ステーキ弁当
ひと月ほどご無沙汰している間に、のんびり屋さんの今年の秋がやっと活動開始!私も先月誕生日を迎えてまた少し定年に近づくことが出来ました♪
そして白ヤギさんやにゃんこ先輩、義妹や年下の同僚から暖かい誕生日プレゼントやメッセージを頂き、とても幸せな誕生日!ありがとうございます^^
私は月に一度くらい、仕事が終わった後に健啖家の義母にちょっと高級なステーキだったり焼肉やすき焼きのお弁当(テーマは牛肉)を買っていき、一緒に夕飯を食べています。先月は私の誕生日が近かったので少し奮発して、いつもよりワンランク上のステーキ弁当を注文してお店の前の椅子に座って出来上がり待っていました。
週末で夕方の東京駅の構内は帰宅ラッシュと旅行者でかなりの混雑。そんな様子をボーっと眺めていたら、60代くらいの旅行帰りらしいご夫婦が私の横でステーキ屋のテイクアウトメニューを見て仲良さそうに相談しながら注文をしていました。注文が終わるとご主人は荷物を置いてどこかに行き、残った奥さんは空いていた私の隣りの椅子に腰かけたのです。
「本当に疲れちゃったわ~」独り言にしてははっきりとした大きな声でそう言った奥さん。えっ?これひょっとして私に言っている?と思って声の方を見ると、奥さんと目が合いました。私もお弁当の出来上がりを待っていて暇だったので「ご夫婦でご旅行ですか?」と尋ねてみました。
すると待ってました!とばかりに、ご主人が65歳で延長雇用が終わって退職記念に東北を二人で旅行したこと。楽しいはずの旅行なのに二人で5日間一緒にいたら、精神的にとても疲れてしまって全く楽しめなかったこと。これから毎日一日中一緒にいる事を考えたらすっかり憂鬱になってしまったことなどを、通りすがりの私に向かって突然のマシンガントーク!
実は私はお弁当を待ちながらこの夫婦の様子を見ていた時、正直うらやましかったのです。だって私の人生にはもう二度とこんな場面は来ないから。ところがそのご夫婦の奥さんからまさかの愚痴の嵐。見ず知らずの他人に話さずにはいられない程のストレスだったのか、見ず知らずの他人だから話せるのか。
その時一瞬思ったのです。私は夫を亡くしたのでとてもあなたがうらやましいと言ってみようかと。少なくとも1年前だったらそう言ってこの奥さんの事を黙らせたかもしれないし、涙なんかも流して見せちゃったかもしれません。
でも私は話を聞きながら気が付いたのです。もうそこまで出来る程の悲しみと喪失のエネルギーが今の私には無くなっていることに。私がそんなことを考えている間も奥さんはずっと話し続けていました。
そうしているうちに私の注文したステーキ弁当が出来上がり、ご主人も戻ってきました。私は少し笑って奥さんに「お気をつけて」と挨拶をして、暖かいお弁当を持って地下鉄に乗り換えるために改札に向かいました。
歩きながら私は考えました。確かにあの奥さんにとって今回の旅行は思いのほか大変だったんだろうなと、そして私が一人(と三匹)の生活にだんだんと慣れていったように、あの奥さんもこれから始まる二人の生活にいずれは慣れていくだろうとも。お互い夫がいてもいなくても妻はつらいよと心の中で勝手に共感して、ステーキ弁当のおかずに義母にこの話をしてみようと地下鉄に乗り込みました。
夫が亡くなってこの秋で3年。おちこんだりもしたけれど、私はげんきです(パクリw)
okosama
生きねば。(パクリ返しw)
Jane
“でも私は話を聞きながら気が付いたのです。もうそこまで出来る程の悲しみと喪失のエネルギーが今の私には無くなっていることに。”
そういうことありますね。日にち薬が効いたんだな、でもちょっと寂しい、という気持ちになります。
ゆみる Post author
okosamaさま
どう生きるか(ジブリ返しw)
ゆみる Post author
Janeさま
「でもちょっと寂しい」本当にそうですね。
寂しいのは私だけではなくて、天国にいる夫もそんな私を寂しく
感じているのか、昨晩夢に出てきました。亡くなってから夢に出演したのは
これで2回目です。夢の中で私に天丼をご馳走してくれました。なぜ天丼?
義母と食べたステーキ弁当の方が絶対に高かったと思いますw