激闘ワンピース・冬の陣(1)〜すべてはNのために。
いきなりで恐縮ですが、1年と少し前に放送した『Nのために』というドラマをご存知でしょうか。
わたくしごとですが、「イヤミス(読んでいやな気分になるミステリー)の女王」湊かなえの同名小説が原作なので、窪田正孝くんが出ていなければ見なかったであろうドラマであります。
窪田くん、7年前にNHK時代劇『浪花の華』で主演していたときから気になって、ずっと見ているのですけども、このドラマでは榮倉奈々扮するヒロインの過去を知る幼なじみとして、影のある演技がすごくよかったんですよ。主要人物全員のイニシャルが「N」であり、それぞれがそれぞれの「N」のために運命を狂わせていくという物語で、Nとはいったい誰なのか、殺人犯は誰なのか…なかなか見ごたえのあるサスペンスドラマでしたが、
まさかなー(7年前)
イケメン枠に入る日が来るとはなー(現在)
そういえばロケ地は小豆島でした。うつくし。
人間ってわからんもんだなと遠い目をしつつ、それもこれも窪田くんがNのために全身全霊でがんばったからなんだわと思うに至り、わたくし、じじょうくみこも精一杯がんばるしかないなと思ったのです。
Nのために。
あ、窪田くんの話はこれで終わりです
それは昨年行われた、わが結婚式でのこと。
一世一代の晴れ舞台を目前にヒーヒー言いながら日夜筋トレを重ね、なけなしの金を投下してブライダルエステを受け、それでもまったく結果にコミットできず、最終的には人類の叡智でくびれを創造するハイテクドレス&キャシーなボレロですべてを隠蔽した、頑固すぎる中年ボディの持ち主であることは、みなさまもご承知のことかと思います。
でも祝宴さえ終わってしまえば、こっちのもの。大きいサイズコーナーで試着しまくってようやく見つけたワンピースを着て、ド緊張でパパママあいさつに行くこともなければ、くびれ命の純白ドレスに肉という肉を格納し、息を止めて人前に立つことも金輪際ないのであります。(秋に地獄のドレスおかわり事件が起きたことはまた別の話)
あー終わったぜ、終わらせたったぜ、こんちくしょう! この先ハレの場に呼ばれることもなさそうだし、あとはシマ島でのびのび暮らせばいいんだわー♪と心もカラダも解放感でいっぱいになっていた結婚式の2次会で、こう声をかけられたのであります。
「くみさん、実は私も結婚するんです(≧∇≦) 島から申し訳ないんですが、披露宴に来てもらえませんか」
な〜〜〜ん〜〜〜だ〜〜〜とう〜〜〜???
それが1人目のN、ノリコ突然の結婚宣言でございました。
ノリコは5つ下の友人で、苦楽を共にした同士でもあります。同じ四十路独女仲間として、彼女の活躍を励みにがんばっていたところがあったのですが、最近連絡ないなーと思っていたらなんだなんだ、公私ともに頼りになるパートナーにめぐり合っていたということか。こ、これはぜひとも祝宴に駆けつけねばなりますまい! と武者震いしていたら今度はiPhoneにメッセージが。
「くみちゃん、うちも結婚式をすることになったよ! ザビさんと一緒に出席してもらえませんか〜〜( ´ ▽ ` )ノ」
なああ〜〜〜んん〜〜〜とおお〜〜〜〜!!!!!
それがもう1人のN、ハニコからの知らせでございました。
haNikoのN…
「ハニコってだれだっけ?」というかたは、このへんとかこのへんをご覧いただくとして、ハニコはわたしが3年間派遣OLとして働いた「珍獣パラダイス」で最強モテ女子として活躍した、壇蜜似の友でございます。人事異動で遠くへ行ってしまったハニコでしたが、その後いろいろあって会社を辞め、ようやくめぐり合ったステキ彼氏とはれて入籍。わたしの結婚パーティにも夫婦そろって出席してくれておりました。
「結婚式はしないかもー」と言っていたハニコでしたが、やはり挙式することになったとの知らせ。そりゃそうだろうなあ、あんなきれいな子がドレス着ないほうがおかしいしねえ、ええ、ええ、喜んで出席させていただきますよ、夫婦そろって見届けさせていただきますけどね、
そうかああ〜〜〜
またワンピースと戦うのかあああああああああヽ(;▽;)ノ
と深いため息が出たことは、ここだけの話でございます……。
もちろんこっちの話ではない
さて。
オバフォーを長くお読みくださっているかたは、わたしとワンピースとの関係について覚えておられるかたもいらっしゃるかもしれません。
過去の記事はこちら↓
ワンピース、ああワンピース、ワンピース。時を重ね、住処が変わり、名前が変わったからといって、どうしてこの愛憎関係から解き放たれましょう。むしろどっちかというと祝宴後にリバウンドはなはだしいこのカラダを、どうやってうやむやにしようか考えるだけでリバース気分。おまけに今回はノリコが1月、ハニコが3月と寒い時期の祝宴です。真夏も悩みますけれど、真冬は真冬で「厚着なのか薄着なのか」「はおりものでいけるのか」「靴はどうするんだ」など、少し考えただけでも問題が次々と…。
それでも大切な「ふたりのN」のウエディング。ここはやっぱり新調ですかね! と思ったのですが、なにしろわたくし島民ですので、そうそうお店で試着するわけにもいきません。それになんというかまあイヤラシイ話で恐縮ですが、式に出席するには島からの交通費と宿泊費がかかるわけで、オシャレまでお金を回せないというのが正直なところ。(シマ島では本土の結婚式に出席する際、お車代などはいただかず自腹で行くのが当たり前だそうで…オヨヨ)
そこで通販サイトを夜な夜なサーフィンしたのですがこれがまた、サイズが合っても丈が合わず、丈が合ってもサイズが合わず、丈とサイズが合ったら値段が合わず、だんだん買う気が失せて検索やめる、という負のスパイラル。悶々としているうちにあっというまに年が明け、第一のN、ノリコの結婚式が迫ってきたのであります。
追い詰められたじじょくみ、Nのために、こう考えました。
よく考えたら、わたしの結婚パーティに来ていたのはほぼ同年代(つまり熟している)
↓
ゲストに天女の羽衣系女子もいなかったし、シックな服を着ていた人が多かった気がする
↓
そういえば、幼なじみのはるちゃんの祝宴もみんなおとなしめだった
↓
ノリコはオバフォー、ダンナもオバフォー、しかも1月厳冬期
↓
ゲストはやはり年上めと予想されるし、真冬に羽衣もなかろう
↓
そもそもオバちゃんの衣装に注目する人もおるまいし
↓
衣装代をご祝儀に回したほうがよくないか
↓
こうなったら手持ちの服でごまかしゃいいんじゃね?
はい、というわけでね、
唯一持っているネイビーワンピで出席決定〜。
これね
このワンピース、デザインはシンプルですが、ウエスト部分にブラウジングとかいうゴムの切り替えふんわり仕上げになっているので、うやむやレベルはかなり高め。近くで見ると、仕立てのよさも伝わる気がしますし、はるちゃんの披露宴にもこれで出席して全然違和感ありませんでした。袖が短いのがアレですが、黒のジャケットを着れば二の腕も隠れますし、
こんなんとか
こんなんとか
こんなんとか
家にある、ありったけの小物をつければどうにかなるだろう、と思ったのであります。
お察しのいいかたは既にお気づきかと思うんですけれどね、わたしはまったく考えていなかったわけですよ。
真冬だろうが真夏だろうが、季節とパーリーは別腹であることを。
ひとは会場によって、装いレベルを変える生き物であるということを。
なにより新郎新婦がオバフォーだからといって、ゲストもオバフォーとは限らないということを…。
1月下旬に行われたノリコの挙式当日。
雪が降りました。
こなあ〜〜ゆきい〜
もうこんな日に薄手のストッキングなんて、オバちゃんにはとても無理。こうなったらオシャレより温さを取る!とばかりにストッキングを買いに走ったわけですが、わたし的には「透け感のある厚手の黒ストッキング」を買ったつもりが、いざ履いてみると自転車でひと山越えて通学している女子高生レベルのデニール感! それでも時すでに遅し、買い替える時間もないのでしぶしぶタイツを履いて、ヒートテック・オン・ヒートテックでインナーを着まくり、コート&マフラーぐるぐる巻きにして、雪の中を馳せ参じたのであります。
東京大神宮へ。
神前結婚式発祥の地にして、恋愛成就のパワースポット。
それが東京大神宮。
そんな由緒正しき神社ですから、ゲストのかたがたもまあ〜見事に
ノースリーブ&羽衣女子だらけ〜〜
こういう感じのやつね
ゲストは予想に反して、新郎新婦より年下が多い印象でした。若いひとってすごいよね、雪が降ろうが槍が降ろうがおかまいなしの薄着ルックなのね。キラキラした女子の装いをながめるのは楽しかったのですが、ネイビーワンピ&黒ジャケ&コサージュ&デニールなわたしは披露宴というより
保護者感ありすぎたよね〜
ノリコの門出を心から祝福しながらも、内心ではおのれの地味さにかなり気後れいたしました・・・(ー ー;)
これはいかん。第二のN、ハニコの披露宴も都内指折りの披露宴会場であります。しかも新郎新婦そろって20代。この超コンサバワンピでは、とても太刀打ちできそうもありません。なんとか手を打たねばと、ノリコの式が終わった直後から再びワンピ探しを開始。次の祝宴までの1ヶ月半、どうにかワンピースを探すべく奮闘したのでありました…。
次回につづく。
それではみなさま、来週お会いしましょう〜。
Text by じじょうくみこ
Illustrated by カピバラ舎
*「じじょうくみこのオバサマー」は毎週土曜日更新です(2〜4月限定)。
榮倉奈々と三浦友和もよかった。
ななこ
まさかおちは○ッセンのNとか。いろいろ期待しています。
mikity
いやあ、面白いです。おもしろがっちゃいけないのはわかっておりますが、それにしても
じじょくみさんとワンピースとの飽くなき戦い面白すぎです。思わず過去記事も読み返してしまいました。
でも、イベントが決まっているのに着るものが決まらないのってホント落ち着かない気分ですよね。よおく分かります。楽しいはずのイベントなのにちょっと気重になってしまったりも。
じじょくみさん、お願いですから、その長くてほっそりとして手足をばばーんと出しちゃって、そのリッチな胸元もぐぐーんとあけちゃって「どうよ、見なさいよ」みたいなカッコしてください。絶対出した方が素敵だと思う。貧相な体型の私には絶対無理なストレートでかっちょええタイプのワンピースを着てみせて~!!
サヴァラン
ワンピースとの激闘譚なのに
身も蓋もないことを言いますが。
パンツスーツ
わたしはJKさんには似合うと思う!
パンツスーツ
手足の長い長身の大人の女性には
知的でクールでぴったりだと思う。
パンツスーツ
寒暖の調節が比較的しやすいし移動のときもラク。
顔周りや上半身で変化をつけて
なんなら、会場では上半身半そで
いやいっそ、ノースリーブとか。
日常のJKさんから あまりかけ離れ過ぎず
それでいて晴れの日の華やかさをさりげなく纏う。
ワンピースもきっとお似合いが見つかるはず。
でもでも
パンツスーツ!!!どですか?
mikity
おお~っ
私もあれからじじょくみさんのファッションをずっと考えてて(ホントかっ)
パンツスーツも素敵だろうなあって思っておったのですよ。サバさま。
そうそう、インナーは絶対的にノースリーブでね。
よし決まりだ!
じじょうくみこ Post author
>>ななこさま
こんにちは!コメントありがとうございます(*´ω`)
おお、そのNもありましたね(笑)
ナイキのNって手もあるかも?
じじょうくみこ Post author
>>mikityさま
こんにちはー!いつもコメントありがたや~(*´ω`)
そうなんですよね、着るものが決まらないと本当に落ち着かないというか心ここにあらずというか・・・
お祝いした気持ちは本当なんですが、ぶっちゃけ着るものを考えると憂鬱になって
いっそ欠席しようか。。。と思ってしまう自分が情けなく(-_-;)
そんな、どーん!ばーん!と出せればいいんですけどね
いかに出すに隠ぺいするかに情熱を燃やしている人生です(爆)
じじょうくみこ Post author
>>サヴァランさま
うほっ!サヴァランさまからコメントいただける誉♪ありがとうございます~(^-^)
パンツスーツ、実は検討したんですよー!
ただわたし、普段は一切スカートをはかないのです。
パンツ=仕事モードというのが定着しているので
特別な席までパンツをはきたい気持ちにならず。。。
せっかくのご提案なんですが、ごめんなさいー(-_-;)