Posted on 2026年3月17日 by SHOJI
第138回 パリに咲くエトワール
3月13日に劇場公開された『パリに咲くエトワール』
映像にジブリ味を感じるのは、キャラクター原案を担当したのが近藤勝也氏だから。スタジオジブリで『魔女の宅急便』などを手掛けた名アニメーターです。近藤氏の絵には、大げさな言葉だけれど普遍的な好もしさを感じます。
原作は谷口悟朗監督のオリジナル。脚本に吉田玲子氏を迎え、監督の過去作(『ONE PIECE FILM RED』や『コードギアス 反逆のルルーシュ』など)とは趣の異なるゆったりと優しい物語となっています。
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舞台は1912年、ベル・エポックのパリ!
フジコと薙刀の名手である千鶴が異国の地パリで再会し、それぞれ画家とバレリーナをめざします。同時代に渡欧した舞踏家が実在したこともあり荒唐無稽な話ではなさそうです。
フジコの保護者代わりの叔父さんの失踪や戦争が彼女らの先行きに影を落としますが、それでも自助努力と周囲の力を借りながら夢をあきらめません。
老若男女問わず良き隣人たち、仲間たちに囲まれた彼女らの日常は質素で豊かです。はじめは東洋人に対する色眼鏡はあったけれども、芯の強い彼女らの生き方が周囲の理解と信頼を獲得していくのです。
独学でバレエの基礎を習得し、ロシア人指導者のもと、めきめきと才能を発揮していく千鶴。見ているこちらも嬉しくなります。気になるのは、彼女を応援するフジコの様子です。映画で月日を追って見ていくと、いつも明るいフジコの予告編だけでは量れない人物造形にリアリティーがあります。
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千鶴の殺陣のシーンやバレエのシーンが素晴らしく、アクション動画は戦闘だけじゃあないと思い知らされます。
ガラス製アーケードのパサージュやアパルトマンに囲まれたパティオ、モンマルトルの丘などを見ると眠っていた乙女心が目を覚まします。
オペラ座など大建築が並ぶパリの様子や現役芸術家による作中画も目を楽しませてくれます。
服部隆之氏がてがける作中曲や劇伴を聞くと、音楽を楽しむ映画でもあることがわかります。
見ると幸せな気持ちになる作品はこの世に不可欠だと痛感するこの頃です。














































































