四十路独女じじょうくみこの「崖っぷちほどいい天気」〜女友だちが面白い時代になってきたから、新宿鮫。
いやはや年末ですね。年末って疲れますね。今年のうちにやっとかなきゃいけないあれこれを、考えるだけでゲンナリします。そこに低気圧が来ちゃったりすると、何にもしてないのになーんか疲れてけだるくなって、気づくと
「ヘアジャム、ヘアジャムじゃない、ヘアジャムじゃない…」
とついつい唱えてしまう、マンダムくみこです。
だるーい感じで「ヘアジャムじゃない」って言うとなんか落ち着きますのー。
松田翔太のギャッツビーCM、大好きです。思えば「あまちゃん」のミズタクといい、今年は松田兄弟にずいぶんと楽しませてもらいました。サンキュウ、優作。
ところでヘアジャムもいいけど、女子会もいいよねっ!
ヘアジャムじゃない、ヘアジョムじゃない、ジョムじゃない、じょじない、女子会……
…………
………………。
もーーーしわけございません!!!
というわけで、今回は女子会のお話です(もう無理やり)
酒も酒宴も大好きですが、仕事がらみの飲み会はめっきり行かなくなりました。にぎやかさを楽しんだ20代、世界を広げたがった30代を経て、ある日突然「やーめた」と思っちゃった。突然花粉症を発症するみたいに、私の中の「社交キャパ」が飽和量に達した感じというのでしょうか。いろんな人といろんな場所で語らうのもいいけれど、これからは好きな人と好きなお店でゆっくり過ごしたい、そう思うようになりました。(まあカラダがついてこなくなったという話もある)
そんなこんなで最近、女子会が増えております。「“女子”はないっしょ」と友人の娘からツッコまれたので、正しくは「婦人会」でございます。やれ暑気払いだ、寒いから鍋会だ、誰それの誕生日だ、何もないけど打ち上げだと、何かと口実を作っては集まるようになりました。
「女の友情はもろい」とよく言われます。確かにそういうところ、あるかもしれません。彼氏ができれば縁遠くなり、結婚したらしたで外出しづらくなり、子供ができれば育児や家事に追われ、働いたら働いたで仕事に忙殺される。ちょっとした風向きひとつで、女同士はぷっつりと会わなくなる。少なくとも私のまわりはそうでした。
特に30代半ばからの10年は、人生で一番女友だちと疎遠だった時期じゃないかなと思います。結婚した人は環境が劇的に変わり、働く人は責任がどんどん増えていく。私の場合、一番うまくいかなくなったのが「既婚で子持ち」の友だちでした。結婚したての頃はまだよかったけど、次第にダンナや姑関係の話題が増えていき、そのうち子どもの教育問題が加わって、一方的に愚痴をまくしたてられて「アンタの愚痴を聞くためにここに来たんじゃないよ。私の話は聞こうと思わないわけ?」とブチきれたことが何度もありました。
毎年せっせと子供の写真だけを年賀状に載せてくる子に「私が知りたいのはアンタの今であって、アンタの子供じゃないんだけど?」なんてケンカになったり。「バリバリ働いて、自活しているあなたがうらやましい」などと言われて「うらやましいのはこっちだよ、子供もダンナも家もあるのにまだ欲しいの?」と心かき乱されたり。仕事のことしか話すことのない自分に、勝手におちこんだり。わかるんだよ、気持ち、お互いわかってると思うんです。それでも、それをヨシとできない時期が確かにあったんです。なんだったんだろうなあ、ヒリヒリしていたなあ、あの頃みんな。
そうこうするうちに自分にも新しい交友関係ができ、どんどん女友だちとは音信不通になっていきました。楽しいこともしんどいこともありながら、日々は慌ただしく過ぎていきましたが、心のどこかで「ああ、このまま縁が切れちゃうのかなあ、女友だちってやっぱりもろいのか…」なんてションボリしていたのでした。
ところが四十路に突入した頃からでしょうか、にわかに女友だちとの関係が復活するようになったのです。
子供が手を離れて自由な時間ができたとか、家庭が落ち着いて外出しやすくなったとか、理由はたぶん人それぞれだと思いますが、5年10年、なかには20年!ぶりに関係が復活する人が続々と出てきたのです。しかも、久しぶりに会った女友だちは、なんだかずいぶん面白い人になっておりました。
おひとりさまの「さみしがり」をこじらせすぎて、ひとり居酒屋→ひとり焼き肉→ひとりカラオケ→ひとり旅→ひとり突撃田舎に泊まろうなどと、もはやどこに向かっているかわからないほど迷走する女。
人もうらやむセレブマダムだったはずが、「人の裏の顔が見えないとなんか落ち着かない〜」と福祉事務所で働き出し、生活保護をどうにかせしめようとするドス黒い人々と丁々発止のやりとりを続けるダークサイドな女。
昔は何をするにもダンナと一緒だったのに、ある日突然切手に目覚め、ダンナを置いてガシガシ出歩いては「老若男女に友だちができちゃうのお〜ん♪」とはしゃぐ趣味開眼女。
「もう子ども作らないでいいと思ったら、性別関係ないかなーと思ってえ〜」とゴリゴリのゲイとつきあい始め、新宿二丁目に通いすぎて自分までオネエっぽくなってきたジェンダー越え女。
まあこれは極端な例ですけども、会わない間にいろんな経験をして、カラダも心もちょっとくたびれて、若かりし頃の焦りや嫉妬も色あせて、うまくいったこともそうでないことも含めて互いの悲喜こもごもを愛でられるお年頃になったのかな、と思います。年取ってションボリすることも多いけど、こと女友だちに関しては中年からのほうがだんぜん面白い気がするなあ。オバチャンたちがいつも楽しそうなのは、こういうカラクリだったのか。
というわけで、先日も女友だち数名と忘年会をしてきました。メンバーの大半が東京の西側に住んでいることから「ウエストサイド婦人会」と称しておりますが、今回は最近はやりのワインバルで、爽やかイケメン店員さんにワインをつがれてゴキゲンに乾杯。
「ところで、みんな結構きてる? もうアガった?」
「私まだー。イキそうでイケないの」
「私はそろそろイッちゃいそう」
「私はシモよりびっちょり派だなあ。会議中とか汗びちょじゃない?」
「ヤダ、アンタ会社でびちゃびちゃになっちゃうの?」
って一体何の話題よって感じですけどね、イケメンも軽く失笑してましたねすいません
10年前はこのメンバーでこんなぶっちゃけトークができるなんて夢にも思わなかったですよ。年も取ってみるもんだ。
でもそろそろ五十路も見えてきたことだし、今後は茶会や句会や薪能など、もちっと成熟した大人っぽい宴も催してまいりたいとも思いますが、とりあえずウエストサイド婦人会はメンバーの新宿転居を機に、来年からは
新宿鮫会
に生まれ変わる予定です。
不夜城で暴れてしまいそうで、来年が心配です。
By じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「崖っぷちほどいい天気」は毎週土曜日更新です。
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爽子
あー、楽しそう。新宿鮫会
きゃらめる
バラエティ豊かな顔ぶれのお友だち。これからの人生の辞書から、退屈という言葉は抜け落ちるかもしれませんね。
爽子
なんと!一行目しか反映されてない。がっくし。
じじょうくみこ Post author
>>爽子さま
いらっしゃいませー(^∇^)
ってコメント反映されてませんでした??
あらーそれショックですね(~_~;)
よろしければ再度トライしていただけるとうれしゅうございますーm(_ _)m
じじょうくみこ Post author
>>きゃらめるさま
こんにちわーコメントありがとうございます♪
いやほんとにね、こんなに面白い女たちになっているとは思いませんでしたが、特に、子供を産んで育て上げてからまた遊び始めた「再度デビュー女」はもう誰も止められませんよ!
爽子
くみこさま、お顔がコメント欄に出るようになったんですね。^_^嬉しいです。
最近のことは、何につけてもすっかり覚えておけなくなりました。
コメント、どんなこと書いてたんでしたっけ。
再度デビュー女、というと、私たちのようなポジションの女ということになるんでしょうか、たしかに猛者ぞろいです。笑
わたくしは、子沢山ですので、子供繋がりでいろいろな方と知り合いになることがあるんですが、体育会系のチーム繋がりの面白さは、ダントツです。
毎回、笑い死にしそうになりながら、頭の端で、吉本や松竹の舞台に誰もがすぐ立てるのではないか、これ絶対お金とれるわ!と思ってしまうのです。
そのメンバーで旅行したのですが、一人急に行けなくなって、私の友人が飛び入りしたんです。
彼女は、私の顔を見るたびに、「一生の中で、一番笑った五日間やった。」と言います。まだ死んでないのに。
じじょうくみこ Post author
>>爽子さま
再コメありがとうございます〜(^∇^)
みんなアイコンが出るようになったんですよ、他の方ものぞいてみてくださいませ♪
ちなみに私のは「ワクワクしたら着てみよう」の中島慶子さまが、同一人物とは思えないほど美人に仕上げてくださいました!役得ー。
再デビュー組、さすが勢いありますねー(笑)
聞いているだけで楽しそう♪
笑い死にする旅、私も行きたいですー。