『PERFECT DAYS』の影踏み

ヴィム・ヴェンダースが撮った日本映画『PERFECT DAYS』をもう一度見たくなって映画館へ足を運んだ。渋谷区のトイレ掃除をしている男の何気ない日常を描いた作品だと宣伝されているが、実はそれほど何気ない日常でもない。 ここから先、この映画を見ようとしている方には、いわゆるネタバレ的なことも書いているので、見てから読むか、もういいやと思って読むかしてください。 ということで、何気ない日常と言いつつ、そうでもない。役所広司演じる平山は、若い同僚に金を貸したことで、ガソリンを入れられず大好きなカセットテープを売るハメになったり、その恋人からなぜかほっぺに口づけをされたり、突然、姪っ子が家出してきた … 続きを読む 『PERFECT DAYS』の影踏み