マスクをせずにマスクを語る。
電車とかバスに乗っていると、いろんな人がいておもしろい。この前、大阪の地下鉄でマスクをずらして話しているおっちゃんがいた。鼻は丸出しで、口は出ていないという限りなくグレーな感じ。で、一緒にいたおばちゃんはきちんとマスクをしているのだが、この二人の会話がなかなかのものだった。
まず、何よりも声がでかい。もう、あんたら二人、隣同士で会話しててそんな大きな声出してたら耳痛なるで、と思うくらいに声がでかい。このご時世、声が大きいだけで、周囲の視線は冷たいのだけれど、視線を向けた先のおっちゃんが鼻出しマスクなので余計に周囲は刺すような視線を向けたりする。
それでも、おっちゃんとおばちゃんの会話は続く。しばらくすると話題はマスクへ。
「なんでも、布マスクはあかんらしいわ」
「そうかいな、私は布のほうがコロナ入ってけえへんのかと思たわ」
「そやろ、わしもや。あべの配ったマスクは役立たずや」
「ほんまやなあ」
「それからな、マスクはきっちりつけなあかんらしいで」
「そうそう、口だけやのうて、鼻もかくさなあかんねんて。あんた、鼻出てるがな」
言われたおっちゃんは、自分の鼻の頭触りながら、
「ほんまや、鼻出てるがな。けど、わし鼻毛ぼうぼうやからコロナ入ってけえへんわ」
というなり、二人で大爆笑。
いや、おもろいけどね。笑てる場合やないねんで。
まあ、大阪は今日も平和です。
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植松眞人(うえまつまさと) 1962年生まれ。A型さそり座。 兵庫県生まれ。映画の専門学校を出て、なぜかコピーライターに。現在はコピーライターと大阪ビジュアルアーツ専門学校の講師をしています。東京と大阪を行ったり来たりする生活を楽しんでいます。
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