米谷瑞恵氏「こう見えて失語症です」、10月4日発売!カリーナは、こう読む。
こんにちは!カリーナです。
先週土曜日の「カレー記念日 今週のおかわり」に、ご本人による控え目な告知がありますが、オバフォーでCometさん(最近は、こめP)と呼ばれている米谷瑞恵さんの著書「こう見えて失語症です」が10月4日、主婦の友社から発売されることとなりました。
米谷さん(以下、ところどころ、こめPと呼びます)は、言語聴覚士。「ああ、なるほど、つまりは専門家による解説書なのね」と思った方がいるかもしれません。それは、そうなのだけど、ちょっと違うのです。
さらに、オバフォーを長く読んでいる方のなかには、「パートナーの失語症を支えるために40代で言語聴覚士の専門学校に通い、国家試験に合格した『中年の星』であり、『夫婦愛の人』だね」と理解している人もいるかもしれません。ごもっとも。でも、それも現象的には、そうなのだけど、かなり違うのです。
わたしは、この「違い」こそが、米谷瑞恵の本質だと思っています。
その「違い」に迫ったコンテンツが、このオバフォーの中にありました。【卒業&合格記念特別インタビュー】がそれです。こめPが国家試験に合格したとき、わたしがインタビューをしたものです。だまされたと思って、ぜひ、第1回から読んでいただきたい!
ここに、米谷瑞恵という人の「行動規範」というべきものが凝縮しています。自分でインタビューしておきながら、改めて読むとめちゃめちゃ面白かった。
長いインタビューのなかに「オットのために」的な表現は一度も出てきません。おそらく、心情のなかにパートナーを思う気持ちはあるでしょうが、それを隠しているわけでもない。米谷さんのなかで、「オットを思う」と「言語聴覚士になる」という目標は別なのです。
その米谷さんが、言語聴覚士になろうと考えたときの気持ちをすがすがしいまでに表現した発言がありました。
(※このままだとライターという)「人の褌」人生から抜け出せない。だったら自分が言語聴覚士になっちゃえばいいじゃん! いろんなことが自由にできるじゃん! 可能性が広がるじゃん!
※( )内はカリーナ付記
小気味いい「じゃん」の連続に胸がすく。別の角度から、冷静に理路整然と語った言葉もありました。
だからオットが失語症になったとき、言葉が出づらくなった人が「伝える」にはどうすればいいんだろう、ってすごく考えました。言語はそう簡単には元のようには戻らない。けれど相手が失語症のことを知っていれば「こういうこと言いたいのかな」と理解してもらいやすくなるよなーと。つまり「失語症ってこういう症状だよ」と世の中に広く知ってもらうための「広報係」が必要で、ライター&編集をしていた自分には、それができるかもと思ったの。
米谷瑞恵が何を思い、何にワクワクし、どんな野心とビジョンを胸にこの年月を歩んできたのかが伝わるだけでなく、当初の目的を一つ一つ実現してきたことがわかります。
インタビューの最後には、こう語っています。
新米言語聴覚士として約1カ月たった今は、失語症だけでなく、認知症や、自閉症など、さまざまなコミュニケーションの困難を抱えている方をサポートしたいと考えるようになりました。自分の気持ちを誰かに伝えたい、けれど言葉という手段をうまく使えないとき、どうすればいいのか。そのための「訓練」や「工夫」を提供して、「伝わる喜び」を感じてもらえるような仕事がしたいです。
著書「こう見えて失語症です」は、「伝わる喜び」を感じてもらうために経験と思索を経て生まれた「工夫」そのもの。漫画家であり、イラストレーターである、あらいぴろよさんという最高のパートナーを得て、「広報」にふさわしい、わかりやすく、楽しいものになっているに違いありません。
楽しみ。読む。そして、読んでほしい。10月4日発売。予約受付中です。