「言葉」をこれからの力に。Cometさんの新しい試みを紹介します。
こんにちは!カリーナです。
先日、コピーライターの仕事で某大学に取材に行ったとき、ある教授に「わかった。文字数教えて。僕が自分で書くから」と言われました。その分野では著名な方なので、これまでに著書もいくつもあり、文章を書くことにも慣れておられるのでしょう。どこの馬の骨ともわからぬコピーライター(わたし)が表面的に言葉を飾って書いたものは、我慢がならないということかもしれません。ほかの取材もあったので、どちらかといえばこれ幸い、ありがたい!負担が減る!という気持ちで「お手間かけてすみません。よろしくお願いします」と丁重にお礼を述べました。
この先生の気持ち、よくわかります。インタビューする人間には、「聞く力量」と「書く力量」のふたつが必要ですが、すべてのコピーライターにその力があるわけではないからです。コピーライターに限らないかな。記者とか、そういう職種の人だってそうかもしれません。あまり力量のない人に質問されて、文章としてまとめられたものは、実際の自分よりずっと「つまらなくて退屈なもの」になってしまいます。これ、わたしじゃない!ってなってゲンナリするんですよね。だったら自分で書いたほうがいいのです。
インタビューして、その記事を書く仕事は、目の前の人の人生を、その断片であれ「預かる」こと。どんな手の構えで預かり、どんなふうに自分の心のなかに持ち帰り、造形して、再び、手渡すのか。この一連の流れのなかには、自分も含めた「人生」に対しての洞察や探究心、そして何より敬意が必要なのです。不可欠といってもいい。
夫のリハビリにつきあうときも、似たようなことを考えていました。
理学療法士さんや作業療法士さん、言語聴覚士さんなどセラピストの方々の言葉や行動を見ていると、この人たちもまた「人生を預かる」仕事だと思ったのです。インタビューに比べると、もっとずっと預かり度合いが大きいですけどね。しかし、彼らのさりげない言葉のなかに「夫の人生を想像しようとしてくれているか」「そこに敬意はあるか」「この人自身、何かを面白がれているか」「この人の人生観は偏狭ではないか」などを常に探っていました。わたしの理想とするセラピストさんなら、インタビューもきっと上手だ。
米谷瑞恵さん(オバフォーでは、Cometさん)が、「コミュニケーションの困難に人に、これまでの生活について伺い、文章にまとめて渡す『聴き書き工房 おむすび』を始める」と聞いたとき、わたしは、「ああ、自然な流れだなあ!」と思いました。有名出版社で編集のキャリアを積み、女性誌を中心に1000人以上インタビューしてきたという米谷さん(プロフィールはこちら)に、わたしが公式にインタビューされたことはないけど(そりゃそうだ)、オバフォーで交わした言葉の数々から、「自分も含めた『人生』に対しての深い洞察力や好奇心、敬意」をもつ人だと確信していたからです。間違いなくインタビューの名手。
米谷さんが、40代後半からスタートした言語聴覚士としての日々においても、この「聞き手としての姿勢」は共通しているはずです。
リハビリを通して相手の人生に思いを馳せ、敬意をもってともに歩む。
失語症、認知症、神経難病などでコミュニケーションが困難になった方にとって『聴き書き工房 おむすび』(つまり米谷さん)に話すことは、きっと前向きな力(リハビリテーション)になると思います。間違いなく、家族にとっても。
詳しくは、ウェブサイトをご覧ください。東京都、神奈川県近郊が対象となりますが、6月末まで期間限定で無料です。よき聞き手であり、よき書き手である人との出会いには、必ず「発見」と「肯定」があると思います。
Cometさんご本人からのお知らせはこちら→自分の中の 上司の指令で 異動する
ウエブサイトはこちら↓↓↓↓↓
聴き書き工房 おむすび
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