ゾロメ的つれづれ・ずれずれ・ブレブレ日記⑥ 人生は優柔不断で挙動不審で発想が貧困だ
◆5月某日 暑い
『乙女の家』(朝倉かすみ著)を読む。
主人公は女子高生。2月に読んだ朝倉さんの『てらさふ』もヒロインは十代だったが、力作だなあとは思ったもののあまり好みの小説ではなかったので、今回も十代と知ってちょっと身構えた。が、よかった。すごく。
主人公も弟も「わかり過ぎてる」気がしないでもないが、大人の勝手な理想像の十代にはとどまっていないところがいい。描かれない余地を想像させるというか、ちゃんとよけいな部分があるというか。さすが朝倉さん。
自我について模索し、「キャラ探し」「誰かのいい脇役」「素の自分」などを経て「相手や状況によっていろいろな自分が存在するようだ」方面に思い至る過程や、その年齢らしく大人の欺瞞や事情を拒否したり受容していくさまがとても瑞々しい。珠玉のフレーズもてんこ盛り。ちょっと津村記久子さんを彷彿。
それにしても大人って優柔不断だなあ。自分を鑑みてもそう。この小説の十代の感想が聞きたい。
◆5月某日 暑くも寒くもなし
92才の義父との散歩が日課だ。コースは近所の川沿いに展開する遊歩道。川岸に手すりが付いているので歩きやすい。ここは義父が愛犬マロと10年以上1日2回は・・下手すりゃ3回、散歩した場所だ。
勝手知ったるこの遊歩道では、見えなくても、義父は自分がどこにいるか常に理解できている。ベンチで休憩中に不意に斜め前方を指差し、「この方向に●●が見えるね」と言ったりする。ちなみに、どこからでも望めるスカイツリーにはさほど興味がない模様。言及したためしなし。
歩きながら時折マロの話をする。「マロにはよく歩かされた」「臆病で、自分より小さい犬にも怯えていた」。義父のそれは、ウエットな思い出語りという口調ではなく、淡々としている。義父らしい。
遊歩道では、手すりに掴まれば8割がたは介助なしで歩ける。難点は、アルミ製の手すりにけっこう鳥の糞が付着していること。
そんなわけで嫁は、手袋(ミトン)状のハンディモップを装着し、カーリングよろしく、義父の進行方向の手すりを一瞬の先回りでかたっぱしから拭いて歩いている。おもいっきり挙動不審。しかもこのハンディモップ(なにかの景品でもらった)、色がド派手なグリーン。目立つ。
(先日の「タモリ倶楽部」的に言えば、【片手袋 軽作業類・介入型・手すり系】?)
心なしか、すれ違う人がよそよそしいかも。もしかしたら近隣には「ガチャピン色の小型ムックをヒラヒラさせながらお義父さんと散歩している月亭さんちのお嫁さんとは目を合わせるべからず」という伝令が駆け巡ってたりして!?
◆5月某日 蒸してうっとうしい
人生はままならない。ままならないこと続きだと、一定の高度(テンション、モチベーション、感情)を保ち続けるのは難しい。たとえ低空でも「一定」は至難のワザだ。
そんな自分に努力すべきことがあるとしたら(そりゃー、いっぱいあるだろうけれど)、「常に平常心であろうと努める」ではなく、「不安定な自分に慣れる」のような気がする。最初、「不安定な自分を受け入れる」と書こうとしたのだけれど、受け入れるではないなと気づく。
肯定じゃないのだ。不本意は不本意。でも、多少時間を要してもいずれ通常モードに戻るはずと、日常にかまけるフリをしてやり過ごす、もしくは復活の呼び水候補をいろいろ試す作戦だ。
今日も、ちょっとした事例で30分ぐらいやさぐれた。「あまちゃん」でユイちゃんのママ(八木亜希子)が失踪する気持ち、一瞬すごくわかった。でも、行くあてもないし(行く人は、あてがなくても行くときゃ行くのだろう)、自分は、ポジティブな感情もさほど長続きしないようにネガティブなそれも同じだべ、と思うことにした。
そうは思ってもリアルタイムの不快さは払拭できない。とりあえずいちばんふわふわのバスタオルをかけてちょっとだけ昼寝をした。ふて寝か。寝起きは悪かったが、コーヒーを淹れて一息ついてかなり復活。
最近、コーヒーポットを買ったのだが、実はこの瞬間のためだったと言っても過言ではないと思った。注ぎ口が細くて優雅なS字形状のポットは、気持ちも優雅にさせてくれる。ハイソなマダムになったような(発想が貧困)。
さて、次は夕食後に海外ドラマ「ビッグバン☆セオリー」を見て完全復活するか。天才ダメ人間シェルドンがあんまりおバカなので呆れて笑って、こっちの常識とか固定観念もどっかへ飛んで行ってしまう。
行ったまま帰ってこんでええぞ、と思う。
by月亭つまみ
こんなブログもやってます♪久々に更新しました♪♪→→「チチカカ湖でひと泳ぎ」
あきら
こんにちはー! ワタシもつい一昨日の真昼間、失踪しそうになって布団に潜り込みました。
布団の中でポッキーを半箱食べて眠りました。寝るのはいっときの現実逃避として、レジャー
としてとってもすきです。只だし(笑)。
中島
ガチャピン色の小型ムックがまぶし〜〜〜
この優雅なコーヒーポットからも目が離せません!!
okosama
気持ち良さげな散歩道ですね!
お腰の伸びた後姿が92歳とはとても思えません。
ガチャピン色のムックがヘタったら、是非ムック色の小型ガチャピンを!
ビッグバン☆セオリー見ました(笑)やさぐれに効きそうですねぇ。
シェルドンw (ペニーが米倉涼子さん似)
つまみ Post author
あきらさん、こんにちは。
土曜の夜の往復書簡、興味深く拝読させていただいています。
私も現在、同僚が全くいない上に外出がままならないので、友達に「家、もしくは近くまで来てくれ~」とSOS発信を始めているところです。
ああ、土曜の夜にでもじっくりコメントを書きたい!
布団の中って、イチバン近くてエコノミーな失踪場所、だとは思っていましたが、レジャー先とは!!
目ウロコです!
ポッキーというのが可愛いです。
つまみ Post author
中島さん、コメントありがとーございます。
まさしく「ガチャピン色の小型ムック」でしょ!
コーヒーポットは買って正解でした。
どんなにお湯を沸騰させても、S字から出る頃にはお湯が落ち着いているのが麗しいです。
つまみ Post author
okosamaさん、こんにちは。
風情も情緒もない、バリバリ人工的な散歩道なのですが、段差もないし、義父の現在の状況にはありがたいです。
ただ、手すり側は日陰じゃないので、日焼けが~。
帽子をかぶっても日傘をさしても、照り返しますしね。
ムック色の小型ガチャピンを持って歩いていたら、挙動不審の域を超えそうです(^O^)
ああ、日本版をやるとしたら、確かにペニーは米倉涼子がいいですね。
レナードは誰かなあ。濱田岳?
シェルドンは、ヒャダインなんていかがでしょう。
ハワードは、わたし的には絶対バナナマン日村です。
okosama
ラージは斎藤工でいかがでしょう?
つまみ Post author
okosamaさん
わー(*’▽’*)♪意外な盲点でしたがドンピシャ!
もう、ラージは斎藤工務店以外、考えられない!