弱いのと弱いのと弱いの
と、いうわけで、強いのから「頑張ってきな!」と背中を押されて、弱いのはいざ戦いに赴いたのであった。
しかしまあ、弱いのはどう頑張ったって、弱いのだ。弱いからこそ、いままであんまり強い奴と正面衝突しないように頑張ってきたのだ。だから、いくら「頑張ってきな!」と言われても、そう簡単に「よし!こいっ!」とはいかない。
作戦としては、まずは緻密にロジカルに。そうやって、アホアホにつけ込まれないように頑張るのである。そんでもって、さらに「お願いだからやってよ〜」と泣きつかれないように、なるべくビジネスライクに事を運ぶ。まかり間違って、情にほだされるような事がないようにこちらも決して情にうったえかけたりはしないのである。
では、今回の一勝負はうまく収まったのかどうか。収まったのである。しかし、決してわかり合えたわけではない。わかり合えたかどうかで言うと、まったくわかり合えてはいない。どちらかというと、わかり合える片鱗すら見つからない。しかし、収まった。なぜか。
答えは簡単なのである。こちらも人として弱いというところに加えて、相手も弱々だったのである。弱々故に、ごねて僕を引っ張り出したというのに、行ってみるとちょっと及び腰だし、目も合わせたりしないのである。
つまり、相手も弱い奴だったのだ。弱いからこそ情に訴えて、弱いからこそこっちが抗おうとすると、子どものように「なんでだよ〜」と暴れるのだった。
ということで、わかり合えてもいないのに、こちらが理路整然と説得にかかると、目も合わせずに「ごめんなさい」と言い、今回の件は収まったのである。ようするに、わかっちゃいないけど、なんか強気で怒られそうだから、相手に合わせておこう、という魂胆なのだ。
ということで、今回のいざ戦わん!は、弱いのと弱いのと弱いのが三つ巴で、「誰が一番弱いのかっ!」と叫びあっていた、という状況なのだった。
だから、収まってもすっきりしない。う〜ん、すっきりしない。すっきりしないけれど、これをスッキリさせようとすると、また情に訴えかけていると思われる可能性がある。それだけはいやだ。だから、スッキリさせることは諦めた。なにしろ、今回の一件で僕は大人になったのだ。大人はそういうことをスルーできる奴のことを言うのだ。
まあ、この件で大人になったというのは冗談だけれど、こういうことをくり返して大人になってきたんだなあと思う。見たくもない奴を見て、なんだか知らないうちに、小さな小石を飲み込むような苦しい思いをしながら、大人になってきたんだなあと思う。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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okosama
uematsuさん、こんにちは
気になってたんですよー。
町内会の会長あたりに決まったのに、自分は嫌や、同じく三役あたりに決まったuematsuさんは家に居はるしどうやろ?とか言われはって、それは違うでしょと諭してきた、みたいな?
人生の重大局面といえば、これしかない⁈ 笑
uematsu Post author
okosamaさん
どちらかというと、
「uematsuさん、あんたは会長の器や。ぜひ、頑張ってくれ」
「いやもう、僕時間が無くて無理なんです」
「いや、無理なはずはない。なんなら、ご褒美におやつあげるから、がんばってくれ」
「ごほうびって、粟おこしいりませんわ」
「粟おこしきらいな人はおらんのや。たのむ、やってくれ」
というかんじでしょうか。
okosama
お仕事の重大局面でしたか!失礼しました。
年度末、ややお気楽な自分周辺の重大局面といえば、町内会だったもので。
お願いとお断りは気力が要りますね。
uematsu Post author
okosamaさん
そうなんですよねえ。
こちらの能力を買ってくれるのはいいんですが、見合った時間と予算がないのに、
ごり押しみたいになると、結局いいものができないので、断るしかないですね。
中途半端に受けることになってしまうと、最終的に誰のためにもならないですから。
今回は、中途半端に情で仕事をしてしまい、逆に失敗しました(泣)