今週の「どうする?Over40」

憧れの「びんとし」(敏捷な年寄り)は、やみくもな断捨離はしていない。

こんにちは、カリーナです。

「断捨離」ということばが流行語大賞に選ばれたのは、2010年なんだとか。「終活」ということばは、2009年の「週刊朝日」の連載記事から生まれ、2012年に流行語大賞トップ10入りして定着したのだそうです。

つまり、年とともに「できるだけ身軽に」「モノを減らして」「できれば死後、家族に迷惑がかからないように」「モノだけでなく、日常の家事や人間関係も整理」したほうがいいという考え方は、今からおよそ15年前に生まれたものだったのです。

わたしが、50代を迎えるかどうかのとき。

意識してなかったけど、どっぷりと「断捨離」「終活」カルチャーを全身に浴びながら、60代を迎えたことになるんですねえ。断捨離&終活世代といってもいいんじゃなかろうか。

そしていま、64歳。

最近でも「〇〇を減らしたら快適になった」「〇〇を手放したら楽になった」系の記事はしばしば目にします。

物が多すぎれば処分するほうがいいし、無理に無理を重ねて家事や仕事をしているならやめたほうがいいのは、言うまでもありません。そこにはまったく異論なし。

でも、時々、こうも思うようになりました。

減らして、減らして、手放した先に待つものは「何もしない」なのではないかと。

これだけ「いつまでも歩けるように」「ボケないように」「最後まで元気でいられるように」とみんな一生懸命になってるのに、そんなに手放していいのか。足腰の強さと記憶力だけは維持して!?そんなことできる!?

「これまでと同じ家事を!その家事で自分に負荷をかけて!」とか、「手放すな。手放すことは心の筋トレ放棄。ボケてもいいのかい?」なんて論法があってもいいのではなかろうか。

年をとって一人暮らしになったら、皿と茶碗が一組あればいい、とか。

いいんですよ。いいんです。その清々しさもわかります。「足るを知る」美学とでもいいましょうか。

でも、自分が年とともに思うのは、「あっという間に面倒くさくなる。そして、いったん面倒くさくなると、その面倒くささを乗り越えるのは、不可能に近いぐらい困難である」ということなんですよ。

極論すれば、家族10人分の食事を準備しつづけている人は、「面倒くささ」を日常的に克服している。毎日、家じゅうの拭き掃除をしている人は、「面倒くささ」を克服している。

いや、10人の家族はそれぞれ巣立ったり、亡くなったりするでしょうから、それだけの料理を作り続けることはできないし、その必要もまったくありませんが、こういう感じの「負荷」、案外大事なんじゃないでしょうか。

ここでも触れたことがあり、ポッドキャストでも「びんとし」(敏捷な年寄りの意味。最高の憧れ)の代表として感嘆した人形作家の粟辻早苗さん(93歳)の近況が、「天然生活」に載ってました。

そしたら、「(ひとりで暮らす今も)それぞれの料理に適した鍋を使えば、つくりやすく、器やクロスを工夫すれば簡単な料理も見映えがします」と答えておられて、かなりの数の鍋を持っておられるのだろうと察しました。(というか写真を拝見しても一目瞭然でした)

たくさんの道具を使いこなす、たくさんの人とやりとりする…など、この「たくさん」という「量をさばく」こともまた、肉体だけでなく精神的な筋肉の強さと柔らかさを要求します。

断捨離も終活も悪くないけれど、「あらゆる複雑さ、繁忙さ、量の多さのなかに身を置き、そこに秩序を与えることを日々、面倒がらずにやり続ける生き方もいい」、というか、それってすごい。「びんとし」の敏捷さの秘密は、これらの面倒さを面倒と思わない「筋トレ的生活」にあるのではないかと思ったのでした。

そうはいっても面倒だけどね。いろいろと。

粟辻さんの生活が紹介されていた「天然生活」と今月発売された粟辻さんの本です↓


Amazon


Amazon

今週もオバフォーはコツコツと更新します。時間のあるときに遊びに来てください。待ってまーす。

今週の「どうする?Over40」 記事一覧へ


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。また、コメントは承認制となっています。掲載まで少々お待ちください。


コレも読んでみて!おすすめ記事

今週の「どうする?Over40」

憧れの「びんとし」(敏捷な年寄り)は、やみくもな断捨離はしていない。

山あり谷あり再婚ライフ

人生にはタイミングがあると実感した日

出前チチカカ湖

第217回 リアルタイムだけが日常

60代、男はゆっくりご乱心

2026年の言葉の重み。またはAIとの協業。

四十路犬バカ日和

今更ながらシニアケア講習会に参加してみた

ミカスの今日の料理 昨日の料理

介護とは役所へ足を運ぶことと見つけたり: 文旦マーマレード

OIRAKUのアニメ

第138回 パリに咲くエトワール

黒ヤギ通信

同級生

カレー記念日 今週のおかわり!

3㎏と 5㎏増では 大違い

ゾロメ女の逆襲

【月刊★切実本屋】VOL.103  百年の‥といえば

かわいいちゃん

スラッジ(sludge:泥状の廃棄物) 

絵手紙オーライ!

立ち雛

昭和乙女研究所

雑誌編 『小学○年生』バレエ漫画

おしゃれ会議室 ねえ、どうしてる?

朗読はじめました

なんかすごい。

もうすぐ帰国

教えて!にゃまの先生

<今月の質問 回答(おまけ)>母からわずかの株を相続。運用したほうがいいでしょうか。

夫亡き日々を生きる

ゆみるからカリーナさんへ。2023年10月5日

じじょうくみこの崖のところで待ってます

<ドキコの乱/後編>カリフォルニアから娘が来た。そして帰った。

いろんな言葉

よもじ猫 解釈拡大のおしらせ

母を葬る

(18終)父を葬る(下)

いどばた。

凹むこと最近ありましたか?

ただいま閉活中

お守りが無くなったら

50代、男のメガネは

『レジェンド&バタフライ』で絶望の淵に立つ。

日々是LOVE古着

(終)これからも。これからは。

これ、買った!

くっつかないしゃもじをもう一度買った!

ワクワクしたら着てみよう

最近思うことをとりとめもなく書いてみた♡

わたしをライブに連れてって♪

コンサートwithコロナ

これ、入るかしら?

行き当たりばったりで失礼します

KEIKOのでこぼこな日常

巣ごもりしてたらこんな買い物を…

あの頃、アーカイブ

【エピソード37】最終回記念、私たちのクリスマス!

フォルモサで介護

私が負けるわけがない

お悩み相談!出前チチカカ湖

【File No.41】 私って多重人格!?

ラジオブースから愛をこめて

ノベルティグッズ

着まわせ!れこコレ

冬とウェディングと後れ毛と

このマンガがなんかすごい。

第15回(最終回):マンガよ永遠なれ!

夫婦というレッスン

津端英子さんの一筋縄でいかない個性と行動力がすごい著書「キラリと、おしゃれ」

ハレの日・ケの日・キモノの日

暑くじめじめな7月

眉毛に取り組む。

総集編!眉毛ケアグッズ&お手入れ用品のご紹介

さすらいの旅人ゆりの帰国&奮闘日記

グアテマラ。そこで見た不思議な光景と懐かしい味

新春企画 輝く!カレー記念日大賞2017

輝く!カレー記念日大賞2017

≪往復書簡≫SEX and the AGE 

「女性の健康を守り、5歳若くなる抗加齢医療」だって。ボーっとしてたら、すごいことになってるね。

最近、映画見た?

第12回 「海よりもまだ深く」

Over40からの専門学校 略して「オバ専」

【オバ専インタビュー】今まで知らなかった「責任感」も含めて、人生が大きく変わりました。

じじょうくみこのオバサマー

四十九歳の春だから。

華麗なるヅカトーク

第8回 型、色、数! 嫌なことがあったら、また観に来る!

サヴァランのやさぐれ中すday ♪

in her SHOES ~ おばばは何を考えて? #8

器屋さんのふだん器

ふだん器-38  飛びかんな

2016 みんなのこれ欲しい!

サヴァランの「これ、欲しい!」。

2015 みんなのこれ買った!

【じじょうくみこ】低反発リクライニングソファ、買った!

ブログの言葉

「別冊 どうする・・・」はこんなことを大事にします。(過去記事より転載)

今日のこていれ

「今日のこていれ」最終回。1年間のご愛読に感謝を込めて。

崖っぷちほどいい天気

崖っぷちより愛をこめて〜最終回はカピバラとともに。

アラフ ォー疑惑女子

「もったいないお化け」の世代間連鎖

とみちっちの単身ベトナム&中国

ベトナムって、ハノイって、どう?

晴れ、時々やさぐれ日記

ああ、感謝。巳年と午年のあいだ。

中島のおとぼけ七五調

中島。の気ままに更新「おとぼけ七五調」12

ムーチョの人生相談「ほぐしてハッケン!」

【主夫ムーチョの相談】娘がご飯を食べません・・・。

ミラノまんま見~や!

連載最終回!「駐妻のここだけの話」にしようかと思ったが…災難に遭う!

ウェブデザイナーとの対談

大きな旗は振れないけど、小旗はパタパタと振れるだけ振っていこうと思ってます。

「最高の離婚」ファントーク

<対談「最高の離婚」最終回>ホームから電車に乗ってしまってキスして・・・ロマンチックでしたね。

スパコレ

美味しい缶詰を教えて!

2014 新春企画

どうする?Over 40 新春企画「物欲俗欲福笑い」♪( メンバー編 )

フォルモサ(台湾)の女

あずみの台湾レポート「やっぱり紅が好き!フォルモサの女たち」(13)〜不景気顔卒業します

ゾロメ女の図書館小説

帰って来たゾロメ女の逆襲 場外乱闘編 連載図書館ゴロ合わせ小説  『ライ麦&博 完結編』 後編

青蓮の「マサラをちょいと」

青蓮の「マサラをちょいと~人生にもスパイスを効かせて~ VOL.12」

Tomi*さんの最適解

「Tomi*さんの最適解。 ・・・白髪とコムデギャルソンとヤフオクと」  マインド編②

YUKKEの「今日もラテンステップで♪」

YUKKEの今日もラテンステップで ~VOL.13