心したとき、大福さんが「常日頃からあちこと見回っている。そういうのが好き。森林パトロールみたいなもんです」と言うんですよね。

    「もしかしたら明日のことをあれこれ思うのは…」は、前半のエッセイ、「明日を待つ」の一節です。
    この中では「昨日できなかったことが、今日できるようになり、今日できたことが明日できなくなる。」というのも響きました。

    コメントがうれしくて、ゆみるさんの再読の楽しみを半減させるようなネタバレ(?)をしてしまいました。

    お、お許しを!(^^;

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

60代、男はゆっくりご乱心

さて、どこに住もうか

ミカスの今日の料理 昨日の料理

おばさんは楽しみを作り出す: チージーエッグ

かわいいちゃん

体重

今週の「どうする?Over40」

「街を案内して、スマートにもてなす」ができないまま、大人になった私。

母を葬る

(10)親子という仕組み

山あり谷あり再婚ライフ

60代若いのか年寄りか?

カレー記念日 今週のおかわり!

ベテランになった 伊藤沙莉を 見たいのに

出前チチカカ湖

第196回こう見えて一途(いちず)です。

なんかすごい。

春の地響き

四十路犬バカ日和

ペットタクシーで病院に行ってみた!

OIRAKUのアニメ

第101回 アストロノオト/終末トレインどこへいく?

黒ヤギ通信

桜の下、草葉の陰

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.80 朝ドラと『化学の授業をはじめます。』の化学反応

夫亡き日々を生きる

カリーナからゆみるさんへ 2023年2月4日

いろんな言葉

That’s Dance!文字起こし 第5回(episode15) 大阪のお嬢様‥と見せかけての人

絵手紙オーライ!

絵の具セットの思い出

昭和乙女研究所

ファンシーケース

いどばた。

凹むこと最近ありましたか?

じじょうくみこの崖のところで待ってます

はなやぐお盆、わたしは墓へとタックルした。

ただいま閉活中

お守りが無くなったら

50代、男のメガネは

『レジェンド&バタフライ』で絶望の淵に立つ。

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

人生は引き算である

日々是LOVE古着

(終)これからも。これからは。

これ、買った!

くっつかないしゃもじをもう一度買った!

ワクワクしたら着てみよう

最近思うことをとりとめもなく書いてみた♡

わたしをライブに連れてって♪

コンサートwithコロナ

これ、入るかしら?

行き当たりばったりで失礼します

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13

よもじ猫

合点承知

猫No.5  by まゆぽ

猫大表示&投稿詳細はこちら!

合点承知

猫No.5  by まゆぽ

よもじ猫とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!

「よんもじ」と猫がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
猫が好きな人も、そーでもない人も、よもじ猫の掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫目線で眺めてみませんか。

みなさんの猫画像の投稿をお待ちしています。

投稿はこちらからどうぞ

カイゴ・デトックス 特設ページができました

Member's Twitter


  • カリーナのBILOGはこちら!「ともに生きる。

  • ZOOMでプライベートレッスン、リモート英会話AQUA
  • BLOG版 ウチの失語くん
  • 植松 眞人さんの本がでました♪「いまからでも楽しい数学―先生と数学嫌いの生徒、35年後の補習授業」
  • 「出前チチカカ湖」連載中 まゆぽさんの会社「シリトリア」

Page up