第77回 ポプテピピック
先週末「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」を見ました。壮大な3Dスペクタクル映画で圧倒されました。これは実写なの?3DCGアニメーションなの?などと考えていると、スタジオ・ジブリやディズニー作品へのオマージュ・シーンが流れ、もうそんなジャンル分けは意味がないのだと分かりました。
日曜日には「鎌倉殿の13人」の最終回を見ました。俳優小栗旬の圧巻の演技に息をのみました。そのあと「M-1グランプリ」を見て、サッカーのワールド・カップ決勝を見て…。
と、カロリーの高いエンタメやスポーツで心揺さぶられる週末を過ごしたあとの抜け殻が、いったいどんなアニメについて書けるというのでしょう…?
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そこでひねり出したのが「ポプテピピック」。多彩で凝ったアニメーションや声優の演技によって、いまひとつな原作が高等な遊びに変わり、好評を得ている作品です。
大川ぶくぶによる4コマ漫画が原作で、アニメーション制作は神風動画(1期・2期)・スペースネコカンパニー(2期)。2018年に一期が、この秋二期が放送されました。Amazon Prime Videoにて見放題配信されています。
YouTubeでポプテピピックと検索すると、「KING AMUSEMENT CREATIVE」公式チャンネルでかっこいいオープニングやほっこりエンディングアニメが見られます。それに惑わされ積極的に何かを受け取ろうとして本編を見ると、うっかり笑ってしまったり、嫌悪感をいだいたりしてしまいます。ですが、本作は視聴者の心を動かすことを狙って作られたものではありません。たぶん。
見ているうちにぼんやり分かってくるのです。これは意味のあることは一切描かれていない実験的アニメだと。何を見せられているのか分からなくても、この手のシュールさが受け入れ難くても、自分の感性を疑う気にはならない。見ているうちに心が「無」になっていく。これはもしや真のナンセンス作品では?知らんけど。(念のため言いますが、私は本作のアンチではありません。)
しかし今年最後の定期更新がこれでいいのか?