同年代の馬鹿
若い奴らは、と言えるならいいのだけれど、若い奴らよりも年配者の劣化のほうが深刻なんじゃないのか、と最近思う。
例えば、いまの若い奴らは常識を知らんと言うけれど、僕らと同年代の40代50代60代が常識的なのかと言われれば困ってしまう。僕はよく新幹線を利用するけれど、混んでいるのに自由席の隣の席に荷物を置いて他の人が座れないようにしているのは、たいがいオッサンかオバハンである。あと、それなりに小綺麗にしているお姉ちゃんね。お嬢様ではない、成金の両親に育てられたようなエセお嬢様は意外に、これをやる。
となると、若い非常識者と、年配の非常識者は根っこが少し違うのかもしれない。若い方はまだまだ子どもじみたワガママで、自分以外は間抜けに見えていて、そんな間抜けが自分の領域に入ってくるのは嫌だと思っているのかもしれない。なにしろ、エセお嬢様は、相手がちょっとでもイケメンだと腰砕けに荷物をヒザの上に置き直したりする。
そこへ行くと、年配の非常識者は開き直っておる。人の迷惑になっちゃいけないのは解ってはいるけれど、この程度なら迷惑にならないだろう、と勝手に線を引いて勝手に自分に許可を出す。その辺り、少しおどおどしながら席を占拠しようとする若手のほうがちょっとはマシというもんだ。
そんな年配者の中でも僕と同じ50代というのが融通が利かない。ボケたふりができる年齢でもないし、本当に狭い席で我慢できるほど体力もない。たまには、だらりと姿勢を崩して、足を伸ばしてやらないと、身体が固まるほどにくたびれてはいる。だけど、そんなよぼよぼじゃないから、周りは優しくもしてくれない。そんな年齢になっちゃったのよ(笑)。
それに、思うに50代60代ほど絶望が深い層はいないんじゃないかと思う。よく言われるように、団塊の世代は逃げ切れる、という印象がある。印象だけじゃなく、本当に逃げ切れそうだ。だけど、僕らはたぶん無理そうな気がする。年金制度だって、このまま安倍政権が続いたら、都合のいいようにコロコロ変えられる。そのあげく、食べていけなくなっても誰も面倒見てくれない。アメリカがくしゃみをすれば、日本が風邪を引くと言われた20世紀の終わり頃より今はタチが悪い。アメリカがくしゃみをする前に日本は風邪を引いてしまう。
そんな状況の中で、夢も希望もなにも持てない同年代が山ほどいる。負け惜しみばかり言い、強いモノに何も言えず、言いやすいところにだけ口角泡を飛ばし、もじもじして切れやすく、いつまでも根に持って人の幸せを嫉みまくる。そんな奴が山のようにいる。だけどさ、自分の同僚にもそんなのがいるからあえて言うけど、絶望してたって何にも始まらない。そんなことするなら、もう外に出るな。他人様の迷惑だから。
そいつらが若い奴を指導して、パワハラ、モラハラ、セクハラのオンパレードだ。学問の世界も、スポーツの世界も、ちゃんとしているところと、そうでないところが、見事に二極分化してしまっているような気がする。
それを立て直すには嘘をつかない、卑怯者にならない、人に迷惑をかけない、と言った小学校にあがる前に、おばあちゃんから教えてもらったようなことだけを思い出すだけでいいはずだ。
で、ここで、「まあ、それが難しいんですけどね」という話になるんだけれど、そんなこと言っていた結果が、インフラ企業のトップが何億円ももらって「返そうと思ってたんだよ」と子どもみたいなことをいう世の中を生んだんじゃねえかよ。難しくたって、そうしなきゃだめなんだ、というちょいと無理めで強引な言葉で締めてみる。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。サイト:オフィス★イサナ
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