第26回 ルパン三世 THE FIRST
『ルパン三世 THE FIRST』は、ルパン三世シリーズ初の3DCGアニメーション映画です。現在大ヒット上映中。監督は、『STAND BY ME ドラえもん』『ALWAYS 三丁目の夕日』などを手がけた山崎貴。脚本も担当しています。
三次元の次元が、異次元のカッコ良さ! カッコよすぎて、直視できない。 これは二度目の初恋…。(一度目は‘70年代の次元大介) しかも声優は、唯一初代から変わらない小林清志で、泣ける。CGでここまで色気が出せるものですか?特殊効果ですか? なにはともあれ、ビバ!3D化! キャラクター造形に力を尽くしてくださった皆様、 こんなに素敵な次元に会わせてくださって、ありがとうございます!
最初に観た時は、次元に目を奪われて全体映像があまり記憶に残らず(汗)、二度目は中段中央の席で、まっすぐに全画面を視界に入れ、超一級の映像技術に目を預け、大野雄二の音楽に耳を預け、じっくり見ました。
舞台は1960年代のフランス。ルパンは、祖父アルセーヌ・ルパンが唯一盗めなかった秘宝「ブレッソン・ダイアリー」を盗もうとします。けれども、女性警備員が変装を見破り、ルパンは銭形警部に捕らえられてしまい…からの、冒頭の超かっこいい動画です。こういったルパン一味と銭形警部の特徴と関係性が凝縮されたシーンがところどころに配されていて、長年のファンである私は自然に口元が緩みます。
同世代の山崎監督は、2Dアニメーションの良さを残すため、 動きを「手付け」することにこだわったと言います。変装をとるルパン、空中でのあり得ない動き、ルパンと銭形警部らのドタバタ追いかけっこ、首をすくめて逃げる一味などなど、 監督、あの愉快さは伝わっていますよ!
ルパン一味の車はFIAT500。トランクスは縞柄。銭形警部の投げ縄手錠。本物を忠実に表現した拳銃。馴染みのあるアイテムやアクションにルパン三世ならではの「型」を見つけて楽しめる、まさにOIRAKUのアニメです。また2Dでは表せない 細かいリアリティー 、窓からの光で埃がキラキラする、紙が燃えて灰になっていく様などが、印象に残ります。
世界をまたにかけるルパン三世、こんどはどこで何を盗むのか。3DCGの次元が主人公のスピンオフも大歓迎!
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最後に、3DCG版ルパン三世を楽しみにしておられたという原作者モンキーパンチ氏が、この春令和を待たずに逝去されました。また、公開直前に井上真樹夫氏(石川五右衛門の二代目の声優)が逝去されました。お二人のご冥福をお祈り申し上げます。
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3DCGアニメーション映画をもう一本。
『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』(2011年 スピルバーグ監督 YouTubeで有料視聴できます)原作漫画も、2Dアニメにしたものもご覧になった方は多いと思います。こちらはモーション・キャプチャーを駆使し、雰囲気が別物になっていますが、今見るとこれはこれで、楽しい。