ああ、父と息子。ネガとポジのあいだ。
もう!ほんっと~に、こんなややこしいはなしは願い下げなのだ。
『弱くても勝てます』という黄色い本をバイブルのようにおしいただく息子は、ポジティブなのかネガティブなのか益々わからなくなってきた。
好きな本やマンガは、どんな状況でも、どんなことを差し置いても、がっつり見ることのできるこの神経の太さは、一体誰に教わったものなのか。ああ、親の顔が見たい!親の顔が見たい!
のんきすぎる一人っ子も、ここへきて処世術をひとつ、遅まきながら身に着けたらしいので記しておく。
彼は今、父と衝突したときは母になびく。母と衝突したときは父になびく。
父との関係があやしくなり始めると、数日前に大衝突した母の耳元へ「先日はすみませんでした」と早々に詫びを入れる。母との雲行きがあやしくなると、今度は父の傍らへ同じことをささやきに行く。
息子よ!日和見主義は決して悪いことばかりじゃない!自分の身は自分で守れ!それが生き物の鉄則だ。
息子「ねーねー、おとうさん。『先生』の本当の役目は、夢を諦めることを教えることだって、知ってた?」
父 「そんなの、どこで聞いたんだ?」
息子「ぼくが今気に入ってる『ぬ~べ~』っていうマンガ」
父 「 ふん。。『先生』の役目は、夢を諦めることを教えることだっていうのは、それは正しい!」
父「それは正しい、というより、それこそお父さんがおまえにいつも言ってることだ」
いいか。このはなしは決して消極的な意味で話すんじゃないぞ。
お母さんはいつも
お父さんがお前にネガティブなことばかり言うって、文句を言うけどな。
いいか。
「夢を追いかけろ」「夢は追いかけるものなんだ」っていうのは誰もが思っていることなんだ。
そして、実際、みんないろんな方法で 一生懸命 夢を追いかけているんだ。
でも、残念ながら夢っていうのはそう簡単には実現しない。
だったらどうするか?
一番初めに思い描いた「夢」っていうのは、
だいたい誰しも大きいものだし、だからこそなかなか手が届くものじゃないんだ。
届かない。。。
だったらどうする?
届かない、届かないって、いつまでも手を伸ばし続けるか?
確かにそれもひとつの方法だ。
でも、近くにいる大人が
「その夢をまるごと全部叶えるということはもう諦めろ。
その代わり、もともとの夢の中で ここだけはどうしても!、と思う部分を取れ。
夢の真ん中を取りにいくために、それ以外は目をつむって諦めろ 」
そう教えてやることは、
そのひとのもともとの夢を台無しにしたってことにはならないはずなんだ。
だから。
「『先生』の役目は、夢を諦めることを教えることだ」っていうのは、お父さんに言わせれば正しいんだ。
お父さんはむしろ、そのことを今のたろうに教えたいんだ。
夢は追いかけるものだ。
でも。やたらめったら追いかければいいってもんじゃない。
追いかけながら諦めるという作業も必要なんだ。
つまり夢は、諦めて諦めて追いかけるものなんだ。
どうだ?たろう
何度も言うけど、お父さんが言ってることは決して消極的でも悲観的でもない。
悲観的というよりむしろ、楽観的なはなしなんだ。
うーん。お父さんのはなしは
「夢を追いかけろ」ってことと「諦めろ」ってことの裏と表のはなしかな?
どうかな?違うかな?違うかな?あってるかな?
「表がござれば 裏がござる♪ 影がござれば 光がござる♪
ややこしや~ ややこしや♪ ややこしや~ ややこしや♪」
あ゛------、も゛-------!!
そんなややこしいことをこんな時間に言ってるんなら、
二人ともお布団に入ってとっとと寝なさーーーーーーーーーい!!!!!
GO TO BE=========================================D!
注) うちのシュジンはもともとややこしいはなしを一切しないひとです。ややこしいはなしをしないシュジンが、ややこしいはなしをした!ということで、日記に書きました。(サヴァラン)
中島
ご主人、めっちゃ面白いですー!
わかったようなわからんような話だけど、
こんな父さん欲しかった^^
okosama
現況で初のややこし発言ですか(^_^;)
ごシュジン、ご胸中お察しいたします。
サヴァラン Post author
中島さま。
シュジン、ちーーーーーっとも面白くありません!!
カラスをおつむに載せて自転車で快走されるご主人さまの方が
だんっぜんっ、面白いですー!
サヴァラン Post author
okosamaさま
はい。ややこし発言、初発でございます(笑)
シュジン、かな~り、きていると思われます(笑)
テレジア
一つ前のコメントのお返事ありがとうございます。
そうそう 金子みすずさんの詩 それです。マクロにもミクロにも 同じ神様がいらっしゃる。
(と私は感じてます)
息子さんがお父様のおっしゃることを理解されているってことは素晴らしい。
漫画に描いてあったってのも凄いけど。
今「中二病」ってのがあるらしく 万能感で溢れる思春期の頃のことを指すらしいのですが、
万能ではなくっても、どうかすると努力すればできるようになる といった 妙な定理を信じていて
がむしゃらにやってみて、結局できないと 心砕ける ということを つい最近まで繰り返していまいした。
結局、小さな人(一人は私より身長が高くなりましたが、便宜上 小さいと表記します)たちに、
「頑張らないから できないの」という 説得力のありそうで 根拠のない 小言を 真言のように
言ってしまう私がいます。
こういう うまく伝えられないけれど 伝えたいこと って案外たくさんあるけれど、
結局 受け手側が うまくキャッチしてくれてないと わかっちゃないな ってなことにもなりますね。
サヴァラン Post author
テレジアさん コメントありがとうございます。
マンガの意味は、きっと違うと思うのですが^^
「中2病」って、少し前から聞くようになりましたが、そこに「万能感」があったとはわたしは知りませんでした。中2の頃、わたしは万能感より無力感に苛まれていましたが、それも30年以上前のことですから時代は当然変わりますよね。
「頑張れ」と確かに言われて育ちました。「何事も頑張れ」「最後まで諦めるな」。そのことの絶対的な正しさと、そのことの抑圧的な苦しさの中に10代がすっぽりはまり込んでいた気もします。
たまたま為末大さんの「諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない」という著作のタイトルを目にしました。まだ読んではいないのですが、どうやら舌ったらずなシュジンが言わんとすることを為末さんがきちんとした著作にしてくださっているようです。
「頑張ること」と「諦める」こと。
その間の刻み方を、わたしたちはそれぞれ自分の実感を通してわが身に落とし込んでいくのかも知れません。
若くて小さいひとたちに、このダブルスタンダードがどう響くのか。
そこが本当にむずかしいですね。