あなたの鼻は大丈夫ですか?
今月はいきなりおかしなタイトルです。たまたま昨日の夜テレビをつけたところNHKの「試してがってん」で嗅覚の話題を放送中でした。人の鼻の奥には匂いを感じるセンサーのようなものがあるそうで、それは20代をピークにどんどん減少していくのだそうです。
そして、嗅覚が障害を受けると思わぬ異常が現れる。例えば、食欲減退から始まり人と会うのが面倒、やる気が起きないなどなどが生じるのだそうです。ここまで行く前に、カレーやコーヒーなど比較的強い匂いでも分からなくなったと感じたら、専門医を訪ねてくださいと言っていました。
番組では街頭でこんな実験もしていました。年代の異なる人々に目隠しをしてさまざまな匂いを嗅いでもらうというもの。すると、醤油の匂いをニンニクの匂いと言ってみたり、パンの匂いが何だか分からないと言ってみたり…。嘘でしょ!と思うほどの結果も出ていました。そして、スタジオの出演者さんたちは「人はやっぱり目で見て確認している部分があるんですね。目隠しされると分からなくなるものなんですね」というようなことを言われていました。
確かにそんな側面もあるのかもしれません。以に聞いた話ですが、中途失明された方が最初は食事をしていても味も匂いもなく何を食べているのか分からずちっとも美味しいと感じられなかったと。これは今まで見ていたものがいきなりなくなったことで情報の整理が追い付かなくなってしまった状態なのかもしれませんね。
一方、番組ではこんな治療法も紹介されていました。犬になったつもりで(笑)、いろいろな匂いを意識的に嗅ぎ続ける。そうしていると嗅覚が戻ってくるのだそうです。自然治癒力というのでしょうか?改めて人間ってすごいなと思いました。
ところで、私の嗅覚は…。よく見えない人は耳がいいなどと世間では言われていますが、私は鼻の方がよっぽどいいと思っています。道を歩いていても匂いでコンビニを探していたり、雨の降りはじめを感じていたり、同じ本の匂いでも本屋さんに並ぶ新しい本の匂いと図書館の本の匂いの違いを感じていたり、インクの匂いもいろいろあると感じていたり、だいたい黄色い花はいい匂いがするなあとか…。
食べ物でも魚によって焼いているときの匂いって違いますし、フライパンで炒めている食材に火が通ってきたら匂いも変わってきますよね。この辺りになってくると私が単に食いしん坊なためとも言えそうですが。
皆さんはどんな香りを愛し、癒されていますか?私の好きな香りは…、意外に新しい服の香りに癒されたりする瞬間があるような気がしています。
そう言えば、私が所属しているトークパフォーマンスグループこうばこの会。こうばことはお香を入れる箱。その箱を猫が抱えているようなポーズを取ることから、香しい香りのお話でお客様によい気持ちになっていただけたらという思いを込めてつけたそうです。私の語りがその域に達しているのかどうかははなはだ疑問ですが、少しでも楽しんでいただけるよう、細く長く続けていけたらと思っています。