日帰り温泉の更衣室で起こるドラマ。さまざまな露出度コーディネートも、いとおかし。
昨日、家族で近くの日帰り温泉に行きました。更衣室に入ったら尻もちをついているおばあさんがいて、そのまわりを女性たちが囲んでいます。全裸、タオル片手、バスタオルひと巻き、パンツ一丁、ブラ一丁と、思い思いの露出度コーディネートでおばあさんを救済しようと集まる女性たち。
おばあさんは、「椅子があるだろうと思って座ったら、そこに椅子がなかった」ために尻もちをついてしまい、もう高齢なのでなかなか起き上がれず、周囲の人が支えようとするけれど、何せおばあさんといえども全裸だから、どこを支えたらよいのか、お尻を素手で支えていいのか、腰はいいのか…という逡巡があり、そのため状況的にモタモタになり・・・・・・。
それを見かねた気のきくおばさん(つまり私と同世代の女性)が「ちょっと、娘さん、いはるって言うてはるやん。え?〇〇さんて名前?〇〇さーん。〇〇さーん。(反応なし。通りかかるスタッフを見つける)ちょ、ちょっと、中、入って呼んできて。娘さんがいはるから。いやいや、大丈夫、病気ちゃう、ちゃう。転んだだけ」と諸事情のニュアンスをバッサバッサと切り落として司令塔になったところへ。
「とりあえずコートまで着てしまいました。ロッカーにも鍵をかけてきました!」という感じで全身から湯気立ち上る濡れた髪のおばさん(私にちょっと上ぐらい)がスライディングするように登場し「すみません!私です、娘です!おかあさん!」と言いながら駆け寄ってきて、そのおばあさんを立ち上がらせるという一幕がありました。
滑り込んできた長女(かどうかはわからないけど)の濡れた髪とテキトーに着衣した感が一瞬にして「あら。お疲れさんやったね~。バタバタ着替えたん?実のお母さんっていっても、お風呂につれてくるのは大変やなあ」感を周囲に与え、バッサバッサ司令塔も「お母さん、こけはってん」という言葉だけ残してスッとその場から退場。おばあさんと娘さんは、何ごともなかったように静かに着衣をはじめました。こういうドライな人助け。ある年齢以上の女性が得意とする技ですね。やるだけやってあとは知らんぷり。自分の時間も楽しみたいから余計な干渉をするつもりははなからないのです。
お風呂のなかって、誰かと一緒に浸かっていてもみんな一人で物思いにふけっているように見えます。おしゃべりしていても、その芯のところでは別のことを考えている感じ。露天風呂で二人のおばさんが「化粧をしたままお風呂に入る若い女性」について思いつく限りの悪口を言っていましたが、芯のところでは別のことを考えているのかもしれません。考えているっていうのとも違うかな。コリやウサや人生の断片を風呂に浮かべてじーっと見ている。悔恨や反省に向かいそうなところをふみとどまりながら、気持ちをとりだしてプカプカとお湯に浮かべている感じ。そういうのが浄化なのかなあ。
この互いが互いに関心をもたず、互いが裸体であるゆえに、その容姿にもほとんど関心をもたない空間。日本の宝ですな。お風呂万歳。
いろんな女性たちが、それぞれの事情をカラダにのっけて内臓につめこんで生きています。あるときはいい人になり、あるときは意地悪な人になり。そんなもんだよなあと思います。
今週も「どうする?Over40」は、コツコツと更新します。いい人のときも、意地悪な人のときも読みにきてもらえたらうれしいです。
★「ワクワクしたら着てみよう」の中島慶子さんをはじめ、6人のイラストレーターが名作ミステリーの表紙と挿画を描いた展覧会が本日オープンします!中島さんは、 江戸川乱歩の『陰獣』を描いているとか(ちょっと意外!)。 お近くの方はどうぞ。中島さんやふらりと立ち寄ったメンバーとばったり会って話がはずむかもしれません。「オバフォー、読んでるよー」と言っていただけたら、何も出ませんが喜びます。→「読まずに死ねない!おススメミステリー小説ガイド展」。
中島さんの絵の世界は、こちら、や、こちらからご覧ください。
★「ウェブのほぼ女性誌 どうする?Over40」メルマガ★おしゃべり詰め合わせ を配信しています。最新テーマは、「メンバーのリアルな体重変遷が物語る、人生と体重の関係。フライパンネタもあり。」こちらからバックナンバーが読めます。→ ★
★カリーナの他の記事はこちらをどうぞ。
★コツコツと更新しているブログはこちらです。
Tomi*
私も温泉が大好きで、日帰り温泉によく行きます。
見ず知らずの人たちとスッポンポンで同じお風呂に入るのって、考えてみたら凄いよな〜って毎度思います。
いや、見ず知らずの人たちだから恥ずかしくないのであって、知人がいると恥ずかしくてたまりません。
だから近くの温泉に行かずに、わざわざ遠い所へ行ったりしています。
一度、洗い場で若い女性が貧血を起こして倒れたことがありました。
いきなり仰向けに倒れたので吃驚仰天!!!
周囲の人が集まって来て
「どうしたの?」「大丈夫?」「貧血みたい」
「とにかく脱衣場に運ぼう」ってことになって、私より年上のおばちゃんたちが若い女性の両足と上半身を持ち上げて、脱衣場に運んで行きました。
私はというと、その連係プレーを「凄いなぁ〜」と感心して眺めていました。
運んだあとは、スタッフに任せて何事もなかったように洗い場に戻ってきました。
こういう時のおばちゃんたちって素晴らしいですね。
ふと、倒れたのが若い女性じゃなくて、太ったおばさんだったらどうしたかな?とか、男湯で起こった場合はどうなんだろう?と思いました。
カリーナ Post author
Tomi*さん
聞いてください!私、露天風呂で幼稚園の先生と会ったことがあるんですよ!
当時、私が38歳。先生は20代後半の乙女でした。
あれは、何とも言えなかった―(笑)
お互い、即座に違う方向を見ました。
中途半端な知り合いと会うのはつらいですね。
Tomi*さんが遭遇したシチュエーションもすごいな。
私も連係プレーに入れたり、入れなかったりします。
入れても、それを華やかなプレーに拡大する能力には乏しいです(笑)