第120回 アポカリプスホテル
毎期いくつかのオリジナルアニメが放送されています。どれも楽しく見ているけれど、6月に終わったばかりの「アポカリプスホテル」は出色の作品!
==
大気汚染により人間が脱出して100年が経った地球。
ホテル「銀河楼」に残されたホテリエロボットのヤチヨと従業員ロボットたちは
オーナーと人間のお客様のお帰りを待っています。
プロモーションビデオに映る銀河楼周辺の華やかな街は、今や見る影もない。
部屋の備品は完璧に準備されているけれと、それは宿泊客が一人もいない証拠。
ロボットたちの不具合も直せる者がおらず、壊れていくにまかせた状況。
そこへやってきたのは得体の知れない地球外生命体。
人間でなくとも、ご宿泊なさる方はお客様。
ヤチヨたちは、全力でおもてなしします。
それからまた50年。とある家族がホテルを訪れます。
人間の姿をしているけれども、地球外生命体なので、やはり習性がちがう。
彼らが起こす騒動が、やがてホテリエロボットのヤチヨに変化をもたらすのです…。
ヤチヨちゃんがエクストラミッションを達成すると新機能が加わるのだけれど、はたして有能になっているのか残念になっているのか分からないふざけた機能なのです(笑)
==
ヤチヨちゃんと呼びたくなる可愛いキャラクターたちの原案は、漫画家の竹本泉。
スタッフロボたちもカワイイので、見ているだけでニコニコしてしまう。
アニメーション制作はCygamesPictures。
エピソード毎に見どころのある申し分のない作画と、目に優しい色合い。
どこかで聞いたことがあるような無いような劇伴が静かに流れ、まるでラウンジのBGMのよう。
エピソード毎の地球外生命体やロボットたちにも実力派声優を配し、耳福。
Aikoが歌うオープニングテーマの曲調が全編の流れのように聞こえます。
未来の宇宙を舞台にしたSFアニメなのに、最終回が現実的なのがとても良く、ホテルを舞台にしたシチュエーションコメディとアポカリプス(終末)の寂寞感を味わえる佳作。
アマプラで一気見をおすすめします。
===
もう一本、Netflixオリジナルの韓国アニメ映画。
「あの星に君がいる」
近未来のソウル。
自分と同じ宇宙飛行士である母親の遺品を修理しようとソヨンは電気街を訪れます。
修理をきっかけに元ミュージシャンのジェイと言葉を交わすようになり、やがてデートするように。
韓国ドラマのような意地悪キャラはいないのですが、とうぜん紆余曲折はありまして、お互い自分の夢をかなえるべく離ればなれになるのです。
中高生の恋愛を描きがちな日本には無い雰囲気の映画。
男性主人公の顔がなんとなくわたせせいぞうのイラストを連想させます。
アニメーションの使い分けが上手で絵がきれいな大人のロマンス。
約1時間半で、流れるように夢を見せてくれます。
===
さてさて、ガンダムジークアクスがハッピーエンドで幕を閉じましたね。
良かった良かった。