独女と結婚。
結婚する前、いくつか心配ごとがありました。
ひとつは、独身者なら一度は考えるであろう「長年ひとり暮らししていた人間がはたして他人と暮らしていけるのかどうか問題」。
それから、独女でなくても気になるであろう「長年都会でひとり暮らししていた人間が老いた義父母と同居的な環境でうまくやっていけるのかどうか問題」。
そして、すべての人にとってかなりのハードボイルドであろう「長年都会暮らししていた四十路独女が《全員みな知り合いな村社会》でホントに大丈夫なのかどうか問題」。
結婚して2ヶ月。今週は、この3つのテーマについて検証してみたいと思います。
まずは「四十路独女が他人と暮らしていけるかどうか問題」。
年を取るごとにあちこちから「柔らかさ」がなくなっていくように、独女時代のわたしはひとり暮らしが長くなればなるほど、人に合わせることに億劫さを感じるようになっておりました。40を超えたあたりからはしょっちゅう一緒だった友人ともたまにしか会わなくなり、好きなものに囲まれた空間で過ごす「ひとり時間」が長くなる一方。
ちがうのちがうの、ひとりが好きなんじゃないの！ 誰かといる体力がないの！ 結果的に、ひとりなの！
そう思っていましたが、世間的にはただの「年々ひとり遊びがうまくなる女」でしかなかったのでありまして、休日は1日中誰とも話さなかったりして、あまりに喋らなさすぎて休み明けに職場で「おはよう」と言おうとして声ガラガラ、みたいな人生でございました。
そんな感じでもはや誰かが家にいる図が想像できなくなっておりましたので、いざ結婚生活が始まった途端に「あ、やっぱムリでした」ってなったらどうしよう、と内心かなり心配していたのであります。
あれから2ヶ月。結論から申せば、率直な感想は
「おや、意外といけるじゃん♩」
でありました。
自分じゃない誰かが、家にいる。
わたしとは違う歩幅で、歩いている。
同じ食べ物を、食べている。
ソファにパンイチでゴロリ、くつろいでいる。
そのひとつひとつが、ひどく新鮮。もっと息がつまる感じかと思ったけど、そうでもなかったです。五十路男子もっと面倒くさいかと思ったけど、そうでもなかったです。むしろこんなおもろい人材が51年も保存されててくれて神様ホント感謝しますって気分でございます（てへぺろ）
それにしても、じじょう家は女系家族なので男子の生態についてはほとんど知らなかったのですが、五十路男子のなんという味わい深さよ。
たとえばシャワーに入ったなと思ったら、リビングから脱衣所までの間を点々と靴下、ズボン、ベルト、ポロシャツ、メガネ、それらが脱いだ順番や姿勢までわかるくらい、セミの抜け殻のようにきれいに残されているとか
ちょっとしたヘンゼルとグレーテル感
料理とか手元で何か作業しているときは頭にのっけているメガネが、いい塩梅でスルスルと滑りおちて装着される「全自動老眼鏡システム」とか
玄関先にミステリーサークルができてたから何かと思ったら
あれな
「セミの幼虫が孵化する前に出てきてたから、かわいそうなので土に埋めてあげた。今日からあそこ進入禁止な！」
って小学生男子か！発言を連発したり。
51歳のおじさんの生態は、まったくもって予測不能。飽きるヒマがありません。せっかくなので、このまま観察していこうと思います。
Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「じじょうくみこのオバサマー」は毎週火・木・土曜日更新です。
11/23
11/20
11/20
11/16
11/1
10/18
3/8
5/29
12/23
10/24
10/19
4/10
11/14
3/24
12/12
7/24
6/20
4/23
3/15
12/23
4/4
ﾏｰｷｮﾝ
フフフ。ごちそうさま。嬉しいです、くみこさんの心安らぐ新婚家庭のご様子うかがえて。ザビ男さまは51年間くみこさんと出逢うために｢保存｣されてたのですね！
我が家は夫と息子2人の家庭だったので、脱いだ物がトントントンとヘンゼルとグレーテル状態が３ways 出来てました。これではヘンゼルもグレーテルもおうちに辿り着けません、みたいな。56才の主人も社会人の息子たちも小学生男子そのもの。私はいつになったらカブトムシだの金魚だのから解放されるのかと少々うんざりしております。
その後、セミは無事に孵化しましたか？
お二人で仲良くラブチェアに座って?お互いの理解を深めていらっしゃるご様子を勝手に想像して楽しんでます。
じじょうくみこ Post author
>>マーキョンさま
こんにちは！いつもコメントありがとうございます〜♩
なるほど、ヘングレ（略してみた）は男子には普通なんですね？
3WAYとなると、サイズ感や汚れ感で判定でしょうか？
合間合間に女性物をかませてトラップ作ってやりたいですね。
それにしてもマーキョンさま！
セミはぶじ孵化できたかどうか不明ですが、先日はクワガタを集めてました。
あるとき帰宅したら水槽がありました。
1つ2つ3つと日に日に増えて、昨日ついに繁殖に着手しました！
これからわたしもうんざりする運命かと思うとガクブルでございます…！(*_*)
アンジェラ
こんにちは
ザビさまと楽しい新婚生活(キャー♡)をおくられているご様子、まずは安心いたしました。
どこのおうちでも五十路男子は小学生なんですね(-｡-;
うちの五十路夫はなぜかカマキリ好きで、ベランダでカマキリを見つけると「きゃわいー」と狂喜乱舞し、そのままベランダで飼おうとします。
私はカマキリの子供が1000匹生まれてきては困るのですぐに追い払います。
いつになったら大人になるのか待ち続け早20年、、、そろそろ限界だー、と思っておりましたが、よその御宅のお話は微笑ましく思えるから不思議なものですね（笑）
じじょうくみこ Post author
>>アンジェラさま
こんにちは！コメントこちらでもありがとうございます♩
はい、楽しい新婚生活（いやんばかん❤︎）を送っておりますよー（＾∇＾）
しかしザビ男だけかと思ったら「五十路男子小学生説」が堅固なものになってきましたよ！
カマキリ1000匹って地獄絵図・・・・・！！！！！！
ちなみにザビ男はカマキリよりコオロギ派のようです・・・・ガクブル(ﾟoﾟ;;