8年前の3月11日、仕事が休みで家にいた。1階の、台所の食卓に座っていた。 最初に感じたのは、揺れではなくて、なにかがザワ…ッと立ち上がってきて、空気がひねりあげられるような気配、そして、言葉に置き換えるのが難しいような、ゴーーーッというか、ガシャガシャガシャッというか、音だった。 その時点で、私はもう立ち上がって、掃き出し窓のカギに手をかけていた。 「きた…!」という脳をかけめぐるような感覚があり、それは、小さい頃から、いつかちかい将来、ぜったいに関東に大震災がおこる、とくり返し聞かされてきた成果かもしれなかった。 轟音とともに揺れがピークに達するころには、すでに庭に飛び出して、クヌギ … 続きを読む 3月に思うこと
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