あじフライを食べるのさ。
近所に魚屋さんがあって、刺身や切り身を売っているんだけど、いちばん売れているのがあじフライ。店の隅っこにフライヤーがあって、気持ちのいい音を立ててフライをあげている。文章を書く仕事をするときには、近所の図書館のワークスペースを借りることが多い。なにしろ無料だし、電源もあるし、一人の使える範囲がマクドナルドの電源のあるスペースの3倍くらいあるんだもん。朝から散歩がてら図書館まで歩き、ワークスペースで仕事をして、昼前の都電の線路伝いに花壇に植えられた薔薇の花なんかを眺めながら帰ってくる。その途中に、あじフライのうまいさかな屋さんがあるのだ。
で、あじフライを買って、たまにイカフライも買って、帰る。誰かが家にいれば、作っている昼ご飯にあじフライをプラスして食べる。なんだかもうそれだけで、かなり幸せな気分になる。サクサクした生パン粉のあじフライは幸せの味だねえ。
というわけで、最近、あじフライにハマっているのだけれど、このさかな屋さんで揚げているアジフライがここ数年でベストかもしれない。う〜ん、なんであじフライの話しを始めてしまったのだろう。最初、都電沿いに植えられている薔薇の花の美しさについて語ろうとしていたのに。そのことを書こうとした途端に、冒頭の「近所に魚屋さんがあって」という一文を書き始めてしまったのだった。
おそろしいなあ、食べ物って。薔薇の美しさをあのジュワッと揚がる油の音とサクサクした食感となんとなく甘い白身の味で凌駕してしまったのだ。いや、凌駕される僕の食い意地が張っているだけかもしれないけれど。
というわけで、あじフライのうまいお店を知っていたら、ぜひ教えていただきたい。東京でも大阪でもかまいません!よろしくお願いします。
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植松事務所
植松雅登(うえまつまさと): 1962年生。映画学校を卒業して映像業界で仕事をした後、なぜか広告業界へ。制作会社を経営しながら映画学校の講師などを経験。現在はフリーランスのコピーライター、クリエイティブディレクターとして、コピーライティング、ネーミングやブランディングの開発、映像制作などを行っています。