さて、君をなんと呼べばいいですか?
松山ケンイチが奥さんの小雪のことを「嫁」と呼んだと言うことで炎上しているらしい。わかる、わかるよ。だって、家に女で「嫁」だもの。そんな時代じゃないもの。結婚が家と家が一緒になることだっていう概念すら、もういまじゃ頭がおかしいとしか言いようがないんだもの。だけども、僕はうちの妻のことをヨメと言っている。「嫁」じゃなく「ヨメ」というのは、僕自身、「嫁」と書くとちょっと違うという気がするから。といっても、別にヨメをヨメと呼ぶことに抵抗があるわけではなく、単純に「瀬戸の花嫁」を思い出して、あのイメージは違うなあ、と思うからなんだよなあ。
あと、僕の辞書に「妻」はない。ないというか、自分のヨメを「妻」と言ったこともないしイメージとしてなんだかシュッとしているので、関西人の僕の口から、「うちの妻が」なんて口が裂けてもいえない。それなら「うちのサイがね」だったら言ってもいい。というか、ちょっと言いたいけれど、言ってしまうとうちのヨメが「いじびってんのか」とツッコミをいれそうだ。
「子供」の「供」はかつて、子供を供物にしていたころの名残だ、というホントかどうかわからない話で世間が盛り上がっていた時期が合って、僕がたまたま書いた「子供」と書いたら、知り合いから「私は、供物の供がついた子供なんて怖くて書けない」ってキーッと知らせてくれた。直さなかったけど。
妻は恥ずかしい。家人は言ったこともない。だからって、下の名前で呼ぶなんてそんなことは僕には出来ない。赤面して死んでしまう。というわけで、大阪のヤンキーが結婚もしてないのに「うちのヨメがな−」というあの感じで、「ヨメ」と呼んでいるのである。
そのことで、僕と松山ケンイチが神に罰せられるというなら、もうそれは仕方がない。罰せられるというなら、多少の傷みは我慢しよう。だけど、そんなにもひどい話かね。「子供」はいつのまにか「子ども」が普通になっちゃったけど。それ、本当に本当の話かね。それに、もし本当の話だったとして、誰がいまそれを思い出して「ああ、神様。我が子が魔物の供物になるなんて」と嘆き悲しむかね。
もうね、そんなに言うなら、ヨメともいわないし、サイとも言わない。ミスターポテトヘッドはポテトヘッドで、レディース&ジェントルマンはエブリワンだからな。僕はもう君のことを君としか呼ばないことにする。本人は「私は鬼ヨメやからな!がっはっはっ」と笑っているけれども、僕は君をこれから「ねえ、君」と井上陽水の桜三月散歩道のように呼ぶようにするよ。二人でどこへ行こうと勝手なんだからな。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
★これまでの植松さんの記事は、こちらからどうぞ。
モスギ
わかります、わかります😄
関西人なので、
妻とか、家内とか、女房とか💦
やめて恥ずいーーってなります
うちも、鬼嫁ですが
外では「うちのヨメさん」と
呼んでるみたいです😊
都忘れ
私もわかります!関西人です!鬼嫁です!
新婚のころ(四半世紀前)、夫が「ヨメはんが…」って言ってるのがガマンできずに「ヨメはんはやめれ!せめてヨメさんにせんかい、こらぁ!」って、言ってやりました。
↑本当は、もうちょっとマイルドに…。うふふ。(笑)
なので、夫は、いまだに「ヨ、ヨメ…さん…(ごにょごにょ)」と、挙動不審になりますよ~。
宝塚歌劇でも、トップスターの相手役のことを「〇〇さん(トップスター)の嫁」っていう言い方をします。
関西では、ヨメっていうのは、スタンダードな呼び方なんでしょうね。
私は、家人っていう呼び方に憧れますが、もし夫に言われたら、ゲーってなります。
uematsu Post author
モスギさん
関西では普通に使うのに、東京では物議を醸すって言葉は、意外に多いですよね。
僕は東京で何気なく「じゃまくさ」と呟いたら、「じゃまくさいのなら、やめればいいじゃないですか!」とキレられたことがあります。
uematsu Post author
都忘れさん
家人は憧れますね。でも恥ずかしくて言えないし書けません。
唯一言えるのが「ヨメ」なんです。
取り上げないで。
爽子
そうなんですね。。。
ところで、うちのオットは、わたくしのことを外で何と呼んでいるのでしょう。
私の話はしていない気がします。
関西では「ヨメ」が標準だと思いますね。
なんか、すみっこを監視していちいち取り上げて嫌ですね。
Jane
昔、息子が小学校6年で夏休み体験入学に。その時、クラスのボス女子に「君」と呼び掛けて、「君とはなんだ~!」とすごく怒られたとか。そのせいばかりでないでしょうが、ずっといじめられていました。「君の名は」っていうタイトルもあるけど、なんとなく古風な響きのような気がするのは私だけ?
奥様を「あなた」って呼ぶ男の人にも何人か会ったなー、なんかリスペクトしている感じですよね。
uematsu Post author
爽子さん
そう言えば、うちのヨメは僕のことを外でなんと言っているんだろう。聞いてみたいような、怖いような。
uematsu Post author
Janeさん
僕は男性でも女性でも、割と「君」と言ってますねえ。
ヨメに話しかける時でも「君は」と切り出すことが多いなあ、そう言えば。
そうか、君と話しかけて嫌がる人もいるんですねえ
きゃらめる
外で>目上の人にはうちの嫁、近しい人にはうちの嫁さん、または、奥さん
家で>子育て中はママ、今は○○子さん、または、ちったん
ママパパからの移行期、私が照れ臭すぎて、みずから愛称をつけて名乗ってたのでその名残です(笑)
因みに私は
外で>目上のひとには、うちの主人、または、☆☆(名字)、親しいひとには旦那、パパ、★★さん(名前)
家で>★★さん、またはパさん(パパさんの略)
けっきょくのところ、本人たちが良ければ何でもええねんて思います。
だって外で嫁と呼んでるからって、実際には家にとじこめたりしないじゃないですか。
対外的なことを慮って、相手を立てるために一段低いところに下りてるだけやと思いますの。
世の中の人たちは、よそんちのことに口突っ込みすぎ。ほっといたれや!って思います。
そういえわたくしもこうしてあーだこーだコメントしてるんですが(笑)
uematsu Post author
きゃらめるさん
僕は家では「ねえ」と呼びかけるのがせいいっぱいです。若い頃はあだなをつけて呼んだりしていましたが、それも恥ずかしくなり、自らヨメを呼ぶときには「ねえ」と声をかけています。こうなると、外で遠くからヨメを呼ぶのが大変。「ねえ」と声をかけたら、その辺にいる人たち全員がこっちを向いてしまうので、すぐ近くにいるときにしか呼びかけられません。なので、遠くにいるときには、声をかけません。声をかけるときには近くに行きます。近くに行けないときは諦めます(笑)。
okosama
uematsuさん、こんにちは
直近のuematsuさんのコメントで、そういえば!と浮かんだのが「なあなあ(または、ねえねえ)、自分、お昼何食べる?」
家ではお互いこんな感じです。
お互い対外的には、夫、家内を使っています。慣れてきたので抵抗感は薄い。
義母には〇〇さんと言いますが、まったく当たり前の事なのに、やや抵抗感がある。
「ヨメ」にはしっかりした妻というニュアンスを感じて嫌悪感はないのですが、関西の人間だからですかね?
つぶあんしる子
「夫や妻のことを何と呼ぶか」問題ですね。
これ以外にも見知らぬ他人に声をかけるのも悩ましい問題。
「オバサン・オジサン」と言うと怒る人もいますし、未婚の人も増えていますから「奥さん」は論外でしょうか。
呼び方を探しているうちに見つかることも、よくある話・・・になればいいんですが。
uematsu Post author
okosamaさん
関西だから、というのはあるかもしれません。
意外に東京では通じないというニュアンスがあるので油断できないのです。
uematsu Post author
つぶあんしる子さん
見知らぬ人を呼ぶときもなかなか難しいですが、僕の場合、SNSなどで知り合った人をハンドルネーム(死語?)で呼ぶのが苦手です。以前、本当にあったのは、男性なのにスイーツさんという人がいて、何人かで会ったのですが、周囲からみたらどう見たっておっさんの同窓会。なのに、「スイーツさんは」とか「DJしまじろうさんは」とか呼び合ってるのは狂気の沙汰!と思ってしまいました。ま、個室ならいいのかも。ちなみに、DJしまじろうは、ミクシー時代の僕のニックネームです(笑)。
Jane
考えてみるに、「君」の使い方って、場や人間関係の上下や性差を反映しているのではないでしょうか。以下、あくまで私見ですが….。
言う人が年配の男性だったら、自分より年下、立場が下であれば男女問わず誰にでも言ってもいい。
言う人が年配の女性だったら、自分より年下、立場が下の男性に言うのはありだが女性には言わない。
自分より年齢、立場が上の人には男女関係なく言わない。
お互い若者で年齢や立場が同じだったら、「君」と呼び合うのもありだが、女性が男性に使うとなんだか男女同権に敏感な女性のように聞こえる。
大人が小学生以下の子供を呼ぶとき、大人が男性でも女性でも男の子のことは「君」と呼ぶが、女の子のことは大人の男性が「君」と呼ぶだけ。
… というわけで、植松さんだったらたくさんの人に「君」と呼びかけるのもわかります。私は、多分今まで一回も使ったことないですね。名前を知らない小さい男の子に対してですら。
uematsu Post author
Janeさん
なるほどなあ。
そうか。
「君は」と呼ばれて嫌な気持ちになってる人もいるかもしれないですねえ。
なるほど。
いま、人生を振り返って背中が冷たくなっております。