12月12日はカレー記念日

カレー記念日

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

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じじょうくみこのオバサマー

ミッドナイト墓参り

前回に続いて「真夏の夜のシマ島シリーズ」第2弾です(いつからシリーズ化?)

 

はじめにお断りしておくと、タイトルはアレですが怖い話ではありません。その手のお話が好きな方は期待はずれかもしれませんし、その手の話が苦手な方にはおそらく大丈夫な内容かと思われますので、ここはひとつ、よろしくどうぞ。

 

 

カモメ

 

 

というわけで、お盆のころのお話です。

 

いつものように家で夕食を食べていると、通りからガヤガヤと人の声。窓から外をのぞいてみると、4〜5人ほどの若人が通りを歩いているのが見えました。おや、珍しい。普段は日が暮れるころには人っこひとりいなくなり、あとはただシーーンとした暗闇に包まれるシマ島の夜も、海水浴客がやってくるピーク時期には人がうろついているのかと新鮮な気持ちがいたしました。

 

ところがその後も人の波は途絶える気配がなく、小さい子から学生、夫婦、おじいちゃんおばあちゃんに至るまで、いろんな人が続々と通りすぎていきます。「今日なんかお祭りあったっけ」とザビ男に聞いても「特にないと思うよ」とひと言。団体さんでも来ているのかなと不思議に思っていたのですが、夜11時を回っても人が途切れないのを見て、さすがにこれはおかしいぞ、と。

 

「ねえねえ、こんな遅くまで人が歩いているのっておかしくない? 歩いているの、地元の人っぽい気がする」
「ああ、あれは墓参りだよ。シマ島ではお盆の墓参りは夜に行くんだ」
「え? 墓参り?」
「そう。墓参り」
「夜中に?」
「そう。ミッドナイト」

 

 

 

えええええええ
ミッドナイトに墓参り??(゚o゚;;

 

 

地域によってお盆のスタイルはさまざまだということは知っておりますが、夜中に墓参りする風習は初めて聞きました。ザビ男いわく「始まりは定かではないけど、シマ島のお盆は昔から日が落ちて涼しくなった夜中に墓参りをするのが普通」といいます。

 

「大丈夫、こわく、ないから」

 

 

 

kowaisiアンドレか

 

 

深夜の墓場がこわくない意味がわかりませんが、どうやらシマ島の人々にとってお墓はすごく身近な場所らしい。沖縄のように墓前で酒盛り、まではいかないものの、しょっちゅう出かけてはお掃除したりお花を添えたりするとか。そしてお盆になると、夜に家族総出でお参りするのが習わしなのだそうです。

 

 

翌日、ザビ家に行ったときにもザビパパから

 

「もうお墓は行った? 私は足が悪いからお参りに行けないけど、くみさんは今晩ザビ男と行ってきなさい。もうお墓はきれいにしてあるから。大丈夫、こわく、ないから」

 

 

 

kowaisiアンドレpart2

 

 

「明かりがついているから、夜でも暗くないよ。特に新盆の家はお墓に明かりをたくさん灯して、お花でいっぱい飾って、家族や親戚がひっきりなしに一晩中墓のまわりにいて過ごすんだよ。そうやって、亡くなった人がさみしくないようにするんだよ」

 

 

ザビ家のお墓をきれいにするときどうしてヨメは呼ばれなかったのかなあ、なんてことはひとまず考えないことにして、ご先祖様にきちんとご挨拶するべく、レッツお墓参りでございます。でも48年生きてきて、肝試し以外でお墓に行くのは初めてです。それでなくても暗いところは苦手なのに、緊張しかない夜の墓参り。ああミッドナイト墓参り。ミッドナイトといえば死ぬまでに一度は行ってみたいのが京都・知恩院の「ミッドナイト念仏」だがそんなことは今はいい。いざ参るでござる。

 

 

カモメ

 

 

 

時は夜10時。通りは相変わらずの人通りで、なるほど確かに人々は集落の中央にあるお寺を抜けて、墓地へと吸い込まれていきます。当然ながら、寺は真っ暗。早くも変な汗が出てきましたが、「お墓は明るいから」というザビパパの言葉を頼りに真っ暗な階段を上っていきます。

 

お墓到着。

 

 

 

 

……。
…………。
………………。

 

 

 

 

ちょっと父さん! 真っ暗ですけどっ(°_°)

 

 

 

足元も見えない暗闇に面食らいましたが、ザビ男はわたしのことなどおかまいなしにズンズン奥へと進んでいきます。追いつこうにも身動きとれず、おそるおそる歩くことしばし。あるときから急に足元が明るくなったように感じて下を見ると、お墓のまわりに真っ白な砂が敷きつめてあり、わずかな明かりに照らされて光っているように見えたのでありました。

 

 

しばらく歩いていると、足元のそこここに小さな明かりが灯っているのが見えてきました。提灯だったりLEDランプだったりとさまざまですが、どのお墓もお花でいっぱいなのが暗闇でも見てとれます。そして、ところどころに強い光を発するお墓を発見。近づいてみると、大人が両手いっぱいで抱えられるくらいの大きなガラスケースが墓石の上にどどーんと鎮座しておりました。

 

 

ガラスケースの中央には、おそらく故人であろう笑顔の人物写真が飾られ、まわりにはお酒やタバコや趣味のものを所狭しと配置。さらに切り絵や色紙、モビール、電飾などで周囲はぐるりと飾られ、それらをLEDの光がスポットライトのように明るく照らしているのです。

 

 

「そうか、あいつ、死んだのか。病気しているとは聞いていたけど」

 

 

気がつくとザビ男が隣に立っていました。ガラスケースの中の人物は、どうやらザビ男の後輩だったよう。「こいつ酒癖悪くてさあ」などと言いながら、ガラスケースの中に飾られたビールを指差しながらザビ男はつぶやいています。

 

 

他のガラスケースを見ても、ああこの人はダンスが好きだったのね、この人はお孫さんに囲まれて幸せそう、と会ったこともないのに人となりが伝わってくるから不思議。みると、同じようにガラスケースをのぞきながら歩いている人があちこちにいて、場所によっては家族らしき人たちがガラスケースを囲んでおしゃべりしているのも見えました。

 

 

ああ、いいなあ。なんか、いいなあ。

もういない人だけど。この世にはいない人だけど。こんな風にされると思ったら、年を取るのがこわくなくなるなあ。

 

 

 

 

kowaisi

いややっぱこわいわアンドレよ

 

カモメカモメカモメ

 

 

なんてちょっといい話っぽく展開しましたけども、このあとザビ男がいつまでたってもウロウロ歩き回っているので、しびれをきらせて「ねえねえ、ザビ家のお墓はどこなの?」と聞くとザビ男がひとこと。

 

 

 

「暗くてわからない」

 

 

 

って見失ってるし!参れないし!だって暗闇だし!!

 

 

結局しばらく墓地の中をぐるぐる回った挙句、ザビ男がふんわり指した「たぶんザビ家っぽい墓」にお参りして、お茶を濁して帰ってきたことをここに告白します。

 

そして後日、地元の中学生女子たちが

 

「お墓とか絶対行かないほうがいいって! だって死んだ人だよ? 死んだ人が帰ってくるんだよ? それやばくね?」

 

と本気で話し合っているのを聞いて、遠い目をしたじじょうくみこでありました…。

 

Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎

*「じじょうくみこのオバサマー」は毎週火・木・土曜日更新です。

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コメント、ありがとー!

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    さら

    はじめまして。

    いつも読み終えた後に、うふっと思いだし笑いさせて頂いてます。

    ご結婚おめでとうございます。

    信じられないお墓参りに、驚いていらっしゃるようですね。

    私の故郷は、鳥取県西部なんですが、お盆のお墓参りは日が沈んで暗くなってから行きます。
    灯籠に灯されたあかりが本当に美しく郷愁を
    誘います。
    さすがに真夜中、一晩中ということはないのですが。
    こんな地方もあることをお知らせしたくてコメント致しました。

    これからも応援しています。

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    じじょうくみこ Post author

    >>さらさま

    はじめまして!コメント入れてくださり嬉しいです♪ありがとうございます*\(^o^)/*

    夜に墓参りする地域って他にもあるのですね!
    灯篭に灯されたあかり・・・なんという幻想的な風景でしょう。。。
    見てみたい気がします(墓参りだからアレか・・・)

    シマ島の墓参りもかつてはそんな感じだったかもしれません。
    ザビパパも「昔は灯篭や飾りを海に流していた」といっていました。
    今は環境の関係からそれもなくなり、真っ暗闇にLEDの強いあかりが
    びかーーっと光っているので、あまり余韻のようなものはない気がしました。
    これも時代の流れだとしたら、残念な気もしますねー。

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    はらぷ

    じじょうさん、はじめまして。

    お…面白いです!
    切り絵、モビール、電飾…の東南アジア感。そして現代グッズの数々とLEDのコラボレーション!まさに生きている民俗…。

    そしてものすごく蚊にさされそうです。

    ところで、じじょうさんのコラムにおけるベルばら引用度は高いような気がしますが、私も何かっていうと「きたか…ついに!!!」(主に歯が痛いときなど)と天啓が下るほうなので、同じ脳かと思いました。すみません。

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    じじょうくみこ Post author

    >>はらぷさま

    うわあああ!いきなりのコメント、光栄にございます!
    新連載、じんわりと楽しませていただきましたー(まだ余韻を楽しんでいる)

    まさに、はらぷさま、そしておじいさまに見ていただきたいです( ´ ▽ ` )ノ
    (もっといえば制作もしてもらいたい!)
    そして蚊は1日中さされているので大丈夫ですw

    わたしのコラムはベルばらとラピュタ(ときどきエヴァ)でできていると思われます。
    ベルばらは日常生活でも使えるフレーズが多く
    LINEスタンプも大活躍でございますよ(ちなみにゴルゴも使い勝手がいいです)

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よもじ猫 同然

猫耳東風

猫同然 No.66  by まゆぽ

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猫耳東風

猫No.66  by まゆぽ

よもじ猫 同然とは…

全世界初!?四文字熟語と猫のコラボ!‥として2018年にはじまった「よもじ猫」。今までたくさんの猫たちが登録され画面に登場し続けています。
しかし、世の中の多様性は急速に進んでいます。猫がいるなら、猫同然がいてもいいのではないかっ!

というわけで、2025年からコンテンツを「よもじ猫 同然」にバージョンアップ(!)し、愛すべき存在なら猫に限定せず、犬や鳥、はたまたじいちゃんばあちゃん、ぬいぐるみ、なんなら豆苗3巡目でも、同然として愛でよう!シェアし合おう!ということになりました。

「よんもじ」と猫同然がペアになって、ランダムに登場します。
ふだん着の猫同然の一瞬を楽しむもよし、よんもじをおみくじ代わりに心に刻むもよし。
掛け軸からタイム&ライフトリップして、ときどき世界を猫同然目線で眺めてみませんか。
みなさんの猫同然画像の投稿をお待ちしています。

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