第45回 モーレツ宇宙海賊(パイレーツ)
「モーレツ」と聞けば、’70年代のCM「Oh! モーレツ!」を、「パイレーツ」と聞けば、胸の谷間を強調するギャグを連想する私。見る前は首をかしげるタイトルだが、見た後は、戦略か!と見方をあらためた作品。
「モーレツ宇宙海賊」は全26話、2012年1月からTV放映されました。(現在Amazon Prime他で見ることができます。劇場版もあります。)監督は佐藤竜雄。原作は笹本祐一のSF小説「ミニスカ宇宙海賊」。
当時、なんぞ面白いアニメはないかと周辺の人々にたずねると、本作をあげたアラサー男子が2名おりました。タイトルがアレだけど…と言いながらも(やっぱりタイトルにひっかかるよね)、怪訝な顔の中年女性に敢えて推してくる勇気と良作だという自信に、そんなに言うならと見たところ、これが予想外に硬派でした!
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宇宙航行が当たり前の時代。白鳳女学院ヨット部に所属する女子高生・加藤茉莉香は、いろいろあって(ここが肝心なので言わない)、合法の(瀬戸内の某水軍を連想させます)宇宙海賊として「弁天丸」の船長になります。茉莉香の複雑な家庭事情、年相応の高校生活、そして弁天丸での海賊活動が描かれます。
なんといっても、決断に実行が伴う茉莉香の性格が良い!ネアカって、こんな感じ?憧れるわー。そして弁天丸の乗組員の大人たちが、また、素敵。新人船長の経験不足を補う形で、しっかりサポートしつつ、茉莉香の船長としてのリーダーシップを育てていくのです。
アニメ制作に携わる方は皆キャラクターを大切にしていると思うのですが、佐藤竜雄監督作品には、とくにそれを感じます。オリジナルの「学園戦記ムリョウ」にせよ、原作有りの「ATOM THE BEGINNING」にせよ、若いキャラクターをイジらないというか、なんというか、「健やか」という言葉が頭に浮かびます。タイトルで敬遠してはもったいない、元気の出るアニメです。
オープニング曲 猛烈宇宙交響曲・第七楽章『無限の愛』 も、ぜひ、どうぞ。作詞作曲、前山田健一(ヒャダイン)。かっこかわいい(死語?)全力のももいろクローバーZと、これまたかっこいい大人のコーラスの相乗効果で、活力が湧きますよ!
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『えんとつ町のプペル』を見ました。絵本も見ました。細かい線で描き込まれたえんとつ町は、アニメになって、灯りがともることで生き生きと動き出す。工場萌えのような美しさのスクリーンに入るのは、楽しかったです。
序盤、ともだちのいないルビッチ(声 芦田愛菜)とゴミ人間プペル(声 窪田正孝)の乗るトロッコ(?)が暴走するのですが、ルビッチの慌て方が足りない?後半は、さすが!の演技でした。
今年もマイペースなOIRAKUのアニメを、よろしくお願いいたします。