四十路独女じじょうくみこの「崖っぷちほどいい天気」〜女子とヨウコと、時々、トクナガ。
この頃わたくし大変乱れておるのです。
何がって、生活が。会社をやめて1月半になりますが、3年間せっせと同じサイクルの生活を続けていたもので、それがなくなった途端に毎日がグチャグチャになりました。「会社がいるから、やりたいこともできない」なんて愚痴っていましたが、なーに甘えたこと言ってんだよこのバカチンが僕は腐ったミカンじゃないよって感じですね。いっこうにペースが定まらず、毎日バタバタアワアワ乱れております。
関係ないけど「ダイヤが乱れています」ってなんかヤラしいですね、じじょうくみこです。
さて、何が乱れたって先月の台風27号のせいで仕事があれこれ乱れてしまい、今週来週と出張から帰った翌朝からまた出張という、まさかのハシゴ出張。本当は会社の珍獣メンズのことでも書きたいのですが、やつらの話をすると長くなるのでまた後日。今回は、職場で気になるファッションについてお話したいと思います。
私が派遣されていたのは、男子より圧倒的に女子が多い会社でありました。しかも若い女子。こんなに大量のOLさんを見たことがなかったので、通い始めた頃は毎日ドギマギしておりました。聞くところによると、みなさんなかなかよい大学を出ておられるそうな。仕事もバリバリできて、しかもカワイイ。そして、こぎれい。無敵。無敵すぎます。
そんなに無敵なのに、なんでみんな同じようなファッションなのかと不思議でなりません。そろいもそろってゆるふわ愛され系。シフォンのブラウスとか、フレアのマイクロミニキュロットとか。この夏はみんなプロデューサー巻きかモモンガカーディガンだったし、その前はネオンカラーでした。雑誌なんか見なくても職場にいれば流行がわかるよってくらい、みーんな同じ格好。
「そんなに愛して愛して言わなくったって、キミかわうぃ〜よ〜」と声をかけてあげたくなるのですが、なんでも「高学歴でバリバリ働いちゃう女子はモテないからって、みんな必死らしい」と別の部署のハケンさんが言ってました。ほう、そうなんですか。確かにみなさん本当によく働くし、管理職も女性が多いです。いっぱい働いて、いっぱい稼いで、さらにキレイキレイにしてなきゃいけないって、女子大変すぎ。
そんなキラキラ女子の中でひとり、異彩を放っている女性がおりました。
珍獣パラダイスから少し離れたところにある部署の課長さんです。おそらく30代前半くらいかと思うのですが、細身なカラダに小さな顔、アーモンド形の大きな目に、ぽってりやわらかそうな唇。シンプルだけど仕立てのいい黒のワンピースやノースリーブのブラウスを着て、肩にかけたカーディガンを時々たくし上げながら、いつもショートボブの黒髪をたらして憂いがちに書類に目を通しています。
「ほうっ」と思わずため息をついてしまうほど美しい。その人はなんともはや、真木よう子そっくりなのです。
あの顔で、このスタイルで、この低い声で、囁かれることを想像してみてください。
「意味、わからないわ」
ですよねですよね、この企画やめましょうハイやめましょう
「ちょっと、カオスよね」
ですよねですよね、字読めないですよね汚いですもんね書き直します
とまあそんな感じで毎回飲まれて終わる始末。だって、いちいち美女オーラがハンパないんだよ、よう子。美しくて仕事できるってマジすごいわ無敵だわ、よう子!
芸能人つながりで、もうひとり。今度は男性です。
その人はマックなどコンピューターの管理をしている、たぶんアラサー男子と思われます。ハケンなのか契約なのかわからないのですが、他の男子がスーツ姿なのに、その人だけ常にカジュアルスタイル。ざっくりした膝丈はあろうかというロングシャツに細身のジーンズとか、ボヘミアンな刺繍が入ったシャツとか、きれいめカラーのボーダーシャツとか、細身なおしゃれ男子じゃないと似合わないファッションなのです。
この男が、なんというかこう、とにかく目立つのです。そうですね、たとえて言えば
徳永英明を100回洗濯したような感じ?
どーも。いつまでたっても素敵ボイスの徳永で〜す
ひそかに社内で トクナガ・ワンハンドレッド と呼ばれている彼ですが、なにしろ細い。肉あるんですかってくらい、ほっそほそです。いつも若干カラダが斜めになっている、後ろ体重男子です。そして「ぬばたまの」と枕詞をつけたくな るくらい、常に髪がぺったりしっとり濡れています。時々黒光ってもいます。
業務上よくお世話になっているのですが、わからないことがあってメールしたりすると、「じじょうさーん」と 速攻で走ってきてくれます。走り方がちょっとクネクネしています。そしてものすごく丁寧に説明してくれるのですが、なにしろ本家ばかりのウィスパーボイスなので、時々何言ってるのかわからなくなります。わからないけど声がいいのでついつい聞きほれてしまい、とんちんかんな質問をしてワンハンドレッドを戸惑わせ、お互い会話がかみあわないまま最後は「うふふふふ」と笑って終わる、という大人っぽい決着をします。
会社って楽しいですね。
本物の徳永です。やだ髪型がワンハンドレッド化してる!
By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「崖っぷちほどいい天気」は毎週土曜日更新です。
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koto
いつも楽しく拝見しています。
「100回くらい洗濯した徳永」で大爆笑してしまいました。
会社勤めを辞めてしまってから早十数年ですが、
じじょうさんのように他のメンバーを深~く観察すれば
会社勤めをもっと楽しめたかも、と今更後悔です。
さくら
むかしむかし、はるかむかし。
じじょうさんのウォッチングを読んでいたら
会社に勤めていたころの、あの人、この人思い出しました。
それなりに楽しかったなあ。
まだ短縮ダイアルが珍しいころ。
課長の電話の短縮1はどこが登録されているのか
みんなで見たら、「さぬき産業」になっている。
これって、会社の隣の、「さぬきうどんや」じゃん。と大笑いでいた。
給料は、まだ現金支給。
ボーナスの日、主任の奥さんが、外で待っていて
退社時間に即刻、連れ帰っていました。
前回の支給日に飲み歩いて、抱き着きスリの被害にあったと
いうことです。
トクナガ・ワンハンドレッドとは
座布団、一枚。
okosama
すみません…会社の話と全然関係ないんですけど…。会ってみたい、よう子さんとトクナガ・ワンハンドレッド。そして言ってほしい「ダイヤが乱れています」(笑)
アメちゃん
おはようございます。
ある60代の女性のブログで
「ここ数年で軽くなってしまったものの一つに、女子アナの服装」
と指摘してあったのですが
最近のOLさんの服装も軽いですよね。
フレアのマイクロミニキュロットなんて、会社に履いていく服じゃないだろー!
と思うんですけど、履いてますね。ビックリします。
(それで「会社の冷房が寒いんですぅ」って電気毛布の膝掛けを使ってたりするので
さらにビックリ。)
ちなみに。
大阪在住の私は「純一巻き」って呼ぶんだと思ってたのですが(石田純一由来で)
全国的に「プロデューサー巻き」って呼ぶんですね。
じじょうくみ子 Post author
>>kotoさま
はじめまして♪コメントいただき嬉しいです(*^_^*)
トクナガ、いい感じに落ち着いた洗濯具合なのですよ(すいません、性格悪いな私)
会社って渦中にいる時はなかなか楽しめないですよねー。
私も友達に会社の人のことを話すようになって初めて
「あ、会社ってこうやって楽しめばいいんだ」とわかりました。
ここにたどり付くのに20年かかったという(おそっ 笑)
じじょうくみ子 Post author
>>さくらさま
いやあー、主任いい味出してますね。「さぬき主任」と呼んでしまいそうです。
そういえば、昔いた会社にもこういう味のあるオジサンがいたなあと今思い出しました。
ボードに「第2会議室」とよく書いてあって、どこだろと思ったら近所の喫茶店だったとか。
夜な夜な他のオジサン社員と「中国文化研究会」を開催してたりとか。
そのオジサン(部長でしたが)、名前を名乗る時に
「もーとーむーらー」とそこだけゆっくり話すんですよね。
「いつもお世話になっております本日2時にお約束の、もーとーむーらー、と申します」
いやモトムラって聞き間違わないし、といつも思ってました。
じじょうくみ子 Post author
>>okosamaさま
いらっしゃいませ♪いつもコメントありがとうございます〜m(_ _)m
よう子が低くけだるい声で「ダイヤ、乱れてます」
ワンハンドレッドが清らかに囁くように「ダイヤ、乱れてます」
やん、想像しただけでゾクゾクしちゃったわ(笑)
そんなセリフを言うシチュエーションないかなと必死に考えてみましたが
一緒に外出した時に台風でも来ないとダメですね。
いやそもそも一緒に出かけることがないですけどね。
じじょうくみ子 Post author
>>アメちゃんさま
はじめまして、コメントありがとうございますっ♪(^^)/
そもそもプロデューサー巻きも正式名称なのかよく知らないんですが(汗)
純一巻きのほうが言いやすいし、楽しそうですよね。
女子の服装は、ホントに露出多いですね。
以前はそれでも風紀が乱れるとか口うるさく言われていましたが、
震災後はそれも落ち着いて、露出多めでもあんまり言われなくなった気がします。