11月21日はカレー記念日

カレー記念日

普段着と 仕事着 それしか ありません

11月21日はカレー記念日

月亭つまみ

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

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あの頃、アーカイブ

エピソード14★昭和40年代の引っ越し

さてさて、聞いた話を形に残すことを仕事にしている「有限会社シリトリア」(→)。
普通の人の、普通だけど、みんなに知ってほしいエピソードをご紹介していきます。

【エピソード 14】
引っ越しが、電話やメール一本で、見積もりから荷造りに至るまで手間いらずになったのはいつ頃からでしょう。昭和40年代中頃までの日本では、引っ越しと言えばまだまだ家族の一大事。子どもだったリエコさんにとっても忘れられない一家をあげての大プロジェクトでした。

父親の転勤で、関西地方から神奈川県のある町への転居が決まったのは、リエコさんが小学校2年生のとき。両親は娘の進級時期に合わせ、引っ越しを3月の終わりに決めました。

当時、引っ越しと言えば一番の大手はN通運。引っ越しの日が決まると、父親の会社からの手配だったのか、さっそくN通運の人が見積もりにやってきました。当時親子3人が暮らしていた、それほど広くない間取りの部屋に入ったとたん、その営業マンがあっさりと言いました。

「これぐらいの荷物ならコンテナ1台で十分いけますね」

鉄道でのコンテナ輸送になることは両親も承知していましたが、営業マンの言葉に、母親はぼんやり不安を感じたそうです。家を切り盛りしている主婦ならではの勘だったかもしれません。


「国鉄」の貨物列車 (©『鉄道ホビダス』サイト)

当時はもちろん、引っ越し当日までの準備はすべて自分たちの仕事。買ったばかりのピアノは別便での輸送が必要でした。500km離れた転居先の部屋の下見もしていないまま、何を捨てて何を持っていくのか、専業主婦だったリエコさんの母親がほぼ一人で、今でいう断捨離と荷造りと手配に追われる毎日でした。

そして引っ越しの朝、運送業者の人たちによる運び出しが始まりました。荷物が半分以上コンテナに積み込まれたそのタイミングで、両親はショッキングな事実を業者さんから知らされます。

「荷物が全部積みきれません」


昭和40年代の家財道具 (©『はすぴー倶楽部』)

笑い話のような展開ですが、今さら荷物を下ろすわけにもいかず、急遽、N通運から1台のトラックが手配され、一家の荷物の一部は、陸路、コンテナを追いかけることとなりました。

そのときの大騒動の様子をリエコさんは詳しくは覚えていません。ただ、子ども心に思ったのは、「置いていかれる荷物があるの?」という素朴な疑問でした。自分が大切にしていたあのオモチャも本も、ちゃんと新しい家に連れていってあげられるのだろうか――ですから転居先の家の前で、コンテナ車の後ろに一台のトラックが遅れて到着したときの映像は、ホッとした気持ちと一緒に今もよく覚えていると言います。

リエコさんも結婚した今、実家ではお母さんが一人で暮らしていましたが、数年前、あれ以来初めての引っ越しをすることになりました。引っ越し業者の見積もりのやり方も、荷造りのサポート体制にも、あの頃の引っ越し事情とはまさに隔世の感。

「私はね、コンテナ1台ではうちの荷物は入りきらないんじゃないかなって、最初から思ってたのよ!」

44年前のあの引っ越しの日、大騒動の中で憮然としながら言った母親の言葉を、リエコさんはなんだか懐かしく思い出していました。


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コメント、ありがとー!

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    つまみ

    ああ、私も父親の転勤が多く、10才までに8回ぐらい引っ越したので(半分は物心がついていないけど)、昭和40年代の緊張感のあるこの感じ、うっすら覚えています。
    本当に当日までに荷物がまとめられるのだろうか、そしてそれは全部新しい家に持って行ってもらえるのだろうか、向こうではちゃんと収まるのだろうか、とこども心にもドギマギしていました。
    こどもなので、全く引越しの戦力にはなってなかったわけですが。

    5才のときに福島県原町市(現在の南相馬市)から、同じ県内の梁川町(現在の伊達市)に引っ越しし、人間たちは父親の運転する車で移動したのですが、たかだか2~3時間の道中が信じられないくらい長く、遠くに感じて、自分はどこに連れて行かれるのだろう、家の荷物、自分の洋服や布団は無事たどり着けるのだろうかと、ものすごく不安でした。

    もしかしたら、人生で初めて本気で不安感を抱いたデキゴトかも。

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    まゆぽ Post author

    つまみさんの引っ越し記憶の風景、目に見えるよう。
    やっぱり、子どもにとっては、「不安」面で特別なイベントなんだと思います。

    わたしは地方から東京に引っ越すために列車に乗っていて、
    窓からハンカチをひらひらさせて遊んでいたのですが、
    うっかり手を離したために飛ばしてしまい、
    引っ越し先に連れて行ってあげられず、路頭に迷うハンカチを思って
    涙にくれた記憶があります。

    いろんな不安がハンカチに転嫁されて泣いたんだろうと、今は思う。

    あの頃アーカイブから、忘れていたような記憶を掘り起こしていただけると
    とってもうれしいです。ありがとう。

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    こんにちは。
    まさに父がN通運勤務しておりました。その頃は入社してまだ数年くらい。
    そうなんですよね、N通運は大雑把というかおおらかというか。
    記事読んで「申し訳ありません」という気持ちになりました。
    宅配便から撤退したのもむべなるかな。向いてないですもん、きめの細かさでは圧倒的にKネコ、S川に軍配が上がるし。
    でもやっぱり引っ越しはN通運が一番です!!20回引っ越ししてきましたのでこれは自信もって言います(^^♪
    N通運勤務でも転勤は多いので、実家にいるときはその都度、すごい人数のN通社員さんたちがやってきて怒涛の勢いで作業してくださいました。小学生になるころにはしっかり荷物の段ボールへの詰め方を叩き込まれ、いまだに転勤族なので今も役に立ってます。
    N通運の社員さんは普段営業でも、シーズンになると駆り出されるのであの制服みんな持ってるんですよ。今も変わらぬユニフォーム見ると、亡くなった父を思い出します。

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    まゆぽ Post author

    凛さんのお父様、N通運にお勤めだったんですね!!

    決してN通運さんの見積もりがいい加減だったわけではないと思いますよ。
    日本中がなんとなくまだのほほんとした時代だったのでしょう。
    それに、すぐにちゃんとフォローしてくれたところも
    さすがにN通運だし。

    あの高度経済成長時代の日本の物流を
    ほとんど一手に担っていたN通運ですから、
    お父様も大活躍されていたんでしょうね。
    20回のお引越しはその証なんだと思います。

    ユニフォーム姿のお父様、凛々しかったことでしょう。

    プリミティブなダイナミックさが楽しいなあ、昭和40年代。
    凛さん、素敵なお話、ありがとうございました!

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