<今月の質問>母からわずかの株を相続。気乗りしませんが、運用したほうがいいでしょうか。
<今月の質問>
母が死んで、わずかですが株を相続しました。
しかし、私は投資には全く興味がありません。
相続したものは、「投資信託」というもののようです。
(それを理解するにも時間がかかりました)
配当金を受け取らずに次の投資に回すことになっているようで、
それもあって実感がありません。
証券会社の営業の人から「もっと運用しましょう!」と
電話がしつこくかかってくるので、
「投資なんて、景気が悪い責任をうやむやにするために、
政府がやれやれ言ってるうさんくさいものにしか思えない。
暇になったらやるかもしれないから放っておいてくれ」
と答えてしまいました。
現金化するのに手数料がかかって、
そのうえ何割も税金でとられ、額も上下する、
流動的なよく分からないお金のまとまり、という印象です。
一応、証券会社のサイトには登録して、
見たいときには変動が分かるようになっているはずですが、一度も見ていません。
「プロに聞こう」でにゃまの先生が登場された回では、
カリーナ部長がNISAだったかIDECOだったかをやっていることが判明し、
「そんな人だとは思わなかった」と
こめさん(こめP)が裏切り者呼ばわりする一場面がありましたが(笑)、
そのときは自分は株とは全く関係がないと思っていたので、
先生の回答を全く覚えていません。
積極的に運用したほうがいいでしょうか。
それとも、完全放置でいいでしょうか。
運用するとしたら、こういうふうにすれば損が少ない、
とか、資産の何分の1までにしなさい、とか、
初心者はこうするといい、とかあったら教えてください。
質問者:プリ子さん
にゃまの先生 「運用ぎらいの人への運用アドバイス」、プリ子さんとても良い質問ありがとうございます。
私にも投資や運用の相談はありますが、関心のある方かすでに運用している人で「運用ぎらい」の方から相談されることはありません。だから運用ぎらいの人に運用の話をすることがないので本当に貴重な機会をありがとうございます。
<運用してもしなくてもいい。するなら自分仕様に>
結論からいうと「運用するのもしないのもどっちでもいいです。プリ子さんの気の済むようにして下さい。」
プリ子さんの資産状況やお仕事や家計がわからないので何とも言えないのですが、嫌いなことをイヤイヤするのは良くないので、心の安寧のために手数料と税金(売却益の約20%)を払って換金して好きな事に使うのもありだと思います。
ただ心の片隅に運用に対する関心がちょっとあるなら、どうせ相続なんて“棚ぼた”なのだからきっかけとして始めてみてもいいと思います。ただし自分仕様にする必要があります。
<リスクを取ってもリターンを得た方がいい人は、手堅い方法を>
以下は無駄になるかもしれませんが「もし運用するなら」の話しです。
さて運用のテクニカルなことを書くと長くなるので、この記事の最後に信頼する同業者を紹介します。興味にある方はその著作(最新版)を読んで始めて下さい。私はその前段の「運用する意味」みたいなマインドの話を私の経験を元にしようと思います。
まずFP相談された時の私の運用に対する姿勢ですが「消極的にお勧めする」立ち位置です。
運用はリスクがあるので、リスクを取る必要のない人つまり一生困らないほどの資産を持っている人には勧めませんし、運用するお金のない人も絶対にしないでほしいです。運用はあくまで余剰資金でやるものです。生活費でやると痛い目にあいます。
そして「預貯金以外は信用できない」「一円でも損するのはイヤ」「投資なんてばくちでしょ」「不労所得は良くないと思う」など運用ぎらいにも無理に勧めません。運用は人に勧められ納得しないのに無理してやるのもではありません。沼に落ちますよ。
ただ老後のお金の不安を相談されて余剰資産をお持ちで「少し運用すれば楽になるのに」という家計の人(リスクを取ってもリターンを得た方がいい方々)には、運用に対する姿勢を聞いた上で、私が手堅いと思うやり方(投資信託で長期、分散、低コスト運用)を勧めることもあります。
内容は私の書いた現代ビジネスの「老後に『毎月5万円』を稼ぐ簡単な『3つの方法』はあった…!」という記事の中に私の勧める運用方法が載っているので是非ご一読を!もちろん私は金融商品を売って仲介料を稼ぐビジネスもしていませんので、そのために勧める訳ではありませんよ。
専門家の中には荻原博子さんや亡くなった森永卓郎さんのように「投資は絶対ダメ」とい人もいれば、「投資をして安心の老後」という人もいて迷われると思いますが、私の意見も含めどの意見が自分にしっくりくるかで決めればいいと思います。
〈運用テクニカルのお勧め〉
お二人ともにFPで、私も勉強させていただきました。
●竹川美奈子さん NISA、イデコの専門家 昔から確定拠出年金に注目していた先駆者
●カン・チュンドさん インデックスファンドの良き解説者 運用の気持ちのあり方を説く。特に「眠れる投資」はすばらしい
★プリ子さん、質問ありがとうございます!にゃまの先生の回答がとてもとても充実しているため、複数回に分けて掲載することになりました。今回は、そのイントロダクション。次回は、にゃまの先生が実際に運用を始めた理由や現在の運用益について具体的に教えてもらいます。
さらに、さらにその次の回は、「裏切者!」と言われた(笑)カリーナと実は隠れた運用マスターだった(?)ゆみるさんも登場。ぜひ、気長かつ楽しみにお待ちくださーい。
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★講師 ファイナンシャルプランナー 長野 郁子さんI
現代ビジネスでは記事を連載中。どれも面白いです。
【PROFILE】
1956年 静岡県生まれ。会社員、自営業を経て化粧品通販会社で経理・総務を担当し、取締役をつとめる。2008年に退社しFP資格の勉強始め、2010年 CFP®認定者と1級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を取得。「お金塾.jp」を開設し、現在FPとして活動。ほぼ同時期に区立保育園の非常勤職員(保育補助)になり、2022年退職するまで11年間、0歳児と1歳児のお世話をした。今は区の子育て支援員(ファミリーサポート)をしている。また老後の楽しみとしてボードゲーム「オンリーワン同好会」の運営委員を夫婦してやっている。
著書に「老後の住まい:老後の自立は小さな家から」(Kindle版)がある。新刊出ました!年を取ったら狭い家: 66歳FPの老後住み替え体験記 (こちらから、記事の一部を読むことができます)新刊についてのカリーナの記事はこちらです。
★長野郁子さんに直接、相談したい方は、こちらから。匿名やニックネームでもOK。
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