新年明けましたが、メールは明けません。
新年を迎えると、いつも思い出すのは子どもの頃の風景だ。
元日の朝にお屠蘇をいただき、おせち料理をつついて、お年玉をもらう。しんと静まりかえった町の中をただ一軒だけ店を開けているおもちゃ屋へ向かって、弟と二人で走る。
あの時、「もしかしたら、この町には誰もいないのかもしれない」と、とても心細い気持ちでよく思ったものだった。それくらい、お正月、特に元旦の町中は人気がなかった。
もちろん、おもちゃ屋に到着すると商魂たくましいおもちゃ屋のおやじさんと、お年玉を手にした子どもたちを見た瞬間にそんな思いは消し去るのだけれど。
コンビニが24時間開いていて、スーパーが2日から営業している昨今では考えられないことだが、あの頃はちゃんと季節や時間のメリハリがあったんだな、と思わせられる。ほんの30年、40年前のことなんだけども。
昔は良かったとはあまり思わないのだけれど、それでも、いろんな場面でメリハリがない、線引きがない、ということにつくづく嫌気がさす。
特にスマホがのべつまくなしにブルブル震えると、勘弁してくれと言いたくなる。まだ携帯電話だと直接話をするので、さすがに電話をしていい時間なのかどうか、どんなふうに切り出せば角が立たないか、ということを気遣っていたように思う。
でも、メールはいけない。僕も含めて、いつでも自分の都合で送ってしまう。そのときの自分の気持ちで、送りつけてしまうことが多い。送る側が、自分の都合で送っているんだから、受ける側だって自分の都合で見ればいい、というようなものだが、気が弱いからついつい見てしまう。見なきゃいいと思いながら、ついついチェックしてしまい、就寝前のひとときに、とても泣きそうになるくらいの修正依頼を見て、悪夢に唸らされてしまうのである。
これではいけない、そろそろ五十代も半ばなのだから。コンビニじゃないんだから、とこの年末年始は仕事用のメールをチェックしない設定にしておいた。
いま、これを書いているのは1月4日。世間では仕事始めのところも多い。僕の事務所は1月5日からにしているので、さあいよいよ明日から仕事始めだ!というところでこれを書いている。もしかしたら、すでに仕事始めを迎えたところから、泣きそうなメールがもうきているかもしれない。でも、そんなメールをチェックしないだけで、とても健康的なお正月を過ごすことができた。
なのに、さあ、明日から仕事だ!と思った瞬間からメールが気になって仕方がない。でも、明日事務所に行くまではメールなんて絶対にみない。見るものか。絶対に見ないぞ。きっと、たぶん、おそらく…。
えっと、というわけで、今年もよろしくお願いします。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
okosama
uematsuさん
今年もよろしくお願いいたします。
で、結局いかがでした?
事務所に行くまでメールは見ずにおられたのでしょうか。
私は仕事始めの前日にメールチェックしました。誘惑に負けました(笑)。
perako
あはは、メールのことよく分かります。でも私は逆に「見たい」人なんです。
会社のメールもiPhoneで見られるようにしているので、帰宅してからも、もちろん休みの間も「見る」んです。
会社に行って「あれ~~」となるのが怖いから・・。
泣きそうなメールでも、明日何をしなければいけないかが分かっている方が安心するんです。
チキンですね・・。
uematsu Post author
okosamaさん
明けまして、おめでとうございます。
聞いて下さい!
ちゃんと、事務所に行くまで、メールを見ずに我慢しました!
誘惑に負けずに正月を過ごし、仕事始めの瞬間にチェック!
結果、な〜んもきてませんでした。
なんもきてないのに、「なんか来てるかも!」とおどおどしているなんて、
それはそれでアホみたいですねえ(笑)。
uematsu Post author
perkoさん
明けまして、おめでとうございます。
僕はもう泣きそうなメールを見ると、本当に泣いてしまうので、
眠れなくなってしまうのです。
それなら、いくら見てしまいそうになっても見ずに過ごして、
翌日「がびーん」とショックを受ける方がましかと(笑)。
今年もよろしくお願いします。