おしゃれで、気さくな、関西人。
渋谷のBunkamura近くのタリーズ。このあたりは、Bunkamuraの上品さと、ラブホ街の猥雑さが入り交じり、なかなかに良い具合に芳しい香りがしてくる場所であります。
こないだ、映画を見た後に、ここでぼんやりとコーヒーを飲んでいたのでございます。すると、隣の席に年の頃なら60代半ば頃の、おそらくご夫婦ではない男女カップルがお座りになったのです。
女性はベレー帽のようなものをおかぶりになり、三宅一生とおぼしき新素材を使用したような不思議なカッティングの上着を着こなしておられます。男性は、ちょっと厚手のツイードっぽいジャケットを着ておられまして、こちらもなかなかにおしゃれな感じでございます。
このお二人、話している感じからすると、カップルと言うよりも古くからのお友達のよう。その証拠に、近況報告がざっくばらんでございます。まあ、ざっくばらんと言うところで、みなさんの予想通り、このお二人、関西人であります。
「それで、あんた、歯はどうなん?」と女性。
「わし?わしは、歯は丈夫なんよ」と男性。
「そうなん?ええなあ。うちはもう、下の前歯が全部差し歯やねん」
と、ここで女性が下の前歯を人差し指の爪でカンカン鳴らすのであります。
せっかくの可愛いベレー帽とおしゃれな三宅一生が台無しになりそうな気もしますが、これが意外に嫌な感じじゃない。逆に、飾らない感じが良いんです。しかも、この女性の前歯カンカンを見た男性が優しく笑うんです。そして、こう言いました。
「差し歯にしたほうが、白い歯がきれいにそろって、若く見えてええがな」と。
そう言われた女性はちょっとはにかんでまるで少女のよう。
いやもう、ええもん見せてもらいました。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
「ネコのマロン」販売サイト
https://store.line.me/stickershop/product/1150262/ja
クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
そして、こちらが「ネコのマロン、参院選に立つ。」のサイト
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在、神楽坂にあるオフィス★イサナのクリエイティブディレクター、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
ホンノムシ
大阪を代表とする関西人の会話。
好きじゃない関東・東京の人も多いかと思います。
基本は自虐ネタ、つまり、謙遜なんですね。
しかし相手もそれがわかっていて、また褒めたりして、同じ高さまで戻すと言うのが
関西人の会話の特徴かと。
「コレ、なんぼに見える?」
「いや~ 全然見えへんわ」
相手を思いやる心からきているのでしょうね。
uematsu Post author
ホンノムシさん
そうですね、謙虚さが基本にあるのに、笑いを取ろうとする押しの強さ。その一緒くたな感じが嫌われるのかなあ、と分析したことがあるのですが…。
東京に出るのが大学入学と同時という人は意外に標準語を話しますね。
僕は30代半ばに移り住んだので、標準語を話そうとすると、逆に妙な感じになってしまって。
はしーば
「・・若く見えてええがな」のくだり、関西弁だからこそ、ベタな褒め言葉がキザに聞こえないでいいですね〜。素直に嬉しくなりそう🌸
私も前歯いっぺんに差し歯にしたら、関西弁でそんな風に言われてみたいわ。
uematsu Post author
はしーばさん
そんなカップルばっかりになったら、世の中ほのぼのするでしょうねえ