Posted on 2019年8月21日 by uematsu

意地悪な女の子。

意地悪な女の子がいる。昔からいるし、今でもいる。意地悪な男の子もいるのだろうけれど、なんとなく意地悪な女の子のほうが多いような気がするのはなぜだろう。

いまどき、こんなことを書くだけでも「セクハラだ」と言われそうだし、自分でもそんな気がする。そんな気はするのだけれど、「でも、やっぱり」と思っている自分がいて、その自分が「いやいや、実際に出会う意地悪な男女のなかでも、やっぱり女性のほうが多いぞ」と自信たっぷりに言う。

もしかしたら、仕事上、やりとりする比率が男よりも女のほうが多いから、という話かも知れないし、単純に僕自身が女性からそんな目にあわされやすいから、という理由かも知れない。でもまあ、それは僕自身の主観だし、この文章が主観で書かれている以上、了承していただくしかないのである。

ということで、世の中には意地悪な女の子が多い。僕の実感で行くと、三十代の終わりくらいまでに多い。それ以降もいるのだけれど、意地悪から端を発して、実際に何かしてやろうというところまで意地悪の集中力が持続しなくなっていくことが多い気がする。

そこへ行くと、三十代の終わりくらいまでは気力体力ともに充実していて、意地悪な奴だともうとことん結果がでるまで意地悪を繰り出してくる。

間違っちゃいけないのは、それが本人が無意識である場合も充分にあるってことである。つまり、本人は意地悪でもなんでもなく、生きていく選択肢として知らず知らず意地悪を手にして、それを実力行使してくることも多いので、その辺りは本人のせいとも言い切れないのが面白いところだ、というかややこしいところだ。

では、そういう話をするなら、意地悪な女性でいいじゃないか、ということになるのだが、それが不思議と、そういう意地悪な女性は実に無邪気な顔をして意地悪を繰り出すのである。まるで、女の子である。男だって意地悪をするのだろうが、なんとなくの印象として、いかにも「お前、いま悪いこと考えてるな」という表情をするし、行動をする。ところが、女性の場合、無邪気に見せるのがうまいのか、本当に無邪気なのか、絶妙なタイミングで、意地悪なのである。

と、こんなことを書いているのも、いま実に見事に意地悪な女の子のようなことをされているわけである。相手は女の子のようなのだけれど、別に自分も子ども時代に戻っているわけではなく、シビアな仕事をしているので、別に可愛いともなんとも思わない。腹が立って仕方がないのだが、クソ意地の悪いことをするタイミングが絶妙なので、こちらの腹立ちも中途半端で余計に気持ちが悪いのである。

このことを女性に相談すると、だいたいの女性は「ああ、そういう人いますよ。今のうちにネタを集めて、あとで意地悪で返してやればいいんですよ」などと言う。男性に相談すると、だいたいの男性は「いるいる！もうね、無理。逃げるしかない」と言う。

確かに、女性たちの言う通り、意地悪な女の子はネタの宝庫なので、その意地悪具合を書き記しておけば、あとで「ああ、本当に意地悪な奴だ！」ということになるかもしれない。しかしねえ、それがそいつの仕事上のポジションを脅かすところまではいかないのだ。なぜなら、そいつがそういう奴だということに、社内の人たちは気付いているから。逆に、僕たちのように外部の人間とのやりとりに、そいつの意地悪さは思う存分に発揮されるのである。

さて、どうしてくれよう。戦いはまだまだ続くのである。ただ、こちらにも人としての気持ちがある。意地悪をされて気持ちが良いわけではない。僕はマゾヒストではない。いじめられて喜ぶ気持ちは欠片もない。いや、むしろ、そういう意地悪な女の子のような奴らは、だいたい根っこはマゾヒストだと思っている。

いや、なんのことだろう。というか、こんな馬鹿なことを考えるほどに翻弄されているのである。おそらく、続く。

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植松眞人（うえまつまさと） １９６２年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト：オフィス★イサナ

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