女友だち
先週のコラムでこのサイトの運営をしているカリーナさんの本『夫が倒れた。介護プレイが始まった』について書いた。五十代も終盤に差し掛かったオッサンの本音の読後感を書いたわけだけれど、その原稿を送ったメールの返信に、男目線の意見がうれしいという感想があり、男友だちとして認定されたのだった。
カリーナさんとはover40のオフ会で何度かお目にかかっただけで、その時もあまり長時間話せてはいない。ただ、2013年の6月から更新のない週以外はずっとコラムを書いているし、カリーナさんも自分のコラムを持っているので、お互いの考え方はなんとなく分かっている気がする。もちろん、分かっている気がするだけで、本当に分かっているかと言われると自信はないけれど、たぶん。
僕は自分で言うのもなんだけれど、本当に不器用だ。特に友だちを作るのが苦手だ。友だちのように時々合って近況を報告し合う人はいるし、と書いている時点で「それが友だちだよ」と突っ込まれそうだけれど、僕の側はいつも「友だちと呼ばせてもらっていいのだろうか」と遠慮しているところがある。
ほぼ同い年で相手が僕を呼び捨てにし始めたりすると、僕は割と喜んでいる。喜んでいて、うれしいのだけれど、相手がひとつでも年上だったり、年下でも仕事の先輩だったりすると、こちらはついつい「さん」づけで呼んでしまう。相手はちょくちょく呼び捨てを間に挟みつつ様子をみてくるのだが、こちらが「さん」づけで呼んでいる内に諦めるのか、やがて向こうも「さん」づけに戻ってしまったりする。
不器用な僕にとっては境目が曖昧なまま、友だちらしき人たちと交流を深めたり浅めたり(浅める?)しながら生きてきたのである。なので、カリーナさんからのメールで男友だち認定されていたのは、素直に驚いて素直にうれしかった。
酒をほとんど飲まないし、飲み屋に一人で行くことがない、ということも大きいのかもしれない。酒を飲んだ勢いで知らない人と話し込むなんてこともほとんどないし、酔った勢いで新しい恋が始まるなんてことも、僕の人生ではなかった。まだ若い頃にこの話をすると、ある酒好きな事務所の女子スタッフが「えっ!最初から素面で寝るんですかっ!」と素っ頓狂な声をあげていたことをいま思い出した(笑)。
年下の女子学生たちに慕われたり、年上の仕事仲間に可愛がられたりしながら生きてきたけれど、もう少し「友だち」の範囲を広げてみようと素直に思える出来事だった。と、これまた不器用に真面目に書いてしまう不器用なオッサンなのだった。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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