「70歳からサ高住」…のイメージと違った作家・久田さんのサ高住暮らし。
こんにちは、カリーナです。
作家の久田恵さんは、70歳から栃木県那須の「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」に住んでいるそうです。昨年末には、おそらくご自身のことをベースにした小説「ここが終の住処かもね」も出しておられました。知らんかった。
70歳。わたし、いま、61歳だからあっという間ですよ。
記事によると、久田さんは、2010年にオープンした「ゆいま〜る那須」というところにお住まいなのですが、このサ高住、うちの近所にあるサ高住とはえらい違いだった!
「天然無垢の八溝杉を基調とした平屋建てが中心の戸建て風の住宅です。広い敷地に点在した住宅からは緑豊かな草木や広い空が見渡せ、多くの光と風を感じることができます」とのことで、ウエブサイトからその様子を見ることができます。
さらに初代ハウス長(いまは入居者であり食堂責任者)の方が、できる前のプロセスを語っておられるのだけど、なんとまあ話し合いを重ねて、丁寧に作られていることか。
久田さんは、「2020年にはホーム近くの2千平方㍍ある原っぱを年間1万円で借り、『原っぱプロジェクト』を立ち上げました。そこではガーデンハウスを作ったり、舞台を設置して野外人形劇を開催したり、入居者だけではなく、地域住民たちも巻き込んで精力的に活動しています」と語っておられ、検索したらご本人のブログが見つかり、その野外人形劇のレポートもありました。精力的にもほどがあるぞ。
さらに
「東京で暮らしていたときと違って入居者も地域住民も高齢者ばかりなので、自分が高齢者だという意識がなくなるんです。(中略)若い人がいると『年寄りがはしゃいだらはしたない』と自制してしまうけれど、その必要がないんです。ボーヴォワール(フランスの哲学者)の『人は女に生まれるのではない、女になるのだ』という有名な言葉のように、人は高齢者としての役割を求められることで高齢者になるということを実感しています。ここにいると、みんな元気になりますよ」
ま、まじか。
人は高齢者としての役割を求められることで高齢者になるのか。そんな気もするし、しない気もする。
いろいろ調べてみると、那須には、「那須まちづくり広場」というプロジェクトもあり、廃校となった小学校を再生して市場、カフェ、アート教室などへ。昨年には、サ高住「ひろばの家」やナースと暮らすシェアハウス「みとりえ那須」(看取りから来ているのだろうか)などもオープンしていました。どれもいい感じ。(YouTubeでみとりえ那須の看護師・佐久間洋子さんのお話まで聞いてしまった)「那須まちづくり広場」はこちら。「みとりえ那須」にもリンクしています)
みなさん、いい顔している。
オバフォーのミカスさん・月亭つまみさんと毎週配信しているポッドキャスト番組「That’s Dance」でしばしばみんなで年をとってから暮らすビレッジ「旅立ち」なんかいいねえ。建てたいねえ。キッザニアみたいに「これまでやって見たかった仕事」ができるテーマパークもあって、劇場もあって。劇場には百恵ちゃんが「そういうことなら」と歌いに来てくれて…なんて熱く妄想を語っていましたが、
こんなにいい感じのところができていたのだ。栃木に。(百恵ちゃんが来る劇場はないけど)
●経済的にゆとりがある。
●車の運転ができる
●決断力と行動力とコミュ力がある
この3つかなあ。久田さんのような「老いを先取りして、先取りした分、早くその環境になじんで人生をアクティブに楽しむ」ために必要なのは。
長々書いてきたけど、わたしには難しい気しかせん。でも、「雰囲気のいい場所がある」と知るだけで希望が生まれる気もする。
そういうわけで今日は敬老の日。お休みですが、オバフォーは更新しています。時間のあるときに遊びにきてくださいね。待ってます。
こちらが久田さんの本。
70sai
Amazon
やなこ
久田恵さんについてのカリーナさんの記事を読んで、私はずっと久田さんのファンですと言いたくなってコメントします。
30年前位から久田恵さんのエッセイをずっと追いかけて読んできました。
いつも課題満載のまだ光が全く見えていない日常を書いたエッセイに共感。特に息子さんの幼児期から高校不登校、中退までの頃のエッセイと斎藤学との共著「子別れレッスン」は一緒にカウンセリングを受けているようでした。
その息子さんはその後「稲泉連」として大宅壮一ノンフィクション賞を受けました。
彼の「僕の高校中退マニュアル」「仕事漂流」は大人は読んだ方がいいです。学校に行けない当事者の若者の言葉です。
15年前位ですが東京の練馬の御自宅で「アリスのお茶会」にだれでも参加でき、行ってきました。誰かが声をかけて簡単なお茶会を企画すれば面白い出会いができて人生が広がる楽しい1日でした。
「テーマなし、来たい人がくる、お茶とお菓子、参加費千円、」常連さんは漬物など持ってきていました。久田恵さんは思いついたら行動する危なっかしいところがありますが何とかなるもんですね。
カリーナ Post author
やなこさん
久田さんについて私の知らないことを丁寧に、
そしてずっと好きだった方のことを語る説得力のある熱量で
教えてくださってありがとうございます。
そのような人生の歩みがあるからこそ、
今の選択があるのですね。
お茶会!なんて素敵なんだろう。
参加条件を読んでも、本当にオープンマインドな方だということが伝わります。
教えていただいた本、私も読んでみます。
ありがとうございました!