〈 晴れ、時々やさぐれ日記 〉 ああ、でもくらし。ノイズとヴォイスのあいだ。
――— 46歳主婦 サヴァランがつづる 晴れ ときどき やさぐれ日記 ―――
先週ここに書かせていただいた「ママさんコーラスの衣装問題」。衣装選びのナイショの話を、こっそり教えてくれる方がありました。
「あのさー、これはさー、うちのコーラスじゃないの。よそのコーラスの聞いたはなしよ。。。」
・衣装選びのネックはコスト ・お裁縫が得意なひとが主導権を握るとそのひとのセンスですべて決定・その際、多数決という名のできレース は暗黙の了解・お裁縫が得意でおとなしいひとは、ここぞとばかり仕事を背負い込まされる ・衣装も靴も全部バリっと揃えようとすると、入退団の激しい団はムリ ・いっそ「自由」度をあげようとすると、「女」をめぐる競争激化・これは「わたし」からみなさんへのプレゼント!という名目で、?なコサージュが突然支給される ・活動資金の使途をめぐって、有形無形のいざこざあり。
そ、そのコーラスは、おっかないなぁ。。。
突然ですが「大草原の小さな家」。子ども時代にかじりついて見たテレビ番組です。原作は同名の児童文学、ドラマの舞台は開拓時代のアメリカ西部。「新たな土地」を求め、それぞれの才覚、それぞれの野心、それぞれの倫理でたくましく生きるひとびと。強くて勇ましく、頼りになる父さん、優しく美しく賢い母さん。「家族」の理想を重ね、毎週土曜を心待ちにしていました。
大自然を相手に、つつましくも愛情に満ちたインガルス一家の日々の暮らし。教会を中心に形成される町という名の小さな共同体。ときに笑いときに争いながら、ひとびとが懸命に生きようとする姿は、毎週テレビに向かうわたしの期待を決して裏切ることはありませんでした。共同体には、ドラマツルギーの一環としてのヒール役もちゃあんと登場。オルソン夫人とその子どもたち。小憎らしいイジワル親子の存在が、いつもドラマにスパイスを加えておりましたっけ。
このオルソン夫人、「うちは特別なのよ!」が口グセで、町のバザーでは自分のパイ作りの腕を誇示、教会の鐘をめぐる騒動では名前入りの鐘を寄付しようとする「自分大好き」ノイジーなおばさん。
ああああー、またですよ。まーたしゃしゃり出て来ましたよ。名誉とか権威とかいう言葉が大好物の「オレオレ」おばさんオルソン夫人。さー、どうする?町のひとたち。さー、どうする?父さん、母さん。困りましたねー、大変ですねー、オルソンさんのひとのいいご主人。
オルソン夫人の巻き起こす騒動は、たいていオルソン夫人の「ふん!帰りますよ、あーた!まったくこの町のひとたちときたら!」で終了。おっきなお尻にたっぷりのパニエで膨らませたドレスの裾を翻し、ぷりぷりして家のドアを閉めて行くシーンが面白かったなぁ。おつかれ!町のひとたち!おつかれ!オルソン氏!
いやいやいや。子どもっておもしろくて。物語のヒロインや中心人物にあっという間に同化するワザの持ち主で、わたしなどあのオープニング曲が流れると、テレビの前で速攻ローラ化。自分が長じて「オルソン夫人化」するかも知れない可能性なんて、これっぽっちも想像したことなかったなぁ。。。
今、りっぱなお尻のおばちゃんになったわたし。大丈夫か?オルソン夫人化してないか?
ママさんコーラスの衣装問題を引き合いなどにして、関係各位に失礼してしまいましたが、女性ばかりのグループって、なんか似たり寄ったりの軋みを抱えてるなーと思うことがあります。お仕事を持たれている女性のみなさんのご意見も一度うかがってみたいところですが、わたしのように主婦をしているひとたちの集団は、どうも潜在的に「わだじを認めで!」願望が心の中に巣食っていて、その願望が発露を求めているなーと思ったりします。
思えば子どもの幼稚園時代。周りのお母さんはみんな若くてキレイでした。きらきらだけどぎらぎらでもあった。母としての歳月にも、新しい姓にも、ほんとはまだしっくりなじんでいない、危ういお年頃の女性の集まりだったように思います。みんなそれぞれ、自分の属性に不慣れで、けん制しあっていた気がします。
ママさんコーラスはきっと、幼稚園ママから歳月を経て、一人一人がいろんな経験を積み、辛いこと楽しいこと、ままならないことをたっぷり抱えた後の腹式の「声」のような気がします。がまんもしてきた、涙もこらえてきた。だから少々、衣装選びなんかじゃ、我がままも吐き出せてしまえるお年頃?
「ねえねえ、サヴァランさん、コーラスやらない?」「ねえねえ、サヴァランさん、ボランティアしない?」。偏屈な専業主婦に声をかけて下さる方のあることに感謝してるんです。何の声も出していないわたし。下手なんでねー。声を出すのが。何をするにも、何を考えるにも「そもそも」が気になって、おかしなノイズを出しそうになる。そのくせ、もっとうんとしゃべりたい、声の出し入れには飢えている。
「ねえねえ、暇じゃない?おうちで何やってるの?」「仕事しないの?しなくていいの?なんでしないの?みんなしてるよ」。軽やかに率直に声をかけて下さる方にも感謝、感謝。
ああ、でも「暮らし」なんだよなー、つまるところ。いろんなひとの声を聞き、いろんな考えに触れながら、ああでもない、こうでもないと落としどころをさぐりさぐり、ゆきつもどりつもどりつゆきつ。日々の「暮らし」を維持していきたい。。。
今、気になるグループがあります。AKBじゃありません。GMTはちょっと気になる。BST(別冊)には、お世話になってます!
気になるのは…「全日本おばちゃん党」。
AJOP この方たち⇒https://www.facebook.com/obachanparty
http://mainichi.jp/feature/news/20121205ddm013040013000c.html/
この「はっさく」、この「腹太の方針」、この「今からすぐしよ。10のこと」。みなさんはどうお考えになりますか?