11月22日はカレー記念日

カレー記念日

落ちてゆく 枯葉のごとし 抜け毛かな

11月22日はカレー記念日

Jane

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カレー記念日とは?

加齢を実感したら、それはカレー記念日。
抗ったり笑い飛ばしたりしながら、毎日華麗に加齢していきましょう。

あなたのカレー記念日も、教えてください。
五七五七七形式で、下の句は「○月○日はカレー記念日」なので
上の句の五七五だけ送ってね!

日付は掲載日に変えさせていただきます。

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ゾロメ女の逆襲

◆◇やっかみかもしれませんが…◆◇ 第20回 僕らが旅に出ない理由

熊本で本屋さんをやっている田尻久子さんのエッセイ『猫はしっぽでしゃべる』の中に

どこにも行かないで、本ばかり読んでいる。本を読んでいるから、行っていると言えるんじゃないか、とも思う。仕事で旅ばかりしている友人に、本を読むからどこにも行かなくて平気なんじゃないのと指摘されて、そうかもしれないと納得した。

という文章があります。

わたしは今までそんな風に思ったことはありませんでしたし、今後も特に思わない気がしますが、こと旅行に行かないことにかけては、わたしは田尻さんに勝るとも劣らない、いや、きっと勝っている、と思います。

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スーパーだ図書館だ散歩だと、近隣には出かけますし、友達から声がかかれば、たいがいはシッポを振って馳せ参じます。でも、いわゆる旅にはほとんど行きません。最後に飛行機に乗ったのがいつなのか正確に覚えていないし、帰省以外の新幹線乗車も数えるほどです。

旅行が嫌いなの?と聞かれたら、そんなことはないと即答します。でも、じゃあなんで行かないの?と聞かれたら、きっと返答に窮します。

そういうとき、聞いた人はたいがい気遣ってくれて、家が好きなのねと言います。そうなのかなとあいまいに頷くと、すっかりそういうことになります。

確かに、家にいるのは好きな方かもしれませんが、それが旅に出ない理由なのかは自分でもよくわかりません。

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旅に出て、自然や建造物や人々に接して、感動したり、予想外の事態に右往左往したり、来てよかったーと満足したり、なんだよ期待はずれ、とぶつくさ言う…それらはきっと人生の醍醐味なのでしょう。人から、○○に行ってきた、△△にまた行く、などと聞くと、いいなと思います。でも、それと「自分が旅に出ること」があまりうまく結びつかないのです。

旅する人の話や本や映像は好きだし、旅に対してネガティブな感情も持ち合わせていないのに、なぜか自分を部外者のポジションに置きがちです。そして、旅をすること=正しい どこにも行かない=人生をムダにしている と疑問の余地なく思う人には反発心が発動します。

そういう人は、口では「旅するしないは人それぞれ」とか「人生そのものが旅だし」などと理解あるコメントをしても、内心では「つまんねーやつ」「人生をムダにしてる」と思っている、それがこっちにはお見通しだったりします。

なのでこっちも対抗して(?)、口では「たまには出ないとねー」とか「フットワークが軽い人に憧れる」などと言っても、心の隅の隅では「はいはい、つまんねーやつですみませんね」「日々、心の旅に出てるっつうの!」的なことを思ったりしているわけです。いや、あくまでも言葉の綾ですよ。

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思うに、旅が好きな人は、旅に出ない人のことを、ムリして理解しようとしてくれなくていいです。時として、なにかをしないことは、なにかをすることと同じくらい(またはそれ以上)意志的だったりしますが、そんなの例外で、ほとんどの場合、深い意味などありません。だから、そっとしておいてください。

ただ、自分を変えよう歯を食いしばった挙句の旅だったり、やむにやまれぬ事情だったりと、切実に旅に出る人もたくさんいるはずで、もしかしたら、それはわたしが思うより多いかもしれない。そして、もしかしたら、自分にもいつかそんな日が来るのかもしれない、と思ったりもするのです。

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そんな人たちにとっても、今回のコロナの移動規制はさぞや忸怩たる思いでしょう。かくゆうわたしも、福島へのお彼岸のお墓参りを取りやめました。福島に行く行く詐欺の前科、これで何犯になったのやら。オオカミ少年と化しています。

憎きコロナのせいで、旅を順延、もしくは諦めた人々が、希望や楽しみを見失って挫けませんように。旅は人生の大切な構成要素かもしれませんが、それがすべてのように思ってしまって、気持ちの余裕をなくしたり、自分の視界を狭めませんように。

大丈夫。わたしみたいなのもいるんだから。

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ああ、気の合う友と温泉とかには行きたいなあ。そして浴衣の前がはだけるのも気にせず、布団の上に肘をついて寝転びながら夜通ししゃべり倒したい。この騒ぎが終わったら計画しよっかな(最後にちゃぶ台をひっくり返す)。

by月亭つまみ


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コメント、ありがとー!

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    Jane

    「ずねえ人間にはなれないけれど」の時にも、私もそうだ!と思ったんですけど、私も旅に出ませんよ。いや正確には20代独身時代はよく海外旅行したけど、その後も転居は家族の都合で何回もしていますけど、もう30代くらいから旅したい気持ちがなくなりました。
    周りの人たちは、年に何回かは海外もしくは州外へバケーションに行くのが普通で、お互い長期休暇前後は「どこへ行くのか/どこへ行ったのか」と聞くのが一種の社交辞令みたいな感じです。で私が「家」というと、わくわくした顔で「家ってどこ!」と聞かれるのですが、今住んでる家に決まってるじゃん。そしてしらーとした空気が流れた後、「たまには家でのんびりリラックスする休暇もいいわよねえ」と決まって言われるのですが、私は毎年毎休暇家にいます。
    私の場合、どこにいってもしょせん自分の本来の生活は変わらない(旅先で変身した気分になれない)、もうあまり思い出を作ろうとも思わない(もし家族に連れていかれても写真も撮らないし何も買わない)だって過去は過去で二度と戻れないから、と年をとるごとに思うようになったからかもしれません。もし私にとって旅に意義があるとしたら、人に会いにいくという目的のある旅です。

    私も近隣の散歩で結構満足なんですよ。つまみさんの今週の短歌ですが、私も昨日人のいない市役所の庭園を一人音楽を聴きながら歩いていたら、泣けました。コロナのストレスのおかげで心が敏感になっているし、他のいろいろなものを制限している分、自然が心にすごく入り込んだりしますよね(私は木と話したりしてます)。

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    okosama

    つまみさん、こんにちは

    先日、ちょっくら未来に行ってきました。
    昨年邦訳が出た、リウ・ツーシンの『三体』というSFを読んだのです。たいていのSFがそうであるように明るい話じゃないのですが、面白かったー。
    勢いで現代中国SFアンソロジー『折りたたみ北京』を読みました。同じ作者の『神の介護係』が特に面白かった。

    家の前の桜はまだ花が少なく、読書期は中だるみが来てます。

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    Jane

    ああ!今気づきましたが、カレー短歌が加齢ネタということで考えれば、年をとったら涙もろくなるということにかけているのですね!確かにそうですね。旅行で若いころのようにワクワクドキドキしないのは感受性が枯れたせいかと思っていましたが、違う方面で心が揺さぶられるようになってくるのですね。新しいものへの好奇心より、自分の内面にすでにあるものが何かを見ることによって刺激されることが多くなるというか。

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    つまみ Post author

    Janeさん、コメントありがとうございます。

    今回の記事で自分が書ききれなかったこと、書き洩らしたことを、すべて掬い取ってくださったようなコメント、すっきりしました。

    若いときは、旅に出ることで、いつもと違う、ふだんやらない行動や思考になることが、ことさら大事で新鮮で、そんな「自分の可能性発掘」がとても素晴らしいことのように思ったいた気がします。
    でも、Janeさんと同感。
    どこにいってもしょせん自分の本来の生活(思考や人間性も)は変わらないです。
    たとえ旅先で一過性の研ぎ澄まされた、感受性の鋭い自分がひょこっと登場し、日常に戻ると消えて、でもその「一瞬出たということの連続」に意味があるのかもと思うことはあっても、非日常に出没するものなら、日常にも絶対あって、むしろ、非日常の力を借りずにそういう瞬間を作ることの方を意識しながら(たとえすぐに忘れても)暮らす方がしょうに合っている気がします。

    そして、人に会いにいくという目的のある旅に意義がある、というところも、まさにそう思います。

    加齢なのかストレスなのか、家のベランダから見える夕陽にやけにグッとくる今日この頃です。
    富士山とのセットに弱いという、とても単純な理由かもしれません。

    今、私の住む東京の桜が満開で、こんな状況でも近所の桜の多い公園では花見をしている人が数多くいて、そこは足早に通り過ぎ、もっと小さく、桜の木も少ない公園でしばらくぼおっと花を見て、なんだか遠くに来ちゃったなあわたしたち(たちは不特定)とぼんやりしたりしています。
    そういうときの気持ちは、泣くというより、寒い夜にお風呂で湯ぶねに浸かる瞬間に感じる心もとない淋しさの方に似ています。
    寒い夜にお風呂の入るときに一瞬淋しさを感じるのは私だけですかね?

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    つまみ Post author

    okosamaさん、おはようございます。

    ちょっくら未来に行ってきました…って、いい表現!
    『三体』、初めて聞いたタイトルでしたが、話題になっているのですね。
    居住区の図書館で検索したところ、予約数が107でした。
    惜しい!煩悩の数にひとつ足りない!

    私はこのところ、小説を一段落させて、何を基準に本を選んでいるかいうと、出版社です。
    今はナナロク社とミシマ社という、「カタカナ+社」がマイブームです。
    …ヒマなの?

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    Jane

    ええ!私も人も来ないところで一本だけ咲いている桜を見るのが好きなんですよ!数じゃないですよね。一本しかないとかえってその木が特別に感じられるし、花の一輪一輪までじっくりと見られる。
    私も中学の時群衆心理の怖さを思い知らされました。ある意味ガイドブックに載っている観光名所に行って、本当は自分はそんなに感動もしていないんだけど、「みんながいいと言うかの有名な〇〇へ来た」ってことで満足した気がするのも付和雷同かもしれませんね。

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    つまみ Post author

    Janeさん、桜は、並木にしたりまとめると見栄えがし、人が集まるので、行政がまとめて植えたがる、と聞いたことがあります。
    でも、だからこそ、孤高な桜は風情がありますよね。
    人間と同じく、群れずにマイペースなタイプ(植えたのは人間ですけど)もいるんだなあと思ったり。

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