注射の日
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毎年恒例ov40の夏休み。
今年も8月の更新はお休みだーいと思っていたら、なんとまあ、夏休みは16日までだというではないか。
なにか、なにかネタはないかと周りを見回してみても、ここ数ヶ月の日常は、仕事、原稿書き、研修課題、職場の組合の資料作り、仕事、そして世の中はコロナ、コロナ、オリンピック、バッハ、コロナ、デルタにラムダである。
詰んでいる。
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そんな中、私にもワクチンを打つ順番が回って来た。なにごとも人より遅い私にしては、異例の早さといえる。
私の住む自治体は、どういうわけか周りの市区より接種の進みが早く、7月にすでに60歳以下の住民に予約券が配られていた。
予約は電話か専用サイト。サイトにログインすると、希望の場所(主に市内の診療所)や日付で検索できる。
60歳以下に解禁したと同時に市内に大規模接種会場が準備されたようで、土日にのみ開くのだが、そこが取れた。
ワクチンの種類はモデルナで、基本的に第1回目の予約の4週間後の同じ日同じ時間が2回目と問答無用で割り振られ、来られない人だけ変更するシステムだった。世話がない。
おそらく小学生の時以来、インフルエンザの予防接種もしていないので、採血以外の注射が超久しぶりである。緊張する。
周りからは、打ったらぶっ倒れたとか(医療に詳しい甥っ子に話したら、「それは血管迷走神経反射」と冷静に言われた)、打ったら熱出たとかいろいろ聞こえてくるが、そんな打った後のことはこのさいどうでもいい。
打つときに痛いかどうかが問題だよ!
しかし打った人は皆口を揃えて、「打つのは痛くなかった」と言っていたので安心した。なんのしがらみもないタクシーの運ちゃんもそう言っていたので、たぶん本当だろう。
念の為、ポカリスエットと、誰かが「冷凍パスタを買っておくといい、おいしい」と言っていたのでそれも買う。
海老トマトクリームのと、ボロネーゼのを両方買った。
熱が出たらこれを食べるのだ。ちょっと楽しみになってきた。
ノミの心臓の私がこんなふうに思えるのは、このオバフォーサイトのデザインをてがけてくれているNaomiさんのツイートのおかげである。ありがとうありがとう!
7月25日10時、会場に行く。家から歩いて15分くらいの、大規模店舗が撤退した商業ビルがワクチン接種会場である。
店舗時代の名残が残る階段を登っていくのが廃墟めぐりっぽくてよい。
会場の外にも順路にも、たくさん係の人がいて、手際よく誘導してくれる。みんな若い。
打つ場所は、カーテンで仕切られたブースがずらっと並んでいて、空いたブースに案内されて入ると、反対側から先生が現れた。
ブースの奥を通路にしてあって、数人の先生が、人が入ったとこに移動しながらどんどん打ってくスタイルみたいだった。
いわゆる「宇美町方式」のバリエーション型。
いちおう個室で、どっちの腕に打つかも選べるから左利きの人にもいい方法だ。
先生は市内の診療所の先生で、「○○医院の○○ですー。」と名乗ってくれた。ささいなことだが安心。
先生たちは、休日診療の当番とは別に、持ち回りでやってくれているのだろうか。
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肝心の注射は……本当にいたくなかった。針が細い!医学の進歩すばらしい。
考えてみたら、数年前に猫のティーちゃんに噛まれたときに、整形外科で部分麻酔の注射を打ったが、あっちのが痛かった。
待機場所で15分待ち、問題なし。
帰りに、次の予約の日時を書いた紙をもらった。この間だいたい20分ちょっと。
いつ、どのくらい届くのかわからないワクチンをにらみながら、これだけの体制を作るのは大変だっただろうな。
自治体も地元の医師会も、会場を提供してくれたビルの持ち主もほんとうにえらい、ありがとう。
しかし本当に係りの人たちが、若い子ばっかりだ。
彼らは、保健所の職員さんか、市役所の人か、日曜日なので、そうだとしたら多くは会計年度任用職員(いわゆる非常勤)か、業務委託の職員さんかなあ。アルバイトの人たちもいるのだろうか。
みんなワクチン打てているのかな、手当は十分払われているだろうか。私も会計年度任用職員なので、ついつい気になってしまう。
ちゃんとお礼言ってくればよかったな。2回目のときはちゃんと言おう。
こんなに若い人たちに世話になっているのに、彼らに届けるワクチンは足りなくて、それなのに感染拡大の原因は若者、とばかりに何億円もかけて「ワクチン啓発動画」なんか作っているって、なんなんだろう。
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会場を出ると、ものすごい暑さ、ものすごい青空だった。
写真を撮って、駅前でおにぎり買って帰る。
その日はオットも2回目の接種(別会場でこちらはファイザー)で、副反応がどうなるかドキドキしていたが、二人とも無事だった。
オットは「腕がちょっといたい…かな…?」程度、私はまあまあ腕が痛いが、使えないほどではなく、夜にちょっと頭痛がしたくらいだった。それも、いつもの偏頭痛か副反応かわからない。
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それから3週間とちょっと。いよいよ次の日曜日に2回目の接種である。
この間2回目を打った友人知人はもれなくダウンしている。
私とほぼ同年代で無傷だった人は、私の知っている中で一人だけだ。
ちょっと年下の同僚は、打った後、「変身するのか?!」って思ったくらい体がギュインギュインにドライブして、ヤクキメた感じ(知らんけど)で面白かったらしい(そして39度の熱が出た)。
自分がどうなるのか、怖楽しみである。
その同僚から、「アイスがものすごいおいしく感じるからぜひ買っておいて味わうといい」と言われたので、そうすることにする。こういうときはやっぱりバニラだろうか。
冷凍パスタは出番がなかったので、その後お昼ご飯に食べてしまった。おいしかった。
150円くらいでこんなのが食べれるとは、世の中どうなっているのか。
今度こそ出番があるかもしれないので、また買っておこう。
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byはらぷ
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※「なんかすごい。」は、毎月第3木曜の更新です。
※はらぷさんが、お祖父さんの作ったものをアップするTwitterのアカウントはこちら。
Naomi
はらぷさん、こんばんは。
登場させてくださってありがとうございます。
前回記事が衝撃の「風呂がきらい」でしたから、お注射の日はさぞ緊張されて大変だったのでは?とおもいきや、とてもエレガントにやってのけられて。
マジ偉いぞ!愛おしいぞ!(笑)
何だか世間がささくれだっておりますが、わたくしは2回目の接種を終えて2週間経ちまして、心なしかマスクからのぞく眉間の皺が、ちょっと減ってるような気がします。
2回目は少しばかり痛かったけどね。でも、とても気持ちが軽くなりました。
もちろんそれで、マスクを外せる訳ではないけれど。
はらぷさんも沢山の人と対面するお仕事でしょうから、あともうちょっと、
しっかり自衛してご自愛ください ♥️
Jane
予防接種を小学校以来一回もしたことがない⁉いつもながら、さすがだ、はらぷさん….。
はらぷ Post author
Naomiさん
Naomiさーーーん!
今日、打ってきましたよー2回目!えらい!
(またほめてもらおうとしている)
今回もまた、おどろくほどスムーズでした。
注射はいたくなかった(笑)
そうですよね。接種できたからといって、用心しなくてよくなるわけではないけれど、すごく心強いです。
帰り道に、ちょっと浮かれてる自分にハッとして、思ってたより毎日緊張してたんだなあと気がつきました。
あと数週間は待たないと効果ないけどね(笑)
打てる人皆に、少しでも早く行き渡ることをいのっています。
昨日は先を見越して、ちゃんとシャワーを浴びて髪の毛も洗いました!
このあとどのような経過をたどるのか、ドキドキだ。
はらぷ Post author
Janeさん
こんにちは。
今、打ってきましたよ!
そうなんですよ、小学生のときは、学校でいろんな予防接種とかあったと思うんですが、その後の任意のやつはほとんど打った記憶がありません…。
新型とかが出るはるか以前に、インフルの予防注射をしたうすーーい記憶があるようなないような。とくに反ワクチンの親だったわけでもないのですが(笑)
しかし、幸運なことに新型インフルにもいまだ罹ったことがありません。
思えば、ツベルクリンの反応も皆無、BCGの後もまったく腫れず、反応がでているクラスメイトがうらやましかった記憶があります。
今も蚊に刺されてもふくれないし。
私の体は戦う気がないんでしょうか。
ワクチン後の反応が気になるところです!