ポイントカード、あるのにないのは、なぜだろう。
コンビニや商店で「ポイントカード、ございますか?」とよく聞かれる。で、僕は「いいえ」と答える。「お作りしますか?」と聞かれても「いいえ」と答える。だって、持っているから。
だいたいのメジャーなポイントカードはアプリとかで持っているのだ。興味本位でインストールしていたり、お店でキャンペーンみたいな時に、配られたりしたものが、だいたい財布の中で眠っている。
それなのに、なぜ、持っていないふりをするのか。それにはいくつか理由がある。まず、カードを探すのが邪魔くさい。アプリを探そうと思っても、どのフォルダーに入っているのかわからないし、見つかっても再度インストールしなければならい状態のことも多い。でも、その手間が惜しいわけではない。手間取っているところを見られるのが恥ずかしいのだ。さらに、後に人がいたりすると気を使ってしまう。いくら、お店の人が「大丈夫ですよ」と言ってくれても、僕が大丈夫じゃない。気持ちが耐えられない。
さらに、心のどこかで、「ポイントを貯めたところで、数十円じゃないか」という気持ちもある。さらにさらに、一度「ありません」と答えた以上、再訪したときに出すのは整合性がとれないじゃないか。と思ってしまうのだ。
というと、絶対出さないみたいだけど、そんなこともない。それがややこしい。僕が毎日のように通う珈琲館では紙のポイントカードがあって、これは出す。もう、ここはホスピタリティが高すぎて、相手が「この前お渡ししたカード、ポイント付けますよ」とか言うんだから。で、「なくした」とかいうと、相手がこっちのポイントをだいたい覚えていて、その分をスタンプ押して渡してくれる。こうなったら、毎回出すしかないよね。
あとはもう頑なに出さない。なぜ出さないんだろう、というか、なぜ出せないんだろう。もしかしたら、慌てるのがいやなのか。だから、レジ前で、「ポイント付けられますよ」と言われても慌てふためくのが嫌で、断っているのかもしれない。
こんな話をすると、だいたい家族からは、「もったない」と叱られる。でもなあ、叱られても、なんかその気になれないんだよなあ。ポイント貯めようと必死なると、なんか日々の余裕みたいなもんが、減っていくような気がするんだなあ。これはもう、性格というか癖というかそういうものなのかもしれない。できれば、ポイントも余裕も貯められるような性格だったら良かったのに……。
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植松事務所
植松雅登(うえまつまさと): 1962年生。映画学校を卒業して映像業界で仕事をした後、なぜか広告業界へ。制作会社を経営しながら映画学校の講師などを経験。現在はフリーランスのコピーライター、クリエイティブディレクターとして、コピーライティング、ネーミングやブランディングの開発、映像制作などを行っています。

















































































