12月17日はカレー記念日

カレー記念日

LED 眼に刺さるんだよ 眩しいよ

12月17日はカレー記念日

めー

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
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あの頃、アーカイブ

【エピソード27】僕のそばには、いつもカメラがあった

さてさて、聞いた話を形に残すことを仕事にしている
「有限会社シリトリア」(→)。
普通の人の、普通だけど、みんなに知ってほしい
エピソードをご紹介していきます。

デジカメやスマホのおかげで、今や写真撮影は暮らしの中の一つの動作に過ぎなくなりました。フイルムを使い、現像プリントに出していた時代は、一回一回のシャッターが今よりずっと大切でした。カメラにフイルムを装着するとき、差し込み方を工夫すると一枚多く撮れたりする。「それだけで、やったラッキー!と思ったものです」と、還暦を間近に控えたセイイチさんはカメラ少年だったころを振り返ります。
✳︎トップの紅葉の写真はセイイチさんの撮影


・ハレの日の記憶とマミヤルビー35

「写真についての最初の記憶は、5歳の七五三のときのことです。鎌倉の八幡宮の境内で、祖父が袴姿の僕を撮ってくれた。当時、七五三の衣装は、男の子だと洋装が主流になり始めた頃だったんです。今はまた袴姿が多いですけどね。だから僕も本当は和装より洋装がよかったんだけど、逆にその袴姿が目を引いたんですかね。撮られるために立っていると、知らない大人たちが立ち止まって横から声を掛けてくる。もっと笑ってーとか、いいねーなんて。それがすごく照れ臭くて、でもどこかでちょっと晴がましかったりして」

ハレの日、特別な日には写真を撮る。今日はそういう日なんだ――カメラが持つ〝特別感〟みたいなものを、初めて強烈に意識した、忘れられない日だったとセイイチさんは言います。

そのとき、セイイチさんの祖父が持っていたカメラ――いえ、当時は写真機と呼んでいました――は、「マミヤルビー35」。それは、後に聞いたところでは、セイイチさんが生まれたときに購入したものだったとか。露出も絞りももちろん手動です。大事な大事な〝精密機械〟ゆえ、湿気は大敵。「マミヤルビー」の置き場所は、なんと洋服ダンスの一番奥でした。「レンズにカビが生えないように…と思ったんでしょうか」と笑って振り返ります。

そんな「一家に一台の写真機」時代は、やがて、「自分専用のカメラ」を持つ時代へと移っていきます。セイイチさんは小学校6年生。世の中は高度成長期を迎えていました。

フィルムカメラを復活させよう!」サイトより
(昭和35年3月13日号の週刊明星に掲載されている広告)

 

・初めて買ってもらったオリンパスペンEE2

「誕生日に子どもにカメラを買ってやる家も増えてきていたんでしょうね。修学旅行に自分のカメラを持っていく子がけっこういて。僕も思いきって言ったんですよ。カメラが欲しいと。当時出始めたばかりの、自動露出的な、いわゆる押せば写るカメラ。父を早くに亡くしてましたから、ふだんからあまり贅沢は言わなかったんですが、カメラだけはどうしても欲しかった。そうしたら祖父が、よしって、駅前の店まで僕を連れて行って『オリンパスペンEE2』と、一緒にストロボまで買ってくれたんです。これはうれしかったなぁ」

一発焚いたら使い捨てのフラッシュではなく、電池で繰り返し使えるストロボを修学旅行に持ってきたのは、さすがにセイイチさんだけだった。旅館を出発する朝、部屋の中で、友達のカメラに順番にセイイチさんのストロボをつけて、かわるがわる撮影会。おかげで集合時刻にセイイチさんの部屋の生徒たちだけ大幅遅刻、なんていうオマケもついた懐かしい思い出です。

そして、その修学旅行を境に、セイイチさんの写真熱、カメラ熱は一気に高まっていきます。押せば撮れるカメラでは物足りなくなり、あの「マミヤルビー35」が今度は自身の愛機として、再び登場してきたのでした。

(オリンパスカメラミュージアムより)

 

・ありがたかった愛光商会の格安フイルム

フイルム入れて、ストロボ使って撮って、現像してプリント――その一連の行為の楽しさにのめり込んでいったセイイチさん。中学では写真部と天文部に所属。家にあった、自分と同じ年を重ねた愛機のカメラを、シャッタースピードや絞りを合わせながら使いこなして好きな被写体を撮るのは、この上もなく充実した時間でした。カメラ雑誌も読み漁り、そうかプロはポジフイルムで撮るんだ! よし、ポジフイルムで撮ってみよう――夢は次々と膨らみます。が、一方で、写真とは正直、お金のかかる趣味でもあり…。

「写真部でしたから、モノクロのフイルム現像とか引き伸ばしは学校の暗室でできたんです。でもフイルムはいかせん高い。1970年代前半、カラーフイルムは富士フイルムとかさくらとかコダックとか、そうしたメジャーなブランドでは20枚撮りで200円近くしたかなぁ。中学生のお小遣いではそう何本も買えないわけです。ところが当時、愛光商会というところから、ライトパンっていう、16枚撮り100円きっかりというフイルムが出ていた。中学生の僕のためにあるありがたいメーカーだったと、あの頃も今も思ってます(笑)」

(愛光フィルム Y! auctionより)

 

・一眼レフ、そして憧れのライカへ

中学3年で念願の一眼レフを買ってもらい、卒業後の春休みには仲間と夜行で京都へ。4泊5日の撮影旅行は忘れられない楽しい旅だったと言います。

その後は社会人になり、自分のお金でカメラを購入するようになりました。中学生時代、カタログで穴のあくほど何回も何回も眺めた憧れのライカも、20代後半、都内の中古カメラ屋を何軒も回って、新品の半値で手に入れました。今はもっぱらデジタルのカメラを、用途に合わせて3種類、うち一台を休日の犬の散歩やドライブには必ず首にぶら下げて出かけます。

(camera fan より)

いわゆる〝銀塩カメラ〟の風情とか、どっしりした質感とかへのこだわりは?

「あ、全然ないですね。そういうカメラを眺めているのは好きだから、家に飾ってあります。フイルムやら現像やらでお金がかかったことがトラウマになってるかもしれない(笑)。露出をばらしながら好きなだけ何枚も撮れる、この便利さがいいと思います。都会の喧騒の一角を切り取る、みたいなルポルタージュ的な写真には僕は興味がないんです。きれいな風景を、きれいな構図で撮りたい。ただそれだけ。プロから見たら大したことない写真でも、自分の撮った写真を眺めて、あー今日はいい風景が撮れたなーって思う。この満足感がいいんです」

今の若い人たちだって、インスタ映えする写真をネットに上げて、ね、いいでしょ?ってみんなに見てもらいたい。写真を撮りたい気持ちは、今も昔もそう大きく変わっていないのかもしれません。「一枚でも多く撮りたくてフイルムの入れ方まで工夫した――そんな時代をまったく知らない今の若い人たちでも、ね」とセイイチさんは笑うのでした。

 


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コメント、ありがとー!

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    やまだ

    初めてコメントさせていただきます。
    「カメラ」ではなくて「しゃしんき」。
    80代の実母や、舅は
    そう呼ぶことがありますねえ。
    きっと彼らの頭にあるのは
    デジカメとかではないですね、きっと。
    セイイチさんが、デジタルに
    抵抗なく写真を撮り続けて
    おられるのが、なんだか嬉しく
    感じました。
    わたしは拝見する一方ですが
    お好きな方が撮られたステキな画像を
    拝見できる機会が
    減らなくてよかったな〜と。
    冒頭の写真の、なんと鮮やかなこと。

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    まゆぽ Post author

    やまださん、温かなコメントありがとうございます。
    しかも、初めてのコメントを「あの頃アーカイブ」にいただけて、
    うれしさ倍増です。

    女性読者の多いオバフォーで、
    カメラの話は受けないんじゃないかと、
    実は少し不安に思いながらのアップでしたが、
    やまださんのように写真を見るのが好きな方に
    男性も女性もないんだなあとわかって、
    さらにうれしさ3倍増です。

    ちなみにセイイチさんによれば、
    天候が不穏な今年は紅葉がイマイチ。
    トップの写真は3年前のものだそうです。
    紅葉の微妙な色の違いも、カメラのレンズを通すと
    よりはっきりわかるのでしょうね。

    平成もあと半年余り。
    「…も遠くなりにけり」となりそうな昭和のエピソードを、
    これからも紹介できればと思います。
    また見にいらしてくださいね。

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    きゃらめる

    父親が白黒写真を撮って暗室で現像して…というのを見てわくわくしたものです。
    大学に入り、あれをやってみたくなり、写真部の門を叩き、父のカメラを借りてみましたが。
    何を撮ればいいのかわからない。
    今思えば気負うことなくそこらのものを撮れば良かったんですが、一枚も撮れませんでした。
    友人は体育祭で転んだ私を生き生きと撮ってました。

    で。センスがない+お金がないので、写真部はだめだな、と、あっさり諦めました(笑)

    いまは気負いなく、
    スマホで散歩中にあれこれ撮って楽しんでます(^-^)

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    まゆぽ Post author

    きゃらめるさん、コメントありがとうございます。
    書いてくださった「暗室」も「現像」も、
    思えば昭和に置いてきてしまったようなカメラ用語ですね。

    きゃらめるさんのコメントを読んで思いましたが、
    写真のハードルが下がったのは確実な事実です。
    オバフォーでも、四文字猫のような写真のコーナーがありますが、
    もっと皆さんの写真を見られるような場所が欲しくなりました。

    それはともかく、このエピソードを読んでくださった方が、
    これをきっかけにご自身の「カメラがあった風景」を
    思い起こして下さったら、こんなにうれしいことはありません。

    今後も、そんな懐かしいシーンを切り取って紹介できればと思っておりますので、
    また覗いてくださいね。

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    アメちゃん

    ああ、私も高校生ぐらいのときに
    初めて父が買ってくれたのがオリンパスでした!
    上の写真のような上等なんじゃなかったですけど。

    写るんです…じゃない、フィルムを入れるカメラは初めてで
    いろいろ撮って、さぁフィルムを現像に出すぞって時に
    私、カメラの後ろのフタをカパッと開けて
    ぐるぐる巻きもどるフィルムをじーっと見ました。
    後日、写真屋から写真を受け取ってきた父が
    「なんも写っとらんかったぞ!」って。
    そりゃそうですよね。。。
    オリンパスのカメラといえば、いつもこのマヌケを思い出します。

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    まゆぽ Post author

    アメちゃんさん、楽しいエピソード、ご紹介くださってありがとうございます。

    そうでしたよね。
    昔のカメラは、全部取り終わると、自動でフイルムを巻き上げたりもしてましたよね。
    思わずフタを開けちゃった!というのは、もしかしたら世代共通の「あるある」ですね。

    「セイイチさん」は、現像プリントをわざわざお店に出す手間がないのも、
    デジタルカメラのいいところ、と言っていました。
    でも出来上がってくるのを楽しみに待つのもまた、
    あの頃は楽しみの一つだったような気もします。

    また、楽し懐かしいコメント、お待ちしていますねー。

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