FP・にゃまの先生(長野郁子さん)の著書が出ました。これが、滅法おもしろい!
こんにちは、カリーナです。
前回、「ファイナンシャルプランナーのにゃまのさんに、お金の疑問や悩みを相談する連載がスタートします」とお知らせしましたが、そのにゃまのさんの著書が電子書籍として発売されました。
もう、表紙からして読みたくなる要素満載じゃないでしょうか。「狭い家」はもちろん「老後住み替え体験記」「マンション(なのに)自由設計」「トイレは2つ(ふ、ふたつ?狭い家なのに、2つも?)」「家計にやさしい&のんき(←理想的!)」。
これから連載にご登場いただくため、お世辞に響きそうなのがむしろ残念。オバフォーの連載を本の出版に合わせたわけでも、なんでもなく、まったくもって偶然。そしてお世辞抜きに、昨今、読んだ実用書のなかで群を抜いて面白かったです!
住み替えを提案したり、アドバイスする本や雑誌はそれなりにありますが、その多くが、できるだけ多くの人にあてはまるように書かれているため、どこかぼんやりとしています。「一般化」しようとするあまり、読者が「自分自身」に引き寄せにくいのです。だから、読んでは見るもののどこか他人事で終わってしまう。
でも、この本は違います。
たとえば、「ひとりじゃなければトイレは2つ」もそう。「トイレは2つ。ひとつは寝室の隣」にこだわって実現した理由を、老化にともなう頻尿や夜間トイレの転倒防止だけでなく、
一週間に一度でもトイレが重なり、それが10年も20年も続くストレスを考えると、小さなマンションだって絶対2つは欲しい。
一見、さりげない文章だけど、わたしは、膝を打ちましたよ。
そうか、そうだよ。みんな、こういうストレス体験してるよ。夫婦がともに年をとっていくと、お互いがトイレに頻繁に通ったり、ちょっと脱ぎ着にモタモタしたりする……。しかも同じ時間に食事するから同じ時間帯に行きたくなったりするし、長時間一緒にいるからトイレに行く回数も二人合わせると多い。そのたびにストレスを感じているのに「トイレは1フロアに一つ」と思い込んでいていいのか!?いやあ、我慢していることにも気づかずに過ごしてしまうんですよねえ。にゃまのさんは、見逃さない。問題点としてピックアップしておく。
さらに「本気で段差をなくす」のが、いかに大変か。「車椅子で自由に動ける家」も一歩玄関の外へ出ると数段の階段があったり、スロープがあっても車椅子を押してもらうことが前提だったり……。実際ににゃまのさんも新しい家のスロープが「押してもらうこと前提」だったのを、一人で行き来できる勾配に直してもらっています。
また外断熱を採用した新しい住まい(コーポラティブハウス)の外気温との差を夏・冬ともに計ってグラフで示してくれたり、どんな間取りにしたのかを図面と各部屋の写真で見せてくれたり、お友だちの住み替えた間取りまで紹介してくれたり…、とにかく、すみずみまで「自分の体験を、正確にあますことなく伝えるぞ!」という責任感と使命感とサービス精神があふれているのですよ。しかも、何となくユーモアも感じられて面白い。
住み替えを決意して、自由設計できるコーポラティブハウスに決め、元々住んでいた家を売り、仮住まいを探して住み、実際に引っ越すまでの道のりは決して平たんではありません。むしろ、大変!だからこそ、長野さんの「住み替えるなら、65歳から70歳ぐらいまでに」が説得力をもつのだけど、「全員が、そうすべき」とは書かれていません。
最後の言葉もシャレてます。(もう住み替えはしないだろうけど)「必要なら家を捨てて猫をつれてスタコラ逃げる準備だけはしておこう。ただ、これからのことは分からないので、その時に決断するとして、今はのんきにこの家で暮らすことにする」
いま、巷には、「あの時、この決断をしたから、今はこんなに幸せ!」という安易な解決型体験談や素敵シニアライフを披露する読みものがあふれています。この本には、それらとは違う正直さとリアリティと、ファイナンシャルプランナーらしさなのか、にゃまのさんの性格なのか、使命感と数字に根差した分析力とがある。だから、一つひとつの決断が自分のことのように迫ってきます。
「個人的なことは社会的(政治的)なこと」という長野さんが若いときに学んだという哲学が凝縮していると思いました。ぜひ、お読みください。(電子書籍のため、KINDLEのダウンロートが必要です)。来週月曜から始める「教えて!にゃまの先生」への質問もお待ちしています。こちらからどうぞ!
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そーしーてーー!今日は、ポッドキャスト「That’s Dance」の200回記念の回となりました!
勝手ながら200回を記念して、聞いてくださっている方々のメッセージを引き続き、募集しています。テーマは、「私とThat’s Dance!」。ザツダンを聴き始めたきっかけは?どこで、どんな時に、何をしながらザツダンを聴いている?印象に残っている回、話、言葉は?……など、どんなことでも構いません。ポッドキャスト内で紹介させていただきますので、こちらより投稿ください。お待ちしていまーす!
にゃまの
こんなすばらしい紹介をしていただき、どうしてもカリーナさんに御礼が言いたくて、ノコノコ出て来てすいません。
過分の紹介と素敵なレビュー、本当にありがとうございます。
実はひとつだけお知らせがあります。3月18日からこの本のダイジェストが、不定期で「現代ビジネス」に連載になります。たぶんヤフーニュースなどにも転載されると思います。簡単に読めるのでどうぞ!