お尻を触るのはいいけれど。
いや、いいんですよ。女性のお尻をなで回すのは。だって、自分の奥さんなんだから。もちろん、見知らぬ人がたくさんいるスターバックスの店内で、そんなことしてもいいの?という疑問はある。けれども、公衆の面前で、自分の奥さんのお尻を触ったら捕まる、という法律はないのだ。
というわけで、いま僕の目の前でたぶん三十代前半くらいの浅黒い顔色をしたラッパー風の男が、自分の奥さんらしい女性のお尻をなで回しながら、フラペチーノを飲んでいる。
正直、お尻を触っても良いのだ。そりゃ勝手だ。アホだけれども。アホアホだけれども。だけど、問題はこのアホアホの前を走り回っている2人の子どもだ。彼らの子どもとおぼしき小学校低学年の女児が2人、スタバのせまい店内を走り回っている。この2人がなかなかにアホアホである。まあ、この親にしてこの子ありということだろう。アホアホがアホアホを産んだのであろう。
尻をなで回すような夫婦だから、子どもがアホアホになったのか。いや、そうだろうな。決めつけは良くないと思うよ。思うけれど、きっとそうだ。と思っているとアホアホの娘の姉の方が突如、自分の親にこう言ったのである。
「パパがずっとママのお尻触ってる。エッチだ」
すると、そう言われたパパがこう言い放った。
「自分の女のケツ触って、なにがあかんねん。しばくぞ」
パパはそうすごんだのである。
そして、腕のタトゥーを娘に見せてガッツポーズ。
「かっこいい」
と娘が叫ぶと、奥様も妹様も「かっこいい」と声を揃える。
さあ、どうするよ、みなさま。日本は確かに平和だ。けれど、この平和、かなり危ういぞ。なによりも、子どもがどんどんアホになる。電車の中でゲームをピコピコしている子どもを叱るはずの親の世代も同じようにピコピコしている。いや、子どもよりも親の方がピコピコしていたりする。
しかし、こんな輩のような親を押しのけて、子どもに「走り回るな!」と叱りつけるのはさすがに気が引ける。タトゥーの入ったパパから殴られるかもしれない。さあ、どうしたらいい。
答えは簡単だ。大人から、スマホゲームをやめるしかない。そして、大人から本を読み、大人からカフェで動画を見るのをやめて、大人から丁寧な言葉を使い、大人から背筋を伸ばすしかない。
諦めずに、丁寧に生きるしかない。後は、タトゥーを入れた輩のようなパパがトイレに行っている隙に、「ここは走り回るところじゃないよ」と女の子に声をかけることだ。
今のところ、このくらいしか思いつかない。
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
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クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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