(52)「若い女性の肉体」の価値
自分が「欲望」されるような「若い女性」ではなくなって、はや数十年(?)。
思うことはいろいろありますが。
その中の一つに、
「若い女性の肉体」というものを、客観視するようになった
ということがあります。
東日本大震災の直後、
私は職場に一泊したぐらいで、たいして苦労はしなかったのですが、
にもかかわらず、精神的にはそれなりに衝撃を受けていたのでしょう、
時間通り動かない通勤電車の中で、
中吊りの、グラビアアイドルの水着姿を見て、
希望だ!!
と思ったのです。
若い女性の肉体、
これに男性がウハウハするんかい?
それで子供が生まれる?
ああ、なんて素晴らしいんだ。
まだ未来はあるんだ。
ちょっとバカみたいだけど、本当にそう感じて、
自分がそんなふうに感じることにとても驚きました。
すごく原始的な感覚です。
子孫繁栄してほしい、それが希望だ、と思ってたんですねえ。
災害があったからというのも大きいけど、
自分が欲望圏内にいるうちには全く感じなかった。
もちろん、「子供を産まねばならない」っていう価値観の押しつけはあったし、
すごく嫌だったから、
今、若い女性は子供産めって言ってるわけじゃないです、全く。
ただ、それを期待する動物的な衝動があることを、
自分がそうではなくなってはじめて実感した、ということです。
それと関係あるのだと思いますが、
男性向けのポルノグラフィーに対して、
怒りを感じることも増えたんですよー。
ネットでふと出会ってしまう広告とか、
電車の中でオッサンが読んでる新聞とか、
女性を無理やり云々する、
みたいな話が多すぎないですか。
許せません。
いや、そもそもそういうものを電車の中で平気で読めること自体おかしい。
女性をバカにしている。
性産業のお店に並べられた若い女性の写真、
あまりに安い料金、
これが搾取でなくてなんであろうか。
とにかく怒りが湧いてとまりません。
さっき書いたことと矛盾してしまうけど、
グラビアアイドルとして若い女性の肉体が
「消費」されていることにも「むむむ…」と感じます。
っていうかなんで昔はここまで気にしなかったのか???
多分、
若い女性の肉体にそういう価値がある、
ということを、客観的に見られるようになったからこそ、
その価値を尊重せず、欲望のままに蹂躙していることが多いことも、
はっきり見えてきたのでしょう。
当事者として憤ってはいたけど、
あくまでも中側から見ている様子だったんだなあ。
一歩外に出たら、構造的な問題も見えてきちゃう。
グラビアアイドルに希望を見出しつつ、
フェミの血が燃え盛るって、なんか変なんですけど(^-^;
つまみ
プリ子さん、一度めはたぶんちゃんと読んでいなかった。
あらためて読んだら、すごく腑に落ちて、なんで最初はこの深さがわからなかったんだよ、と今日の自分が数日前の自分を情けなく思っています。
勝手にやってろ、ですね。
>グラビアアイドルに希望を見出しつつ、
>フェミの血が燃え盛るって、なんか変なんですけど(^-^;
一見、相反するっぽい気持ちが共存するってままありますが、これは実は相反してなくて、ひとつの天秤ばかりの両極なのかもしれませんね。
そして、両極って真逆ってことではないんですねえ。
双方あってはじめて、バランスが存在する。
自分がフェミ方面に声高な人が苦手なのは、グラビアアイドルに希望を感じる視点が欠けているからなのだと気づきました。
まぎれもなく存るものの存在を認めないから、遮眼帯を装着しているから、うさんくさいんだと。
すごくスッキリしました。
ちなみに、「出版業界や書き手の未来」と、「図書館の未来」も、天秤ばかり理論を発動させると、自分にはわかりやすいです。
プリ子さんの趣旨とズレてスミマセン。
プリ子 Post author
つまみさん、コメントありがとうございます! 深すぎて、唸りまくってます。
なんとなく、どっちかが先にあって、結果としてもう一つができてるのか、
いや、でもそれだとしっくりこないなあ、と思っていたんです。
天秤の両極かあああああ、そうかあ、
対立しているものでもないし、表裏一体でもなくて、
バランスを取り合っているものなんですね。
出版業界と図書館ーー!? あぁ~
対立しているようでいて、じつはお互いに必要、、、たしかに、、、!
しばし、味わって考えてみます!