Posted on by SHOJI
第131回 果てしなきスカーレット
この作品は演劇だ。
父王アムレットを叔父クローディアスに殺されたスカーレットが敵討ちに失敗し、死者の国で目を覚ますところから始まる、細田守監督の最新作「果てしなきスカーレット」。
仏教風に言うと、成仏できなかった者たちがさまよう土地が舞台です。
叔父のクローディアスもこの先にいると聞いたスカーレットは、復讐をとげるべく歩きだし、途中で日本人看護師の聖と出会い、共に旅を続けることになります。
これは、スカーレットの魂のロードムービー。行きつく果てで、彼女は何を思うのでしょうか。
スカーレットがひとり歩いていくうちに背景の土地が変わっていくところから「演劇だ」と思いました。
そう考えると、舞台でパンと時空がかわる場面転換があってダンスが始まっても、シンプルなテーマを歌いあげても、理屈っぽいセリフの掛け合いが始まっても、不思議に思わないよね?
ヴォイスキャストが芦田愛菜、岡田将生、役所広司、市村正親と主役級をそろえ、脇役にも吉田鋼太郎、白石加代子、松重豊、斉藤由貴…と豪華なこと!
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とはいえ、アニメーション映画は絵が命!
もちろん満足度はかなり高いです。
キャラクターデザインも、剣戟のアクションもかっこいい。すんごい数の鳥もモブシーンも見やすい。
異空間である死者の国の空だか海だか分からないような天空を竜が泳いでいく様子や、遺跡のモザイクタイル、タペストリーや絨毯など城の中の様子も素敵!色合いも良き。絵フェチの私は心の中でうひゃうひゃ騒いでいました。
キャラクターと精緻な背景美術が高度に一体化したアニメの画面なのに、理解しやすいシーンの連続性がないから、アニメーション映画としてもうひとつという評価につながっているのではないかな?
そうそう、エンディングの芦田愛菜ちゃんの歌、うまいですね! ネタバレですが岡田将生さんの歌も聴くことができます。

















































































