ゾロメ的つれづれ・ずれずれ・ブレブレ日記① 人生は旅だべ
いつも【帰って来たゾロメ女の逆襲】をお読みいただき、ありがとうございます。
ここで書かせていただくようになってから、早いもので2年2ヶ月になりました。回を重ねること60回超えで、思えば遠くへ来たもんだ、です。
そんなわけで、ここいらでちょっとワタクシ、旅に出ようかと思います。
とはいっても、連載をやめるわけでも、実際に旅立つわけですらありません。(行かないのかよっ!?)
心の旅です。
あ~、だから今夜だけは~キミを抱いていたい~♪ の心の旅。
2年強の間に、ゾロメ仕様に「慣性の法則」化されてきた脳内をここで一回リフレッシュしたく、今回からしばらく、ゾロメ女を日記形式で書かせていただきたいと思います。
日記を読むほどあーたに興味ないよ、とお思いのそこのあなた、そうでしょうそうでしょうとも!
私もです!?
でも、ですね、自分で言うのもナンですが、そのへんの一般人の日記って案外おもしろいと思いませんか?
子育て中でも料理中でも旅行中でもなく、特になにかに造詣が深いわけでもなく、絵も描けず、好奇心も枯渇気味で、これといったよすがもない、中年のモノローグですが(書いてて悲しくなってきました)だからこそ、脳内は何にも囚われず(?)予定調和はなく、どう転ぶかわからない!?
・・なあんて、完全に自分でハードルを上げてしまっていますが、「頭文字ゾロメ女月亭つまみ154.5cm等身大(小さい)」のつれづれ、ずれずれ、ブレブレなる日々にお付き合いいただければ幸甚です。
◆3月某日 花粉晴れ
伯父の急逝で会津(福島県喜多方市)へ。享年90才。近所で買い物をしようとして倒れそのまま・・というのはある意味、理想の逝き方かもしれないが、家族には不意打ち感この上なし。ふだんは目端の利く、そしてやたら涙もろい連れ合いの伯母が「わだしに老老介護させるのはむずせ(気の毒)と思っだんだべえ」と目のふちは赤くしながらも涙を流すことはなく、どこか心ここにあらずの感じで言うのが痛ましかった。
荷物にならないように文庫2冊、読みかけの北大路公子著『生きていてもいいかしら日記』と、読めば三度目になる山本周五郎の『一人ならじ』を持って行ったが、全く読まなかった。行きはずっとiPodを聴いていた。前半の新幹線はモーツァルト。後半の在来線(磐越西線)はユーミン。
喜多方付近は全く雪はなかったが、途中の猪苗代あたりはまだしっかり雪景色だった。東京では季節外れのユーミンの「ブリザード」も、猪苗代付近はまだ有効という感じ。日本は広い。っていうか、福島は広い。
帰りは寝不足と花粉がらみでやたらうつらうつらしていた。乗車したときは夕方の気配だけだった車窓が、目を開けるごとにどんどん色濃くなり、新幹線に乗り換えるときはすっかり夜に移行してた。
そういえば春休みなのだった。新幹線はほぼ満席。郡山から東京までは1時間ちょっとで到着。1982年までのビフォー東北新幹線を知る身には、いまだにその早さが驚異だ。降り立った東京駅の人の多さにもあらためて驚く。
◆4月某日 どよ曇り
仕事の研修。小学校の図書室のパートをはじめてもうすぐ一年。まだ慣れない。わからないことだらけだ。公立図書館で長く働いていたというと「わかっている人扱い」されるので極力言わない。「新人で~す」オーラを意識して放出。姑息。でも、実はこれ、意識しなくても出る体質みたいなのだ私。今までの職場、黙っていればほぼ新人に見られてきた。年齢は関係ないらしい。
ふだんはひとりの仕事なので、現場たたき上げのたくましい学校司書の先輩と話せる研修は貴重だ。この業界、年齢層が幅広く、私ぐらいでも決して最年長ではないのが麗しい。みなさんいろいろ工夫し最善を尽くそうと努力していることが察せられて触発される。私もがんばろうっと。
この気持ちが持続すればいいんだが。つい「とりあえず今日がつつがなく終わればいいや」と思ってしまうヘタレです。
◆4月某日 桜雨
梨木香歩『海うそ』読了。梨木さんの小説はいつも安心して身を委ねることができる・・が、実は前々作の『雪と珊瑚と』だけはちょっとヤバかった。つまらないという意味ではないんだけど、私が思う梨木ワールドではなかったというか。その次の『冬虫夏草』が大好きな『家守綺譚』の続編だったのでホッとした。
今回は50年の時をかけた喪失の物語。時間って優しくて残酷だ。人を癒しもするけれど、取り返しのつかなさが時間によるものだったときの容赦なさったらない。この小説も、50年前の世界の描写があまりに瑞々しいので、その後の喪失感がより際立つ。あの頃は諦観と不穏さも内包しつつも世界は輝いていたのだなと、経験していない過去を心から慈しみ、惜しむ気持ちに。梨木さんの筆力はすげえな。
偶然だけど『狗賓童子の島』に続く離島モノ。離島といえばじじょくみさん。大丈夫かなあ。上手くいきますように!
by月亭つまみ
こんなブログもやってます♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」