第192回 近寄らないで生きてきたもの。
お月見の日 佐藤知津子さん
まゆぽ:
いつまでも暑いし、物価は高いし、世の中もなんだか息苦しい。
なので、ちょっと拗ねてみます、今回のチチカカ湖。
みんながやってるのに、自分は興味を持たずにきたことや、
みんな知ってるのに知らないことなどを挙げてみよう。
私はね、実はいっぱいあるんだ、そういうの。
古くはザ・ドリフターズの番組。
東村山の隣に住んでたんだけど、ブームだった時も見たことなかった。
別に親や先生にダメと言われたわけでもないのに
なんだか興味がなかったなあ。
もう一つはディズニー絡みのあれこれ。
ディズニー映画やディズニーランド。
いい作品だったり、見事なエンタメだったりってことは理解できる。
大好きな人がいっぱいいることも知ってるし、
そういう人の真っすぐさはうらやましいくらい。
でも、みんなが好きだから、いいや、私は、と思ってしまうの。
そうやって、共通の話題に入っていけないことが多くて、
今は後悔することもあるんだけどさ。
つまみちゃんはそういうのない?
つまみ:
あのさあ、はっきり言わせてもらうけど‥
いっぱいあるよ、あり過ぎですよ!
全員集合はふつうに見てて、合唱団のコーナーとか好きだったけど
習慣で見てた感じ。
その証拠に、1970年代が自分の全盛期で
最近もなにかと記憶が溢れ出して困るくらいなのに
ドリフのことはほとんど思い出さない。
ディズニー方面もあまり興味ないな。
わたしがこのテーマですぐに思いついたのが韓流ドラマ。
いっときの流行かと思いきや、長いよね。
もはや、1ジャンルとして確固たる地位を築いてる。
まゆぽさんのコメントとカブるけど
いい作品があるんだろう‥なのよ。
でも、わたしはいいや、なのよ。
十代の頃から、一度も若い男性アイドルに夢中にならずに今日まで来た。
今、ものすごくデリケートかつセンセーショナルな話題になってるけど
避けるのもナンなので‥っていうか、避ける必要ないんだけどさ。
スポーツ選手や俳優、ミュージシャンのファンになったことはあるけど
仕事(パフォーマンスっていうの?)に対していいなあと思うだけで
プライベートまで、それほど興味を持ったり干渉したいと思わない。
どうにかなる可能性のない相手に夢中になっても
つまんないって思ってきたのかな‥なんだそれ?だけど。
オリンピックとかワールドカップにもあまりアツくなったことがない。
今年のWBCで「あれ?もしかして手に汗、握ってる?」
って、ちょっと新鮮だったけど
あれは例外中の例外だったかも。
また、あんなことがあるんだろうか。
あれば少し楽しいのかもしれない。
でも、ニッポンニッポンって大騒ぎする場所には
あまり近寄りたくないんだよねー。
排他的全体主義っていうか、熱狂や興奮が怖いっていうか。
すすき野 佐藤知津子さん
まゆぽ:
あ〜わかった、近寄らない理由っていろいろなんだよね。
同じように近寄らなくても、意識して近寄らない、無意識によけてる、
さらに、なぜかすっぽり抜けてるっていうのもある。
ディズニーやつまみちゃんの韓流や「ニッポンニッポン」や、
若手アイドルって、意識的によけている感がある。
それを語ると「よけてる理由に人生観が透けて見える」的なところに行きそうなので
別の機会に譲るとして、
今回は「気がつけば自分の人生から抜け落ちている」を探してみたら、
『赤毛のアン』だな、と思った。
けっこういろんな場面で話題になるし、
ちょっと読書好きな女子はだいたい読んでる気がするのに
読まずに還暦を過ぎてしまった自分に「なんで?」と思う。
『花子とアン』だって観てたくせにさ。
と言って、今から読むかといえば疑問だ。
なんだかもはや、「『赤毛のアン』の抜け落ちた人生」に
「それもいい」みたいな肯定感があったりするし。
こんなところでこそっと『赤毛のアン』読んでないと言えて
よかったような気もするし(意味不明)。
つまみ:
なぜか笑った。
まゆぽさんに『赤毛のアン』ってなんか似合わないから。
いや、似合わないっていうのとは違うかも。
じゃ、なんだよ?でしょうが、なんだろうね?(聞くなよ、ですよね)
人生、いろんなことが抜け落ちてるよね。
私は、本格的なお菓子作りも
自家製梅干しも、ぬか漬けも、抜け落ちた人生だ。
正確に言うと、高校の家庭科の先生がお菓子作り好きで
調理実習でやたらお菓子を作ったし
同じ時期、祖母に命令されて
梅干しとぬか漬けは助手をやったんだけどね。
それで、もういいやってなったのかも。
誰かがやってるのを見聞きしても、ああそれね、と卒業生気分。
近寄らないって、もしかしたら、もう卒業してるのかも。
入学してないけど、済んでる。
『赤毛のアン』も、きっとまゆぽさんは
読む前に卒業してたんだよ。
ディズニーも、わたしの韓流やアイドルも
想像やイメージが現実を追い越して
体験する前に卒業したんじゃね?
卒業おめでとう!おれたち!?
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佐藤知津子さんはオバフォ屋雑貨店で『詩画集 ドロップス』を販売中!
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Jane
つまみさんがよけてきたものって、全部わたしもよけてきてましたね…。韓流もアイドルもディズニーもオリンピックもワールドカップもお菓子作りも糠漬けも梅干しづくりも。
つまみ
Janeさん、そうですか。
かなりカブっていますか。
夢中になったものと、よけてきたもの、どちらの属性が強いのでしょうね。
どちらも?