〈 晴れ、時々やさぐれ日記 〉ああ、ハーモニー。多様性と調和のあいだ
――— 46歳主婦 サヴァランがつづる 晴れ ときどき やさぐれ日記 ―――
小学生の息子が合唱団に入っています。合唱団のお母様の中には、ご自身も合唱経験者であったり、現に今、ママさんコーラスなどで歌われている方もいらっしゃいます。
ねえねえ。サヴァランさんも歌わない?
息子の所属する小学校の合唱団は、毎年春に小さなコンサートを開きます。そのプログラムの中に「お母さんコーラス」というものがあり、今春はその小さな小さな舞台に立たせていただきました。
わたしは学生時代、学生オケに少しだけ在籍させてもらったことがありますが(途中挫折の平身低頭)、あの「ハーモニーの中の快感」というものをン十年ぶりに思い出しました。
「いやん。ちょっと楽しいかも♪」
さてさて 先ほどのお誘いです。「ねえねえ、サヴァランさんもコーラスやらない?ちょうど今度 合同コンサートがあるから良かったら聞きに来てね♪」
先日その「ママさんコーラスの合同発表会」にお邪魔しました。会場を彩る装花、おめかしした人で華やぐロビー、あちこちから聞こえる発声練習の声。ブサーが鳴って、それぞれのグループの日頃の練習の成果が披露されます。お顔を知っているあの方この方の、ふだんとは少しちがう新鮮な一面。。。
聴衆としての緊張がほどけ、ひとの声の醸し出す「快感」にうっとりしだすと、例のお誘いの声がアタマをちらり。あの中に入れていただく?「いやん。ちょっと楽しいかも♪」
だがしかし。ちょっとばかり気になることが。。。
えーと。このお衣装はー。昭和のママさんコーラスもそうだったけれど、平成のママさんコーラスもやはりこの伝統衣装なのね…。
ママさんコーラスの舞台衣装の王道はなんと言ってもノースリーブかフレンチスリーブのロングドレス。羽衣ショールのアレンジも目立ちます。ボディーは決まってハイウエストのマーメードライン。オーバーブラウスに黒のロングスカートというグループも何組かありました。
自分が「振袖モンダイ」を抱えているせいか、どーしてもどーしてもまずみなさんの「お袖」に目がいきます。お袖→バストライン→ウエストまわり→全身バランス。移動のとき、ほんのちょっとだけのぞくそれぞれの方のお靴とストッキングの色、なんてのも、どーしてもどーしても気になります。
実を言いますと、わたしのこの「ママさんコーラスにおける衣装観察」の癖は、今に始まったことではありません。子ども時代、「ママさんコーラス」を間近に拝聴する機会はそれほどあったわけではありませんが、少女のわたしの「この世の数多の不思議」の中には、「コーラスのお母様方は、なんであの衣装をお選びになるのか」という疑問が存在しておりました。
「ママさんコーラス」の皆さんの美しい歌声、そしてその勇姿。 歌声とビジュアルのハーモニーも考えてくれるといいのに。もったいないなぁ。。。
デザインは同じはずなのに、サイズ感というかフィット感というか、お仕立ての良しあしが目につく一団のご婦人たち。どの方もこの方も、良き家庭人、良き職業人でいらっしゃることでしょう。それぞれの来し方、それぞれの経験、それぞれの今、を声にのせて、美しいハーモニーを奏でようとする皆さんを、もっと素敵にもっと可憐に引き立てる衣装とは???
何年前になるのでしょう。スーザンボイルの存在が一躍脚光を浴びたのは。彼女が天賦の才能を開花させ、あちこちのメディアに登場するようになると、彼女の「歌」や「人生」への関心に加え、彼女のスタイリングの変化にも目がとまりました。「さすがだ。洋服という文化の歴史が違う。。。」
そういえば。日本のオーケストラと外国のオーケストラを比較しても、わたしはついついビジュアル面に気をとられる邪道リスナーです。フォーマル度の高いお揃いの衣装のときも、ある程度ランダムな衣装のときも、ついついその着こなしに目がいく視覚優位。。。
ねえねえ。サヴァランさんも歌いましょうよ~♪
あの。あの。え~と~。わたしがこの、自分の振袖にお直しを入れるか、みなさんが「みんなにやさしいお衣装」を選んで下さるか、あるいはざっくり「発表会はパスしてもOK!」か。いずれかの解決策が講じられた暁に。。。
もちろん、上のようなふざけたことは言えません。 でも後日、あの衣装選びをめぐって、女の熱き戦いがあることを耳打ちしてくれたひとがあったことをここに付言いたします。
多様化の受容が叫ばれる昨今の社会ですが、多様性と調和を両立させることの難しさを、ステージでスポットを浴びる麗しきご婦人たちのステージ衣装に愚考いたしました。
青蓮
あぁ、その発表会の様子が手にとるようにわかります~。
ダサくていやだって思っていても、声をあげられないんだろうなぁ
お腹まわりを隠すオーバーブラウス、かえって太めに見えはしないか?
実は私、ゴスペルグループに属しておりまして。
衣裳は「ローブ」形式の場合もあれば、ちょっとアフリカンな雰囲気の
派手派手布を使ったものの場合もあり、お揃いのTシャツ(各自
襟ぐりをきったり、袖を短くしたりのアレンジ自由)であったりします。
布地は統一されてて、デザインは各自好きなようにテーラーさんに頼み
トップスでもよしパンツでもスカートでもよし、って場合も。
これもまぁ、テーラーさんの縫い賃が激安なインドだからこそできるんだろうなぁ。
(一枚400円~500円出せば簡単なチュニックやパンツを縫ってもらえます)
サヴァランさん、いっそデリーで発表会デビューしませんか???
サヴァラン Post author
青蓮さま。うわ~ん、ありがとうございます!
>ダサくていやだって思っていても、声をあげられないんだろうなぁ
>お腹まわりを隠すオーバーブラウス、
>かえって太めに見えはしないか?
そこ!そこ!そこです~!はー、スッキリしました~。
ネックはやっぱりコストなんだそうで。
みなさん、言いたくても首をすくめちゃうんだそうで。
「コーラスはコレでしょ!」と断言される方もいるそうで。
なかなかに日本的、な衣装事情だそうです。
デリーのみなさん、そういう衣装のリンク感はいいですね~♪
お腹の底から声が出そう。
いいな~ゴスペル!
うわ~ん、デリーに行ってみたいです!!!