書くことがない、と書いてみる。
ネコのマロンが逝ってから、どうも気持ちが上がったり下がったりする。映画を見ていても、本筋に何の関係もないネコが画面を横切るだけで、そこで物語が途絶えてしまう。仕事で必要なコメントを返そうとしても、相手がネコのスタンプを使っていたりすると、そのスタンプを眺めて小一時間ぼんやりしていたりする。
そこで、先週のこのコラムでネコのマロンが逝ってしまったという話を書いたのだけれど、これは書けた。出来は別にして、マロンのことを思い浮かべながら、マロンのことを書くのは意外に平気だった。ただ、マロンと関係の無い文章が書けないのだ。いまも間もなく始まるオリンピックのことを書こうと思ったのだが、無観客の競技場の客席をマロンが駆けていくところを想像してしまってオリンピックのことが飛んでしまった。「マロン!そこはクマさんがデザインしたところだから、ネコは走っちゃいけないんだってさ」なんて馬鹿なことを思い浮かべたりしていたのだった。
ということで、本当に書くことがない、というか、書けないので思いつくままに書いてみる。
今朝、情報番組でワンコが「ごはん!」と話すという話題をやっていた。なにを今頃、である。うちのマロンはもっと昔から「ごはん!」と話していたぞ。ご飯の時に「マロン、ご飯だよ」と声をかけると、マロンははっきりと「ごはん!」と話した。これは動画も残っているから僕の妄想ではない。
そういえば、いまスタバでこれを書いているのだけれど、目の前のおねえさんのスマホケースには柔らかそうな肉球がついている。おねえさんはスマホをいじりながら、背面にある肉球をプニプニしている。ああ、触りたい。
目の前のおじさんがマグカップでのご提供でもいいですか、と聞かれて、「マグ?」と聞き返した。スタバのおねえさんが「はい。マグでよろしいですか?」と再び聞いた。おじさんは「えっと、ホットで」と返した。それを見ていて、スタバが出来たときに、ラテを注文したくて「テラ!」と地球を注文してしまったことを思い出した。
申し訳ない、来週は打って変わって知的でロジカルなコラムをお届けする予定です。はい。マロンの名に賭けて!
植松さんとデザイナーのヤブウチさんがラインスタンプを作りました。
ネコのマロンとは?→★
「ネコのマロン」販売サイト
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クリエイターズスタンプのところで、検索した方がはやいかも。
植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。 現在は、東京・大阪のビジュアルアーツ専門学校で非常勤講師も務める。ヨメと娘と息子と猫のマロンと東京の千駄木で暮らしてます。
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